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天冥の標が日本SF大賞を受賞

おめでとーございまーす!

というわけで、2/23(日)に青山ブックセンターで開催された「飛浩隆・小川一水トークイベント」に行って参りました。

この日はまさに日本SF大賞の選考日でして、イベントの冒頭で「天冥の標」の大賞受賞、そして、「零號琴」が受賞を逃したことが発表になったのでした。悲喜こもごもでございます。

まあ、「天冥の標」はもう、1巻が出て、そしてこれが10巻で完結すると聞いた時点で読者全員が「うん、完結したらSF大賞決定だな」と確信するという、初っぱなからそんな完成度の作品だったわけですが、小川さんが「10年がかりで17冊も書かないと大賞が貰えないとは辛い。作者はちょっとずつご褒美が欲しいのです」と受賞の弁で愚痴るのもわかる(笑)。この10年、天冥の新刊が出るたびにむさぼるように読んでいた読者としては、ずっと「リアルタイムでこの作品と対峙できるのは幸運以外の何物でも無いんだから、とにかく読め」とみんなに言っていた一方で、「ホントにいつ完結するんだ・・・」と遠い目になったこともしばしば。1巻の感想をこのブログに10年前に書いていますが、そこでいきなし「完結は何年後なんだー」って書いてますからね(笑)。

いや、それにしてもホントに凄い小説もあったものです。太陽系外の植民惑星の破滅が1巻で書かれて、「どうなっちゃうんだー」とどっきどきで2巻を待ち、2巻を読んでみたらいきなり現代でパンデミックものという。今、まさにCOVID-19のパンデミックが間近に迫っているのが小説世界とリンクしてどっきどきです。まあ、肺炎は冥王斑みたいな致死率ではないものの・・・SFの想像力が人間を強くするということはあると思いますね。この1巻のラストから2巻を読んだときの衝撃と等しいレベルの衝撃が、10巻までに・・・3度はあったかな。「えええっっっ」っていうのが。それが無くても十分に面白いSFの満漢全席みたいな本なんだけども。いや、書かない方がいいな。とにかく

まだ読んでないなら、
絶対に読め!

としか言いようがない。悲劇も喜劇も、冒険も浪漫もエロティシズムも、差別も殺戮も飢餓も貧困も、異世界も異星人も超知性体も、愛も友情も孤独も連帯も、すべてがここにあるすさまじい小説なので(ないのは時間SFぐらいだな)、これを読んでない人生なんてあり得ないんで、読んで下さい。

いやー、しかし、小川一水さんはほぼ同年代なんだよな。これを10年前に構想して書き上げたわけでしょう、同年代の人が。凄すぎるよ。

というわけで、トークショーなんですが、内容はまあ、そんな大した話はありませんでした。とりあえず酉島伝法と伴名練は(買ってあるんだから)とっとと読もうと思いました。てへぺろ。

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