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スレイヤーズ17 遙かなる帰路

スレイヤーズの新刊が出てしましました。すぺしゃるじゃないほうね。本編の方。2019年は変な年だなあ。

実は去年、富士見ファンタジア文庫30周年記念ということで「スレイヤーズ16 アテッサの邂逅」は出ているんですけど、こっちはまあ、同窓会的というかお祭り的な1冊で、流石にもう新シリーズをやることはないと思っていたんですけど、やっぱり出してみると反響も大きいし、それだけに「本編」を期待していた読者からの「コレジャナイ」っていう感想も多かったみたいだし。ということで、いっちょもう一回やってみるかということになったみたいです。

「スレイヤーズ」と言えば、泣く子も黙るライトノベル界の金字塔で、おおよそ誰もが頭に思い浮かべる「ライトノベル中のライトノベル」です。ゲームっぽいファンタジー世界をデータベース的に使っている点や、典型的な俺TUEEEな主人公設定である点など、やっていることは現在のライトノベルの直系のご先祖様といっていいんですが・・・なんだろう、この健康的な感じ(笑)。むしろ、ラノベの棚に並んでいると違和感があるという。

それにしたってスレイヤーズ本編の事実上の最終刊だった「スレイヤーズ15 デモン・スレイヤーズ」が出たのが2000年。まさかの・・・あの頃は作者も読者も若かった(笑)。

そんでもって、感想ですけど・・・いやー、スレイヤーズですねぇ。楽しいなあ。

ま、必要があるかどうかは別として、一応、ネタバレ線をここに張っときますね。

 

 

 

さて。スレイヤーズはメディアミックスしてますんで、アニメやコミックでは別のストーリーが語られてますし、まあ、終わってからはや20年近く経って、いろいろと整合性の調整が要りそうなこともいろいろとあるのでしょう。それらをまるっとすっ飛ばすために、今回、舞台はスレイヤーズの世界を飛び出しました。

というのも、スレイヤーズの設定では、リナたちの生きている世界の方が閉じ込められたエリアなんですね。ただ、神様レベルの話なんで、閉じ込められた世界といっても十分に広く、特に誰も不自由していないし疑問も抱いていないわけですが、その世界からすこっと外に飛び出しました。そんなことが出来るのは魔族ぐらいなわけで、当然のことながらまた高位魔族と遭遇しちゃってます。しかしながら、名探偵が訪ねると殺人事件が起きるのと同様、リナ=インバースが行くところに悪巧みをする高位魔族がいて、魔族にとってはまったくの迷惑。もう、関わりたくない!とばかりに世界の外に追いやってしまいましたとさ。

リナ=インバースが世界の外に出てしまうということは、これまで結界によって不可能だった神々の力を借りた呪文を習得できるようになるわけで・・・というか、スィーフィード・ナイトの妹がスィーフィードの分身である3つの竜王の力に接触するってことなんですけど、えらいことしちゃったんじゃないの魔族。大丈夫かな?

ともあれ、外の世界に出てきてしまったのでこれまでの登場人物はもちろん、国や組織も今後まったく出てくることはない。面白い設定です。しかも、外の世界の人にとってはいきなり魔王シャブラニグドゥの力を借りた呪文をぼんぼんぶっ放す危ない人間がいきなり現れたわけで、これはもう危険が危ない(笑)。世界の危機です。うはは。

というわけで、あの世界の外では何が起きているのか。魔族の結界に閉じ込められた水竜王を他の神々の分身はどうしようとしているのか。結界の外では魔族は自由に活動できるのか。あ、あの謎神官さんは間違いなく登場可能ですね。しかも、「あなたたちがここにいるとろくでもないですねぇ。グラウシェラー様には秘密ですよ?」の一言でリナを元に戻してこの話を終わらせられるな(笑)。などなど、世界の秘密や動きも楽しみですし、そこに「魔族もまたいで通る」ことリナ=インバースが関わることでどうなるのか、楽しみは尽きません。しかし、40も大分過ぎてまだスレイヤーズの新作読めるとは思わなかったなあ。神坂先生も50すぎてまた書くと思ってなかっただろうけども。読者も著者も長生きが必要ですねぇ。

ちなみに、今回の設定はスタートレックファンならもちろん「アレ」を思い起こします。デルタ宇宙域に吹っ飛ばされるアレね。で、アレこと「スタートレック ヴォイジャー」の記念すべき第1話の日本語タイトルは「遙かなる地球へ」。はい、もちろん神坂先生もわかっててこのタイトルつけてるはずですね(笑)。

 


 

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