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七つの会議

年末に「ボヘミアン・ラプソディー」を観に行ったときに予告編が流れてたんですが、いやーすごいキャストですね。日本中のいい味出しているおっさん全部集めてパックにしたような、すごいキャスト。あまりの豪華キャストぶりに圧倒されまして、たくさんのおっさん達を鑑賞すべく見てきました。同時期にキムタクの「マスカレード・ホテル」をやっていて、あっちのほうが大きな劇場でやってるようで、こっちの方が混んでました。見たのは2/2。土曜の13時の会で満員でした。

とにかく、キャストは朝倉あきさん(すげーかわいい)以外、全員おっさん。ん?吉田羊さんがいるか。いや、吉田羊はおっさんでいいな。うん、後は全員おっさんです(笑)。むしろ、ミッチーがおっさん枠からはみ出しかけているかもしれない。

そんな可愛いミッチーと可愛い朝倉あきの二人組が、会社の裏の顔を探るべく嗅ぎ回る中盤はドライブ感があってすごく楽しいし、面白い。ここはすごく良いです。

さて、ここから下はネタバレしますよー。ネタバレしたからなんやねん、誰が水戸黄門のネタバレを気にするんだよ・・・という気もしますが、一応、ね。

 

さて、池井戸潤の本はきっとみんなそうなんだろうと思うんで1冊も読んでないんですけども(笑)、会社の陰謀とか、サラリーマンの悲哀とか、出世争いと男の嫉妬とか、正直、外資系IT企業でキャリアからすっぽ抜けてるお気楽サラリーマンな私からしたら、江戸時代の話みたいに見えるわけです。で、主役は萬斎さんだから、私から観ると、この映画はもう完全に時代劇(笑)。最初はお笑い昭和漫談で、最後は遠山の金さんかな。

それはそれで別にエンターテインメントとしては普通にアリなんだけど(時代劇、楽しいじゃないですか)、そういう型から離れてお話として面白いかと言われると・・・うーん・・・。リコール問題ってネタも、何度目かいなって話よね・・・。ラストも目の前で一度内部告発してる奴が目の前にいるのに、「やっぱ隠蔽する!」ってんな危機管理ありますかいな。アホかい。

ただ、お話が完全に紋切り型なので、役者さんの魅力はもう、堪能できまくりです。香川照之さんの怒りに歪んだ顔はもう芸術的だし、野村萬斎さんの「ひーっひっひ」って笑い方、他の人にはできません。橋爪功さんに器の小さい男の演技をやらせたら日本一だし、オリラジ藤森さんのチャラい感じもバッチリ。なんせ基本的に出てくる人はみんなダメな人なんで、役者さんはみんな楽しんでやってるだろうなと。そんな感じで、芸を見に行く映画でございます。

というわけで、たっぷりと愛らしいおっさん達の演技をこれでもかと堪能できるし、少なくとも萬斎さんが正体を現すまではドラマもそこそこ楽しい。キャスト一覧を見るだけで1800円の価値は十分ありすぎ。だって、舞台でこのメンツ上げたらどうなるのって話で。ものすごく楽しめます。

ただし、やっぱりお話は無茶苦茶なんだよねー。あげ足を取るのも楽しいので、取っておきますよ?

ネジを安物にしたら馬鹿売れする椅子ってなんぼほどネジ高いねんとか、ひっぱり試験でいちいちきゃーきゃーいうなやとか、電気屋が冷蔵庫足で営業すんなとか、なんで風呂売ったウチの葬式にいったよ萬斎とか、そんなドーナツ馬鹿売れするって近所にコンビニはないんかいとか、経理と営業仲悪いってあからさまに罵倒すんな大人やろとか、品管が部屋に2人ってどんだけやる気ないねんとか、社長室にグローブ持って行ってるから野球部だってわかりやすすぎるやろとか、だいたい椅子と冷蔵庫売ってる会社ってなんやねん・・・

と突っ込みどころは安いSFよりありすぎ。その辺りをおおらかに見られない人には辛い映画かもしれません。でも、観てる間はさほど気になりません。ほぼ、ファンタジーみたいなもんだしね。ツッコむのも楽しんで観てくるのが吉です。

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