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イラク水滸伝/高野秀行

すっかりファンになってしまった探検家、高野秀行さんの新刊。今回は、いわゆる4大文明のうちの1つ、メソポタミア文明が起きた場所にあるゾミア的な湿地帯へ向かいます。

メソポタミア文明は文明なので都市が築かれていたわけですが、そのほど近くのチグリス川とユーフラテス川の下流域は広大な湿地帯になっていて、古来から国家権力の及ばない場所が広がってます。その中の人は定住もしてないし、農耕もしてない。葦で作った浮島に住み、魚を捕り、水牛を飼い、その乳を食べて暮らしてる。それはヘタすれば旧約聖書が書かれたころから変わってないんですが、もちろん古代文明のお膝元なのではるか古代から様々な地域と交流があり、未開の土地とはほど遠い。でも、世界的にはそこの人々の実情についてほとんど知られていない。すごいところがあるものですね。

古代シュメール文明から始まって、すみかを追われてやってきた古代のユダヤ人の話、イスラム化が起きた時代の話、オスマン帝国時代の話、イラン・イラク戦争、サダム・フセインの時代、そして現在。めまぐるしい。そして、いつの時代もこの湿地帯は権力にあがなう強者の集う梁山泊であったと。というか、「水滸伝」の英訳では梁山泊はEDENと訳されていて、それはそもそもこの湿地帯に逃げてきた人々が旧約聖書を書いていて、つまりはここがエデンの園だと。

そんなところに高野さんが行って面白くないわけがないんで、その思想と思考と行動の連なりを大笑いしながら読ませてもらいました。とーっても分厚いんですが、いやあ、面白かった。

ちなみに、タイトル通り、高野さんはこの湿地帯を水滸伝の梁山泊になぞらえて、出会って徐々に仲間になっていくイラクの人達を「水滸伝」の登場人物になぞらえて「ジャーシム宋江」なんてあだ名をつけて呼びます。わかりやすくしようとしてくれてるんですが、こちとら「水滸伝」を読んでないのでさっぱりわからない。これを機会に読んでみたいと思いました。

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