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機動戦士ガンダム GQuuuuuuX 感想 そのいち

はい、めでたく最終回を迎えました。面白かったですねー。

でも、なんかこれ、賛否両論なんですって?で、いわゆる失敗だという人の感想を見ると、多くの人が「ガンダムというのは〇〇でないといけない」とか「ガンダムは〇〇なのに、これは違う」とか言っているわけです。うん、わかる。それはもう1985年に「Ζガンダム」が、1991年に「0083」が、1994年に「Gガンダム」が、2002年に「SEED」が・・・もういいか。とりあえず、これまでのガンダム像と違うガンダムが作られる度に、みーんな言ってきたわけです。だから、「ガンダムは主人公の成長を描くものだ」とか「ガンダムは戦争を描くものだ」とかいうのは、まったくもって勝手な思い込みで、別に思っていてもいいんだけども、それは歴代の「否定されたガンダム」が結果として形づくって来たガンダム像だし、常に新しいガンダムによって否定されるものなのです。私も幾度となく「えー、これ私が思てるガンダムとちゃうー」って感じてきたわけで、そういうのはね、言うだけ虚しい(笑)。

だって、サンライズとしては常に新しいものを作ってガンダムの世界を広げなくてはいけないわけです。これまでのお客さんも大事にしなければならないですし、だから「閃光のハサウェイ」とかやってるわけです。そっちはそっちでやっておいて、次に欲しいのはガンダムの幅を広げる作品であり、今までガンダムのファンではない人に見られる作品。さらに新しい作品のファンが、過去のガンダムも見てくれたら最高です。

それを考えたらジークアクス、最高でしょ。

これまでに、擬人化ガンダム、格闘ガンダム、美少年ガンダム、ヤクザガンダム、百合ガンダムなどが作られて、その都度批判もされながらファンを拡大していったわけですよね。流石にもうやり尽くされてるんじゃないのというところで、ガンダム架空戦記を出してきたのはファインプレーだったし、オレたちがやるならそれだろっていう自認もすごいですよね。スタジオカラーに依頼しにいく時点で、サンライズには「カラーらしい、言っちゃえばエヴァみたいなガンダムを作ってほしい」という期待があるわけですよね。でも、たぶん依頼に行った方には、「じゃあ、エヴァみたいなガンダムって何?」ってことを明確に認識はしていなかっただろうと思うんです。でも、最終的に出来上がったジークアクスは、ものすごいエヴァっぽい。表層的なってことじゃなくて「自分が好きな作品に対するオマージュがある」「大きな世界の謎と陰謀が最初から提示されて、それによりテンションが維持される」「怪獣映画っぽいテイストをいれるなどの絵作りの快感にあふれている」なんていう部分。むしろ、富野さんっぽいのって「台詞回しに独特の面白さがある」「コンテレベルの演出が抜群に優れてる」「登場人物がどんどん思想を語り、思想でぶつかり合う」って感じで、ある種、そういうことをやると「ガンダムっぽい(トミノっぽい)」わけですが、そういう意味ではジークアクスはガンダムっぽくない。それは確かです。

この「オマージュ」と「世界の謎」こそ、95年に私たちを毎週パソコン通信のフォーラムに張り付けにした要因です。あの頃を知っている人は、ジークアクスで久しぶりにあの頃のことを思い出してうれしくなっちゃっただろうし、これが初体験という人はもう、たまらなく楽しかっただろうなと思います。エヴァ、こんな感じだったんだよ。だから、ジークアクスについて、「面白かった」と言っている人より「楽しかった」と言っている人が多いのは、まさに「エヴァっぽい」って思います。依頼したサンライズさん、「これですよ、これ!」って感じでホクホクなんじゃないかな。しかも、「機動戦士ガンダム」という45年前の作品がまた参照されまくって見てくれる若い人も増えただろうから、これはもう目的に対して最高の作品なんですよ。たぶん、作ってる方もここまでヒットするとは思ってなかっただろうね。

とはいえ、ね。じゃあ、ジークアクスが並み居るガンダム作品の中、あるいは様々なアニメ作品、あるいは映像作品の中で揺るぎない評価を与えられるものかというと、それは違うと思うんです。架空戦記はあくまで架空戦記、歴史改変SFはあくまで歴史改変SF、パロディはあくまでパロディです。もちろん、そのジャンルに面白いもの、いくらでもありますよ。「紺碧の艦隊」や「高い城の男」や「ギャラクシー・クエスト」はめっちゃ面白い作品なんだと思いますよ(いや、実はどれもちゃんと読んだり観たりしてないんですけどw)。でも、そのジャンルを選んじゃった瞬間に、作品の格ってものはやっぱちょっと下がります。それはね、仕方ないです。鶴巻さんは俺たちを楽しませようと死ぬ思いで最大限のパワーを注ぎ込んでジークアクスを作ってくれたと信じていますし、映像からそれはビンビン感じましたけど、でも、鶴巻さんは自身の代表作が「フリクリ」ではなく「ジークアクス」だと言われたら、ちょっと微妙な表情をするんじゃないかと思います。それはね、イチから世界を作り上げて、隅々まで自分の世界として出した作品と、自宅から持ってきたバッグいっぱいのレコードを使ってフロアをマックスに沸かせてやったぜってのは、違うだろうなと。そこはね、ちゃんと理解して評価しないといけないです。世界一のDJに対して、お前はビートルズでもなければモーツァルトでもないって批判するヤツはいない。ここをわかってないなって人が、そこそこいますね。まあ、若い。観てるジャンルが狭い。私も若い頃に年長のオタクにそう言われて「へぇー」って思ってきたんで、そういうものっすな。

というわけで、「クリエイターが、スポンサーに求められた仕事を十二分に達成。すごすぎて頭が上がんない」という側面で見れば、これはもう誰も文句の付け所がないわけです。もちろん、今やサンライズはガンダムファンをひとまとまりだと思ってなくて、「閃光のハサウェイ」と「SEED FREEDOM」と「水星の魔女」は狙ってるターゲットが全然違います。「いや、オレは全部好きだぜ」って人がいてももちろんいいし、サンライズにとってもそれが望ましいに決まっていますが、「Not For Meだな」って人もいるでしょう。そういう意味では、ジークアクスはそんなに間口が広い作品ではないんじゃないかなあ。例えば、人間ドラマとして見ると、ドラマのわかりやすさの基本があんまり成立してないんだよね(笑)。そもそも葛藤を抱えている人物があんまりいないというか。だから、キャラクターに感情移入しないと物語が楽しめないというタイプの人には結構、ツラい作品なんじゃないかと思います。だから、「つまんない」っていう人がいても不思議じゃないんだけども、そういう人は楽しめる物語の幅が狭くて損してるよね。

じゃあ、お前はこの物語を評価してるのって言われると、してます。めちゃめちゃ面白いと思う。ジャンル的な不利はあるなかで、物語的な挑戦もすごくされていて、結果的にも面白いものができてると思う。パロディとオマージュがばんばん入ってきちゃうんで本質はわかりにくいと思うし、綺麗に言語化もできないんですけど、やっぱ流石だなと。

というわけで、いい加減長いので、続きはまた書きます。

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