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November 05, 2018

IMAX版「2001年宇宙の旅」

楽しくブログを拝見している、からぱたさんが、「『2001年宇宙の旅』を映画館で見たことない人に告ぐ」というアーティクルで「何度も見たはずなのに、大阪のIMAXレーザーで見たら全く違う映画になっていました。」と書いてます。ほっほー。

えー、私だってSF者のはしくれですから、2001年を観てないなんてことは・・・あれ?部分部分はテレビでやっていたらそのまま観ちゃうけども、通してみたことはないかも・・・。劇場で観たことは・・・あるわけないよね。生まれる前の映画(というか、もう半世紀前の映画だよ!)だもん。

よくよく考えてみたら、観たような気になっているもののパロディーやオマージュの元ネタであったり、歴史の一部として知っているだけで、通してどんな映画かはわかっていないのでした。

このアーティクルを観たのが10/31の水曜日の夕方。IMAXの特別上映は次の日(11/1)まで。えっ?あー・・・日比谷で21:00の回がある。行けるな。行くか。

というわけで、観て参りました。

まあ、どんな映画かは説明不要だと思います。といっても公開当時のことは私も知らないわけで、宇宙といえばスペースシャトルだとかはやぶさだとかISS(国際宇宙ステーション)を思い浮かべるような世代が理解しておかなければならないのは、この映画が制作された1960年代後半といえばアポロの月面着陸前であり、宇宙からみた地球や月面の様子、宇宙服をきた船外活動などがどんなもんなのかをみんなが理解していたわけではないっつーことです。

しかしながら、2018年の視点で見てもその描写は普通にリアルと言ってもいいもので、特撮の見栄え的にも現在の水準を満たしてます。いや、さすがに計器類は古めかしいんですけど、2001年ってもう15年以上前ですからね(笑)。2001年頃、計器にボタンは、まだあったわ。

むしろ、CGなんてこれっぽっちもない時代、さらには電子楽器・・・はあるけどまったく使ってない作品。それでこのクオリティって、まったく意味がわからない。2018年から振り返ると50年前に今我々が使ってるツールがなーんにもない世界で、なんでこれが作れるのか謎・・・という作品であります。

IMAXで観る2001年は、それはもう大迫力でした。一切の傷やガタがないデジタル処理済みの映像が視界いっぱいに広がり、前後左右のスピーカーからモノリスの立てるノイズが劇場を満たし、開始3分で大音響のなかあのタイトルが出た段階で意味不明な感動が体を満たしました。

が、長い。遅い。すげーゆっくり。

この映画、上映時間が3時間近くあるので、途中休憩が入ります。公開当時と同じらしいんですが、客電が点いたまま現代音楽っぽい不協和音のBGMが鳴り始め、それがスカッと止まった瞬間に劇場の電気が落ちて映画が始まり、休憩後の再会も同じように始まります。

そういうスタイルもすごく古めかしい(映画的じゃなく、むしろ観劇っぽい)ですが、なにしろ1カットが長い。冒頭30分、ひたすら猿。宇宙ステーションから月に行くシャトルの描写もた〜ぁっぷり。誰も何もしゃべってないシーンが多いこと、多いこと。話の内容的には60分ぐらいにすると、今の感覚的にはちょうどいいぐらいかな。疲れます。というか、話の内容は、そんなにない。下手したら30分アニメ1話分ぐらいしかない(笑)。

その散発的なストーリーをじーっとりした映像でびたーっと見せられる。これは趣味性が高い映画だなー。ハマる人が多いのもわかるけど、当時だってたぶん「なんじゃこりゃー。芸術鑑賞にきたんと違うぞー」っていう人も多かったんだろうと想像します。

私たちは「2001年宇宙の旅」という画期的な作品に影響を受けまくった50年後の世界のフィクションに接しまくっているので、惑星間航行、高次元知性体の遺物、人間を超える知性を持ったコンピュータ・・・なんて概念はご飯に納豆をかけるがごとく日常的に摂取しています。なので、この映画が当時どれほど画期的なものだったのかは正直、よくわからないんですけど、でも、おそらくディテールでは圧倒してたんだと思います。それで、高い芸術っぽさを打ち消していたか、エヴァ的な謎感がかえって相乗効果を出していたのか・・・。いやー、わかんないな。もう50年前だもんな。自分の幼い頃を思い出してみても、わからん。

というわけで、体験としてはすごく面白かったんですけど、映画として楽しかったかは疑問。でも、貴重な機会を活かせたことについてはからぱたさんに感謝でございます。

あー、後は、「エイリアン」とかも基本教養だと思うんですが、観てないんですよねー。

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