地上波での放送がなくなり、フジテレビが日本GPのスポンサーを降り、日本では人気急落中のF1であります。
しかしながら、ちょっと状況は変わってきそうかも。というのも、DAZNの日本でのプレゼンスがぐっと高まってきたからです。
というのも、今年からDAZNで日本のプロ野球がほぼすべて観られるようになったからです。「ほぼ」なのは、巨人だけ例外だから。まあ、そこは置いときましょう。どーでもいいし。
これまでのDAZNは、F1にしろ海外サッカーにしろ「ちょっとマニアックなスポーツファン」が契約するものって感じでした。しかし、J1, J2全試合とプロ野球のほぼすべてが観られるようになったことで、ぐっと身近になった感じがします。Jリーグとプロ野球もそれぞれが一般人のものから、コアなファンのものになりつつあるんですが、コアなファンの量がF1とは全然違います。ケータイのデータ容量をいろいろ気にしなきゃいけなくなるんでお財布的な負担はそれなりにありますけども、特に通勤時間が長い人なんか帰りの電車の中で野球を観ながら帰れたら幸せって人、多いですよね、たぶん。そういう人は月2000円弱なんて喜んで払うんじゃないですか?野球は試合時間が長いですからね。電車の中でも、リビングのテレビでも、布団に潜り込んでからでも同じように試合が観られるというのは、かなりのUXです。良い時代だ。
で、いったん契約してしまえば、Jリーグや他のスポーツもちょっと観てみようかなって気になりますもんね。今後はこういうルートでF1を見る人も増えるんじゃないでしょうか。私もせっかくなんで今年は家の近くに関連施設があって馴染みあるFC東京を応援してみようかなと思ってます。でも、第3節まででまだ勝ち点1でちょっとしょんぼり。
さて、毎年この時期は、各チームの新車を眺めてあーでもないこーでもないと妄想するのが楽しい時期。1年でもっとも楽しい時期といっても過言ではありません。さて、各車を観て、あーでもこーでも言ってみましょうか。新車の画像は、古くからのおなじみ、Niftyserveのモータースポーツフォーラムの成れの果て、http://www.fmotor.net/ から、リンクをたどって観てください。いやしかし、2018年にこのデザインのサイトがまだ現役で使われているというのがすごい(笑)
このサイトの上から観ていきます。おそらくは発表順に並んでいるはず。ということで、まずはハースから。

すご~くオーソドックスです。逆に、今年のマシンの傾向を説明しやすくていいかも。
まずは、Halo。コックピットの上に乗ってる、下駄の鼻緒みたいなヤツのことです。今年から導入されました。コレ自体は指定パーツなので全チームで同じカタチです。
かっこいいかかっこ悪いかでいえばかっこ悪いんですが、コレたぶん、あっという間に見慣れます。夏頃には文句言っている人だれもいないと思います。これまでもいろいろマシン形状の変化はありました。ヘッドプロテクター、ナロータイヤ、溝つきタイヤ、フロントウイング中央の凹み、Xウィングにバイキングウィング、細くて高いリアウィング・・・などなど。でも、どれもこれもあっという間に見慣れました。来年にはついてない車を見ると不安になると思います。そんなものです。
もう2つのトレンドは、ロールフープ付近のインダクションポッドの大型化と、サイドポッドの後退かつ縮小です。去年からロールフープの大型化傾向が強くなってます。ハースもA型のロールフープの両脇に追加のインレットがありますし、インダクションポッドも後ろめに見えます。
インダクションポッドの大型化は、ちょっと考えると不思議です。これまではアソコからエンジンへの吸気を取ってました。そして、冷却用の吸気はサイドから取ってました。高い位置のインダクションポッドは正面から強い風を取り込めます。ラム圧というのですが、これが自然吸気エンジンに取っては大事です。しかし、今はターボエンジンなのでラム圧は不要のハズ。現に、スーパーフォーミュラのマシンではあの位置に吸気はありません。

