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ファイナルファンタジーVII リメイク

よくよく考えると、エヴァのせいなんだよね。

FF7が出た当時、私は毎週「セガサターンマガジン」を買うほどのコテコテのセガ派に仕上がってました。原因は、「新世紀エヴァンゲリオン」にハマったからです。あの最終回に「はぁ?」となり、庵野監督がラジオに出て事の経緯をしゃべるとネットで聞き、「林原めぐみのハートフルステーション」のリスナーになり、セガ広報の竹崎氏のファンになり・・・。まあ、いいや。とにかく、もちろんこれが出た当時の騒ぎも記憶にあるんだけども、やらなかったわけです。プレステ、持ってなかったからね。

というか、どうもFFとは相性がよくない・・・。FFとDQでは完全なDQ派。私がこれまでちゃんとやったFFはFFXIだけなのね。「FFXIをちゃんとやる」って言葉の意味に押しつぶされそうだけど(笑)、まあ、そこそこやったわな。

どうも、「剣と魔法の世界」と「SF近未来」の融合して無さ感が好きじゃなかったんですよ。それぞれは好きなんだけど。でかい剣をもったニッカポッカの男が魔法を使って戦うところまではいいんだけど、召喚獣とかは流石にさ・・・世界観壊してるでしょ。そういう意味では、単に同期の可愛い女の子とゴールデンウィークに遊ぶだけのつもりでよくわからずに始めたFFXIは、そこのところ違和感がなかったんだよね。ちゃんとファンタジーだった。FF13もMilueがやってるのを横で観てたけど、やっぱそこの違和感はあったし、FF15もそう。なんか、「あーゆーメタルなかんじ」こそがFFってイメージが定着してるよね。そして、このFF7はまさにそれを決定づけた作品っすよね。印象は良くない。

そのFF7のリメイクをなんで買ったのかというと・・・なんでだろうね。Rebuild.fmで散々話題にされていたからかなあ・・・。直前に「新サクラ大戦」を楽しく遊んでて、PS4が暖まってたからかなあ。大きな助けとしては「これは分作」って聞いていたからかな。そんなにむっちゃ長くはないだろうと。いや、クリアに50時間かかりましたけど。そして、ともあれストーリーの最後までたどり着くことができたのは、Milueが「今日は、クラウドさんやる?何時から?」とひたすらせっつくからでした。横で観てるだけのくせにうるさい。でも、後述するけど終盤はホントにプレイが苦痛だったから、妻の励ましとせっつきがなければ多分放置したな・・・。

終わって振り返って感想を言えば、割と満足度は高いです。

戦闘システムはよく出来ていて、ボタン連打で勝てるようでもないし、「これムリくない?」みたいなこともないし。戦闘をオートにするのも、がっつり操作するのも簡単に選べるし。マップはそこそこの広さで、うんざりするほどでもないし、探索する楽しみがある程度には広いし。

声優さんのしゃべりは概ね満足。最初誰しもがウザく感じるバレットがだんだん可愛く感じてくる案配とか絶妙。というか、これ声優さんのしゃべりによる力添えがなかったら、ストーリーを追うのはもっと辛かったかも知れない。というのも、主人公のクラウドがいわゆる「信頼できない語り手」であって、ヒロインの1人も信頼できないキャラなんですけど、そこの「何言ってんだ、こいつ」感を声優さんの演技でごまかされてる感じがあるんですよ(笑)。ボイス重要。

グラフィックは文句のつけようがないかな。このレベルのキャラが普通に動かせて、シームレスに戦闘に入ってってホントに凄い。全体に画面が暗い中、黒い服のキャラを動かすんだからわかりづらくなりそうなものなんだけど、そのへんも上手く出来ていて、操作にほとんどストレスはないです。ティファのおっぱいすごいしね。剣道の胴着が中にはいってんのかってほど固そうだけど。

音楽も全体的によかったなあ。サントラがでたら欲しいレベルです。あ、今日、「新サクラ大戦」のサントラが届きました。こっちはもっと最高だけど、種類が全然違うよね。

世界観も、まあ、壊れてると思うけども良く出来てる。壊れているってのは、あんなにぽんぽん魔法が打たれてるのに、兵士が銃持って魔法に対策無しとか、この世界どうなっているの?ってことなんだけど、まあ、主人公たちがおかしな人達で他の人たちは普通の人間なんだとしたら(じゃあ、なんでマテリアを自動販売機で売ってるんだってことになるけども)、いいじゃないかと。何重にも目をつむって楽しもうと、言えなくはない感じ。巨大企業が空中都市を作ってその上で暮らしている人と、日の当たらなくなったスラム化した地上にくらす人々・・・なんて世界観は嫌いじゃないし、圧倒的なビジュアルイメージで成立させちゃってる。すごいなと思います。

