お高めハイレゾウォークマンNW-ZX300を買った
数年前からですかね、ハイレゾって言葉を良く聞くようになったのは。
いやー、よくわからんと言う人、多いと思うんですよ。私も概要はわかるんですよ。CDの44.1kHz+16bitは必要十分な性能だとは思うものの、所詮は30年近くに決めた妥協の産物です。1GBも入らないフォーマットになんとか1時間チョイ納めるためのフォーマットなわけで、今なら原理的にもっとサンプリングレートの高いフォーマットでやりとりできるんだし、そもそももう音楽はダウンロード販売が当たり前なんだから物理メディアに制限される必要もないし。
とはいうものの、CDという物理メディアを一端離れてしまうと、容易にフォーマットはとっちらかってしまうわけです。基本的にはPCがあればソフトウェアとしてはどんなフォーマットだとしてもプログラムを配布してしまえばなんだっていいんですが、PCをオーディオの中心へ持っていこうという試みは結局上手く行かず。圧縮フォーマットもいろいろ、ハイレゾフォーマットもいろいろ。それらをいい音で聞こうとすれはバッドノウハウの山。ちょっと手を出しづらい。
一方、iPodにこっぴどくやられたSonyはウォークマンという存在をどうしたらいいのか迷いに迷っていたわけですが、ここに来てやっとこ役割を取り戻したようです。逆にiPodを止めてしまったAppleはオーディオの道からは離脱してしまった様子。手のひらに収まるオーディオから現在考えら得る最高の音を出そうとする意思はなく、道楽者はウォークマンの取り組みに徐々に戻ってきているようです。
オーディオというのは、どこまでも究道と道楽、科学とオカルトの狭間を漂うジャンルなわけで、あんまり深入りはしたくないものですがそこで何がおきているのかというのには興味があります。で、あんまり苦労せずに、ちょいと楽しんでみられるレベルの道楽者にとって、NW-ZX300はやっと帰ってきてくれた俺たちのSonyって感じが、私にはしました。
ダッサいスマホとポタアンをゴムで巻いて自分でケーブルを付け替えたイヤホンを挿してというのもたぶん楽しいんですけど、プレイヤーからポタアンに匹敵するパワーを出し3.5mmに変わる新しいヘッドホン規格の4.4mmバランス駆動を備え、現状考えられそうなあらゆるフォーマットに対応して、ハイレゾはハイレゾ、圧縮音源は疑似的に叩き上げて力一杯鳴らして手に収まるサイズで数万円。レビューもすこぶる高評価。今やiTunesのライブラリに大量の音源があるので、もうAppleと縁を切ることはできないんですけども、カセットテープ、DAT、NetMDと時代時代でヘンテコなウォークマンを買っては楽しく聞いていたオーディオマニアが久しぶりにウォークマンを手に取るには十分な理由です。
いや、これがAppleから出てくれたらライブラリ管理的にはそのほうが嬉しいんだけどさ(笑)
そんなわけで、久しぶりに「これ欲しい!」と思っていろいろ調べました。バランス駆動のヘッドホンって何よとか、ハイレゾのフォーマットってどうなっているのよとか。買うつもりで調べないと、やっぱ自分の頭には入ってこないしね。いやー、楽しかった。こんなことになっているのか。
ちなみに技術的な議論はとっても好きな私ですが、音にこだわりがあるかっていうと全くありません。DATウォークマンを持っていたのも、「オールナイトニッポン」の放送2時間をエアチェックするのに便利だったからです。なので、音質は一番下げて使ってましたし、NetMDもそれこそ「圧縮音源を詰め込める」ので良かったわけ。だから、シリコンプレーヤー(って言い方ももうしないですねー)が出て、持ってる全ての楽曲がネット越しにいつでも聴ける環境は夢のようです。本だって、自分の本棚の本をいつでも取り出せる環境ですからね。自炊した本を全部OneDrive上に置いてますから。凄いよねぇ。うん、なんで買ったんだろうね、こんな高い機械。いいんすよ。道楽なんだから。
というわけで、技術の現在の到達点として、数万円でちょっと飛び抜けた到達点まできた記念碑としてのZX300は欲しいわけですが、音質は全然どーでも良い(笑)。聴きたい音源があるわけでもないし。まあ、あれですよ。高いカメラ買って押し入れって奴です(謎)。満足、満足。
そうはいっても、ZX300を買って、ほぼ正解といえるレベルでイージーにハイレゾ音源を試してみることが出来るようになったわけで、試してはみるべきでしょう。ハイレゾはホントにいい音なのか。というか、聞き分けられるのか。れっつチャレンジ。
結論。私にはまったくわからん(笑)
まずは、e-onkyoで往年の名盤、私の青春の一枚であるポール・マッカートニーの「Flowers in the Dirt」を購入。こいつは90年代のCD前提になったころの作品で、かつ2017年にリマスターされているのでちょうどいいでしょう。これをSONYのBluetoothのNCハイレゾヘッドホンMDR-100ABNで試聴。それとiPhoneでAppleMusicにあるAAC256kHzと同じヘッドホンで比較してみます。
おんなじです。
良い悪いがわからないというレベルじゃなく、おんなし。私にはまったく区別つきません。しかしまあ、このテストはMDR-100ABNがBluetoothのコーデック、LDACとAACをどう音にするかっていうテストになっちゃいかねないんで、やっていることが微妙ではあります。しかし、iPhoneとMDR-100ABNで聞いたらいい音だなあ。普段、AirPodsで聞いてるからその差がな(笑)
さて、ハードは揃えて音源の差を観てみましょう。ヘッドホンは、茶楽音人のCo-Donguriと、ソニーのMDR-1AM2。どちらもバランス端子で接続しました。
MQA-CDという普通のCDフォーマットに凄い仕掛け(よくわからん)でハイレゾ音源を突っ込んでしまう規格がありまして、それのお試し用ということで、おんなじ音源をMQA-CDと普通のCDで並べたサンプルCDというのがあります。その名も「これがハイレゾCDだ! クラシックで聴き比べる体験サンプラー」。力強いタイトルです。
これなら完全に音源の差が聞けるはず。それぞれをリッピングして、聞き比べます。
うん、わからん。同じですわ。
正直に言うと、ホルストの「木星」はなんとなく違う気がしました。もの凄く音が速く動くのでその部分の音の粒子感に差が感じられます。でもまあ、すっごい微妙。逆にベートーベンの「運命」の冒頭みたいにゆっくりユニゾンしてるとまったくわからん。
というかですね、原理的に言えば40過ぎたおっさんにはぜったいわからない領域の変化ですわね。AAC最高っすね(笑)
というわけで、完全に私にはオーバースペックな感じですが、でも「この曲は可能な限りのベストで聞きたい」という要求に応えるプレイヤーが手元になかったのも確かなんで、満足してます。ただねー、iTunesからプレイリストをコピーしたりするのがすげー面倒なんだよねー。ま、基本的には自宅でゆっくり聴きたい用途かな。カナルイヤホンを耳に挿して歩くのは危険だし、なんせ6万円だからね。落としたりしたら目も当てられないよ・・・
<追記>
プロジェクトの後輩に試してみてもらったところ、3年目の女の子は「なんか生き生きした感じになりますね」とのこと。若い子はちゃんとわかるんですね。もう一人30代前半の兄ちゃんにも聴いてもらいましたが「全然違うじゃないですか」と言っております。でも、こいつはホントのことを言っているのか疑わしい(笑)
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