このように、後ろは筒抜け。あれはマシンがひっくり返しになったときに、ドライバーの頭を守るためにあります。
あそこに大きなものがあれば、もちろん空気抵抗になるし、重心は高くなるし、リアウィングにきれいな風は当たらなくなるし、いいことはあんまりないはず。ところが、どのチームも大きくなっています。センタークーリングコンセプトなんて言葉も使われているようですが、おそらくあれは冷却用で、ラジエターやインタークラー以外の冷却用のしくみがあって、大量の風を必要としていると。で、それをサイドポットを大型化して取るよりも、インダクションポッドを大きくして取るほうがメリットが大きいってことなんでしょうな。よくわかりませんけど。
そして、インダクションポッドの後退は去年のフェラーリがやったやつです。シートの横の位置には衝撃吸収用の翼のような構造が必要で、通常はこれをサイドポンツーンの構造に収めるんですが、それを上手く工夫して実質的にサイドポッドの開始位置を後退させたのです。ちなみに、フォーミュラEの初年度の車はこれがむき出しでした。こんな感じです。空力的にはたぶんイイことはなにもない。フォーミュラEは空力適当なので(速度が遅いからね)これでもいいわけです。

さて、次。ウィリアムズ。

なんかniftyのリンクぶっこわれてますけど^^;;、気にせずに。Haloは白く塗られて、きれいですね。ここもインダクションポッドとサイドポンツーンの処理はトレンド通りなんですが、サイドポンツーン前になんだかながーい斜めの構造があります。これ、なんでしょう・・・でも、気になるのはそれぐらい。お金がないのであんまり攻めたマシンじゃないですね。
お次は、レッドブルです。

インダクションポッドでかい、サイドポンツーンちいさいはトレンドですが、それにしてもレッドブルは小さいです。そしてその前に翼のような構造が・・・フェラーリ風の構造は結局の所これで良いということなのか・・・それも微妙な3次曲面になっていて、末端にはウィングレットっぽいものもあったり・・・。どう働くんでしょうか。あの位置だと完全にリアタイヤへの当たる空気の整形か、渦を作ってどこかに導くのか・・・。面白いですねぇ。
次は、ルノーです
インダクションポッドは横長になりました。そして、この写真で見る限り、やはりリアウィングには悪影響がありそうなんですが・・・だいぶ隠れてます。ポッドの高さは基本的に決まっているはずなので、横長にしたというのは、高い位置から空気を取りたいってことなんですけど・・・どうなんでしょうか。このあたりはその前にHaloがついたことも影響しているかもしれません。この写真でみると、やっぱHaroもリアウィングには影響しそうです。その影響を軽減するためにサイドエアを重視する・・・??
サイドポンツーンまわりはすっきりしてますね。オーソドックスです。
次は、かなりの個性派、ザウバーです。


6分割されたインダクションポッドもかなりのなんじゃこりゃ感がありますし、サイドポッドも上下2段に分かれていて相当おかしな感じです。ザウバーは設備はしっかりしているんですがお金がなくて開発できないという状況が続いていたんですが、アルファロメオ・・・を売りたいフィアット(=フェラーリチーム)から財政支援を得て余裕がでたため、鬱憤を晴らすような頑張りです。穴開きのノーズ先端といい、かなり変わってていいですね。私は好きです。
ただ、インレットを分割するのってどういう意味があるんでしょうね?別に内部で分けておけばいいわけで、最初から分けておくことないと思うんですけど・・・まあ、面白いからいいか。
次は、今年も大本命のメルセデスです。

インダクションポッド、複雑ですねぇ。入り口で4分割です。ただ、この分割線はロールフープを兼ねているのでしょうから、奥までこの分割が続いているかはわかりません。今年、唯一の親指ノーズ不採用マシン。去年、マクラーレンがやり始めたウイングの吊り下げをバージボード風にしてノーズ下を整流する考え方が流行しているなか、ノーズ下の処理はかなり独特です。ひっくり返してみたい(笑)
サイドポンツーン前まわりもものすごく凝った処理が入ってますが、フェラーリ風ではないですね。しかし、メルセデスチームのマシンの空力が良かったのかどうなのかって、なにげによくわかりません。悪くはもちろんないんでしょうけど、エンジンばっかり語られてますからね・・・。どうなんでしょう。コンセプトとしては、独自、あるいはもはや古い、と言われても仕方ない感じはありますが・・・。
次は空力的には今、トレンドセッターと言ってもいい、フェラーリです。


