サーバント・リーダー/ジェームズ・ハンター
いろいろと年末にバタバタしたので、年末年始の休みに入ってまず、ゆっくりと本屋にいくことにしました。Milueと2人で日本橋の丸善を1階から順にぐるっとブラウズ。至福の時間です。二人で17冊、28,000円ほど買い込みました。まあ、こんなに読めるはず無いし、そもそも積ん読もたくさんあるんですけども、買うのが楽しい。
で、普段あまり行かない経営とかそういうところにあったこの本もその一冊。開発チームのリーダー、例えばスクラムマスターなどは「サーバント・リーダー」が望ましいと言う話は良く言われることではあります。ビジョンを示して、ぐいぐいと引っ張っていくリーダーではなく、メンバーが自律的に活動する組織において、メンバーの能力を最大限引き出すために活動するリーダーを指して言うことですね。
で、「サーバント・リーダー」という言葉自体はよく聞くんですが、きちっとそれについて論じている本というのは知りません。どのぐらい前からある言葉なんでしょうか。と、いう興味もあって、このタイトルのを見て手に取りました。
んで、中を見たらサーバント・リーダーについて論じてある本じゃ無くて、仕事や家庭に問題を抱えている男が修道院に行って、リーダーのなんたるかを学ぶというストーリー仕立ての組み立てでした。いや、私、この手の本に弱いんですよね。「もしドラ」もそうだし、「嫌われる勇気」もそうじゃないですか。薄いからすぐ読めちゃいそうだし。というわけで、買ってきて、スキャンもしないでそのまま読んじゃいました。この本は2000年頃の本なんですが、そもそも「サーバント・リーダー」という言葉を作ったのは全然違う人で、その人が書いたいわゆる「バイブル」的な本は70年代に出ているんだそうです。ほー。
で、読みました。小説風だけど、うまく整理されてまとまっています。書かれてることは、まあ、ソウダネってことなんですけど、じゃあ、出来ているかというとさにあらず・・・という事なんで、こういう読みやすい形で時々読み直して自己を省みるというのは良いことだし、そのためにはこういう本が大事なんじゃないかなーと思います。
後は、サーバント・リーダーが機能するためにはチーム作りが大事。そもそも組織やチームが目的を持って作られているというのは一種当たり前の事なんだけども、その当たり前がない組織というのもあるわけです。日本では特にありがち。その場合にはリーダーは共有すべきビジョンを掲げるということも必要になります。ビジョンの輝きが権威となり、そこからリーダーシップを作ることもできるんで、その観点は忘れちゃダメだぞってのは付け加えておくべきかな。
ま、こういう本を読むと、私はつくづくリーダーの器じゃないなとは思いますけども。他人に興味がなさすぎるから。
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- プロジェクト・ヘイル・メアリー/アンディ・ウィアー(2021.12.20)
- 三体III 死神永生/劉 慈欣(2021.06.14)
- 遊牧民から見た世界史/杉山 正明(2021.02.21)
- 「第二の不可能」を追え! ――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ/ポール・J・スタインハート(2021.01.01)
- 幻のアフリカ納豆を追え! : そして現れた<サピエンス納豆>/高野秀行(2020.12.14)
Comments