ミニゲームも面白いし(1時間以上やらせられると、うえーってなるけど・・・)、サブクエストも楽しい。ストーリーもそんなに悪くないと思います。少なくとも、七番街スラムが崩壊するまでのトコロは。

そこからが、問題なんだよね・・・。

えーっと、まず、このゲームがオリジナルの序盤のストーリーだけを取り出したもので、完結していないことを批判する声が大きいのは知ってます。それを「水増しだ」とか「金儲けだ」という批判はちょっとどうかなと。すくなくとも、ゲームのボリューム感としては十分だし、これを仮に10時間分ぐらいのゲームにしたらちょっとそれはどうなのかなという感じはあります。そこは問題だと感じない。

問題は、とにかくストーリーが進行しないこと。このお話は、世界の謎について主人公達がぶつかってそれを解明していく形で進んでいきます。そして、主人公側のキャラ達にもそれぞれ秘密があり、あるいは、自分も知らされていない謎を持っていて、それがほのめかされながらストーリーをドライブしていきます。序盤はそれがすごく魅力的なワケ。

ところが、当たり前なのかも知れないけど、このゲームの終盤になっても、謎はほとんど何にも解明しません。そらそうだわな。ここから先、まだまだストーリーの残り分量があるんだからそれはまだまだ。にも関わらず、この第1作目としてはエンディングに向かわなきゃいけないから、結構大がかりなイベントが起きます。ラストダンジョン的なものもやるし、ボスモンスター的なものとも戦います。ストーリーのテンションはすごく盛り上げられます。キャラ達も「いよいよだ」とかそういうことを言い始めるし、敵のボスっぽい人はこの戦いで退場されられます。

でもね、プレイヤーは完全に置いてかれちゃうの。とにかく、キャラ達がなんでそう判断してそういう行動を取ろうとするのか、いちいち理解できない。さっきまで「脱出には屋上へ向かわねば」と言ってた人達が、応援のヘリが落とされた途端、下へ向かい出す。いや、下から逃げられたんかい。謎のキャラクターが思わせぶりなことを言って、異世界に誘う。主人公は何故か追おうとする。なぜか別のキャラが止める。でも、止めた側から「行くしか無い」みたいなことを言い出す。まったく、何言ってるのかわからない。あげく、追いかけて、なんだったかわからないボスと戦い、倒して、倒したことにより何が達成されたのかよくわからないまま、変なところに転送され、その世界へ歩き出して終わる。なんじゃらほい。どうなっているのだ、このクソストーリーは。

構造上、問題があることはわかってます。であれば、この1作目で何かを達成するキャラを作らないといけない。クラウドやエアリスはどうやらこの世界の秘密に関わっているキャラらしいので彼らはムリかも知れない。バレットの妄執も、世界の謎に対する真相と関わってそう。そこらへんには触れないなら、例えばクラウドがこの仲間達を手に入れてちょっと大人になるとか、田舎から出てきてその日暮らしだったティファの内面の葛藤が何らかの解決を見るとか、あるいは退場させられちゃう悪役のボスが企んでいたことが明らかになって、それが辛くも止められてなにかが守られるとか、この1作目の中で提示され、危機にさらされ、解決する問題を軸にしてそれをストーリーの動力源に設定しないといけません。それがないので、最後の部分が、もーーーーーーのすごく苦痛。ストーリーを見ながら、5分に1回、「はぁ?」「えー?」「おーい」と罵り続けることになる。

実は、これはこの先のストーリーの概略を知っているプレイヤーや制作陣には見えづらい問題点なのかも知れません。でも、私にはキツかった。続きがあるなら、やりたい。やりたいけど、2作目はその辺りはもうちょっと上手くやってね。

というような、致命的な苦痛は伴うものの、この後もいろいろ楽しませて貰えそうなことを考えると、続編は楽しみです。システムには大きな問題は無いと思いますが、武器のアップデートとか、めんどくさそうなのでシカトした要素とかもけっこうあります。これ以上複雑にしないで欲しい。あまり間隔をあけず、これ以上、頑張りすぎず(笑)、さくさくと続きを出して貰えるとうれしいですね。

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