8番出口
映画の「8番出口」、わりに評判良いですよね。ゲームは知ってて、それを川村元気さんが、二宮和也主演で映画化したと。いっちゃなんだけど、ウェルメイドなアイドル主演映画にしたと認識してて、まあ、そういう人は正直たくさんいて、期待値を下げて見に行ったら意外といいじゃんと、みんなそういう感じみたい。
なるほどなー、ちゃんとやってんだなー、えらいなー・・・ぐらいの気持ちでいました。
それでたまたまアトロクで宇多丸さんが「佐藤雅彦ファンは注目だ」と言ってるのを聞いて(ずいぶん前の放送分です)、「なにぃ〜」となったので慌てて9/22にレイトショーで観てきました。
よくできてる。格好いい。
えっと、この映画の監督は川村元気さんなんですけど、監督補に平瀬謙太朗という方がクレジットされてます。この人、慶応SFCを出て東京藝大佐藤雅彦研究室にいって、「五月」という監督集団を佐藤雅彦さんと一緒にやっているという、まさに佐藤雅彦さんのお弟子さんみたいな方なんですね。だから、映像のテクニカルな部分、物語の構造的な部分はかなり佐藤雅彦チックです。つまり、方法論ありきってことです。
ストーリーの情緒的な部分はたぶん川村さんの個性だと思いますし、それがこの映画のポップさ(二宮さんはこのポップを担っているわけですよね)に上手く寄与しています。逆に、もともとのゲームの持っている構造的な部分、メカニカルなルール、そしてそれが醸し出すキッチュさ(川村大和さんはこのキッチュさを担っているわけです。だから、キャストもすごく上手く出来ている)は、平瀬さんが作り出しているんでしょうね。
全体としては、これは「あのゲーム」の映画化で、それをべたべたのストーリーものにしてしまったらファンから袋だたきにあうに決まってます。なので、全体のトーンは平瀬さんよりです。それにしても、こう書いていて、「ルール」に「トーン」ですからね。すごく佐藤雅彦的ですよね。
その、「ゲームファンを失望させない」「二宮くんを見に来た人も飽きさせない」「二宮くんが出ているだけで舐める観客を驚かせる」「2011的であり、2019的であり、2025的である目配せを忘れない」「ただ通路を歩くという制約の中でのカットとカメラワークで芸を見せる」などなど、「それ全部成立させられんの」的な離れ業をこの短期間で(そりゃだって、ゲームのヒットの後企画したわけでしょうしね)やっていて、
こりゃすげぇ
としか言いようがないです。もちろん、ストーリーで泣かせるとかないし、感動の1作とかではないです。テーマの凡庸さはラジオの中でもリスナーから散々言われてましたが、まあ、構造側がすごいんでこれでテーマが深かったらポップになり得ません。このテーマを語りたいんじゃなくて、このゲームと映像の構造にあうストーリーを持って来てるんだから、そういうもの。宇多丸さんはそれでもラストに突っ込んでましたが、いや、私的にはキャストも含めて文句の付け所ないですわ。感服です



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