帰ってきたロリー・バーンが手がけたなんてまことしやかに言われてますけど、そんなことを言われるぐらいに攻めた感じになってます。
というか、サイドポンツーンの前のところは・・・これはどうなっているんですか?昨年のマシーン、SF70Hからしてよくわからなかったんですが、これは・・・あの長方形の部分だけがインレットだとすると、あまりにも小さすぎませんか・・・。ちなみに、昨年のマシンの名前は「スクーデリア・フェラーリ 70周年 ハイブリッド」だったんですが、今年はSF71H。70周年記念のネーミングだったんとちがうんかーいとツッコみましたが、フェラーリはマシンの命名ルールを変えた年はだいたい駄目という傾向があるので、今年は期待できます。
おりしも、タミヤからSF70Hの1/20キッドが発売になりました。みなさん、買って構造を確かめましょう。
次は、やっと全体がオレンジになったマクラーレンです。


いやー、これですよ。これでいいんですよ。メルセデスと別れてからこの色になるまで何年かかったことか・・・。イイですね。
で、ここまでの話の流れから行くと気になるのが、完全に今年のトレンドに背を向けているところです。インダクションポッドは小さいままだし、サイドポンツーンもコンサバ。上の整流板も前からずっとやってますが、トレンドとは違います。インダクションポッドが大きいことはいいことではないので冷えるんならこれでいいと思うんですが・・・なんかテストでカウルが焦げてるとか言われてます(笑)。大丈夫なんかいな。もしかしてなんかやっちゃったのか、冷却計算やカウル内部の取り回しでホンダ→ルノーの変更でしくじった面があるのかもしれません。まあ、マクラーレンの開発力があればそのあたりはいくらでも取り戻せると思うので、スペインGPあたりにはガラッと格好が変わってるかもしれません。
ちなみに、フロアの端っこが簀子になっちゃってますけど、これはなかなかおもしろい処理ですね。もしかしたらフロア下の空気を上手く横ににげないようにできるのかもしれません。だとしたら効果バツグンのハズですが、どうなんでしょうか。
さて、お次は今年のホンダのお相手。トロ・ロッソです。

インダクションポッドは大きめ、サイドポンツーンはコンサバ。まあ、トロ・ロッソにとってエンジン変更はかなりの大事だったはずなのである程度余裕もみてるでしょうし、こんなもんでしょう。このチームの場合、ホンダと組んだ効果がまともに働き出すのは来年かなと。ただ、ミナルディ時代を含めて「ワークスエンジン」がこのチームのマシンに載ったことは初めてだそうで、チームの士気は高いそうです。
ワークス・・・まあ、そうね。他のエンジンはワークスの地位を得られる可能性はないですからね。マクラーレンはメルセデスのワークス・チームが出てきて凋落してるわけだし、レッドブルもそうならない保証はないし。マクラーレンとしては、それだからこその「ギャンブル」をしてのホンダ獲得だったわけですが・・・。結局、そのカードはレッドブルへ移ったことになるわけですから、なんだかなという感じです。
まあ、なんせ長く参戦してますが、たった1度しか勝ったことがない(その1度がセバスチャン・ベッテルによるもの。ベッテルはやっぱすごい)チームなんで、多くは期待できません。生ぬるく見守りましょう。とりあえず、ホンダの本気が感じられるといいんだけども。少しずつ変わっている雰囲気は感じます。インディ、国内レース、WTCCでも少しずつ・・・ね。
最後は、フォース・インディアですが・・・niftyに写真がないぞ。まあ、去年と変わってません!(笑)。まあ、去年の出来は悪くなかったし、Haloをつけるだけで大仕事なので、それに集中して開発資産を残しておき、トレンドを見定めて来年の車も見定めつつ開発というのは悪くない戦略です。もともとお金がないチームなので、それはそれで見識かなと。
というわけで、たらたら書きました。ともかくオーストラリアがすっごく楽しみです。
さて、最後にもう1つ。昨年、インディ500を制した佐藤琢磨。やはりアンドレッティ・オートスポーツのようなトップチームは違うなあ、これで琢磨の今後も期待できるなあと思っていたのですが、アンドレッティがシボレーにスイッチするかもしれないという状況になり(結局、しませんでした)、古巣のレイホールの2台目としてエントリーすることになりました。ちょっと残念だったなあと思っていたのですが、なんとなんと、シーズン前テストではグレアム・レイホールと琢磨がトップタイムを独占するなど、かなり期待が持てる様子。もう次はシリーズチャンピオンしかないですから、期待しましょう!
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