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トップガン マーヴェリック

「トップガン」という映画が公開されたのは1986年。まだ私が小学生のころ。テレビで見たことあるのかあ・・・。オープニングの部分だけ知っているだけなのかなあ。F-14はカッコイイよなあ。サントラはめちゃめちゃかかってたし、私もレンタルショップで借りて聞いたなあ。

そんなおぼろげな記憶なもので、特別に「トップガン マーヴェリック」にも思い入れはないんです。が、毎月模型誌を買っていれば「このビッグウェイブに乗せられて踊らない手はない」とは思うじゃないですか。ちなみに、モデルグラフィックス誌がF/A-18E特集をしたのが2020年の6月号。本来はその頃に公開予定だったんですねぇ・・・もう2年前のこと。私もハセガワの1/72のキットをずいぶん前に買ってあるので、これを作るモチベーションを上げるためにも、観に行かなければなりません。

と、その前に普通に続編ですから、前作を見ておかなければなりません。Amazon Primeにあったので、前日に観ました。

いや、こりゃ酷い映画だな!

当時も映画自体の評判はよくなかったような記憶がありますが、ぺっらぺらです。「もしかしたら小学生の頃に観ているんだけど、飛行機しか観ていなくて、オトナ向けのストーリーはすっかり忘れてしまったのではないか」と思っていたんだけど、これは忘れようがないわ。いや、むしろ何を覚えておけばいいかわからない。ともかく、主役のトム・クルーズは何か一言二言話してニコッと笑うか、悲しい場面では悲しそうな顔をして何も言わないかとどちらかしかしておらず、周りの役者が必死に補っているだけなので、彼の何が問題で、どう克服していこうとしているのかがまーったく伝わらない。

でも、止めの絵が格好良くて、トムキャットが格好良くて、音楽が格好良いから、なんか全体としては「良い感じのポエムみた」みたいな気持ちになるのはわかる。それにしても、これは21世紀では通用しないペラペラさだな!まあ、でも、こんなもんだったよ、当時の映画。トム・クルーズと言えばモータースポーツファンのひよこだった当時に友達と「デイズ・オブ・サンダー」を劇場に観に行った記憶がありますが、「クソだった」ということ以外、何にも覚えてないもんな。

さて、気持ちよく往年のダメ映画を心に秘めた上で、観てきましたよ。

ちゃんとしてました(笑)。いやあー、ちゃんとトム・クルーズの抱えた問題もわかるし、対人関係の問題もわかるし、仕事上のチームの問題もわかるし、世界の問題もわかるし、それがちゃんと絡み合って解決していく作りになっています。ちゃんとしてるぅ〜

その辺がちゃんとしてれば、「トムと飛行機と音楽が格好いい」というオリジナルの良さは何も失っていないので、もうほぼ100点の映画でした。MCUみたいに社会問題とか取り込まないので、もうすっきりしたものです。というか、86年にはミグを撃墜したけど何でなのかはぼやかしてるみたいな感じだったのが、湾岸戦争とイラク戦争を経て、きっぱり「ならず者国家の軍事施設を先制攻撃する」と言って侵略しちゃうんで、「ちょっ、おまっ!」って感じではあるんですが、「まあ、これはミッション:インポッシブルと同じ、トム時空だ」と割り切って観るのでいいかなーみたいな、一種何かを超越したようなそんな感じのするバカ映画です。これはこれで、あり。

というわけで、だいぶよろしかったので、是非観に行って下さい。そして、見終わったら、この下のネタバレ部分を読んで下さい

 

 

 

 

いいかな?

 

やっぱり言いたいのは、「最後のアレはなんだ!」ですよね(笑)。ずーっと前半から敵国の施設を破壊するミッションをずーっとやっていて、ミッションは成功するも、事故で失った親友の息子を庇って、主人公は撃墜されて死ぬ。普通の映画はそれで終わりです。

が、死んでない。死んでないどころか、どうにかして敵基地に侵入して、どういうわけか稼働状態で武装までされているF-14を奪って、敵戦闘機とドッグファイトして、撃墜して帰還する。

んな、アホな。

途中からスターウォーズになったのかと思った。でも、オビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーのコンビでも、フォースとR2-D2の助けなしにはそんなことは出来ない(笑)

いきなりここからのシーケンスで映画の知能指数がぐっと下がるワケですが、でも、あまりにあんまりなご都合主義なんですけど、不思議と嫌な気持ちはしないんです。それはたぶん、このシーンに向けてちゃんと「リアリティ」の調整が行われているからなんです。

事ここに至ってから思い返せば、冒頭のシーケンスでトムは高々度のマッハ10でのテストフライト中の事故でも(なぜか)ひょっこり生きていて「どういうわけか、死なないヤツ」という称号を得ていることが示されました。ここで、ちょっとギャグっぽい「不死身感」を見せておく。その上で、敵がなぜか最新鋭の戦闘機とおんぼろF-14を一緒に保有しているだの、チラチラと「怪しい気配」をちりばめる。そうして、「そんなわけないんけど、F-14が飛ぶところも観たいよね」「そんなわけないけど、せっかくのお祭り映画なんだから誰も死ぬところを見たくはないよね」という観客の「ワガママな願い」をストーリーの整合性をうっちゃって見せちゃうので、嫌な気持ちにはならないんです。言うなれば、ミュージカルのラストで役者が敵味方も関係なく楽しそうなダンスをして終わっても、誰も「んなわけあるかーい」とはツッコまないのと同じ。だから、なんだか妙な爽快感のある映画です。

しかし、じゃあ、それはオリジナルの「トップガン」の続編に相応しいのかというと、「トップガン」はむしろ幻想的なまでにリアリズムであり、戦闘機に乗ってるのにむしろたいしたことが起こらないのがリアル・・・みたいな謎テイストの映画なわけで、オリジナルと続編はまったくテイストの違う映画になっちゃってるのは否めない。本当の本当にオリジナルの「トップガン」が好きだった人がこれを手放しで喜ぶのかは疑問である・・・けど、まあね。オリジナルはクソ映画なんで(笑)、オリジナルを継いじゃいかんのは間違いないんで、これで正しい。

ま、とりあえず、これでF/A-18のプラモデルを作り始められます。よかよか。

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