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佐藤琢磨が第101回インディ500マイルレースを制覇!

やってくれちゃったよ・・・凄いよ、琢磨。

こんなことが起きるんですね。日本人がインディ500に勝つなんて。私が死ぬまでに実現するかどうかもわからないと思ってました。もう、最後の10周は絶叫しながら見てました。

今年はフェルナンド・アロンソがF1モナコGPを休んで出場するということで、アメリカだけじゃなくヨーロッパでも注目を集めた1戦。折しも、去年まで苦戦続きだったホンダエンジンも今年はコンペティティブ。昨年、(元F1ドライバーとはいえ)ルーキーのアレキサンダー・ロッシを驚きのストラテジーで優勝に導いているアンドレッティ・オートスポートの6台目としての参戦であれば、優勝争いも目じゃない。チームメイトには経験豊富なドライバーがそろっているし、今年は琢磨もアンドレッティに移籍して、F1ドライバーがインディのオーバルレースに挑戦するときのアドバイスをたっぷりとしてくれるはず。どんな走りを見せてくれるのか、大注目でした。

しかし、インディカーでのオーバルのレースは、過去に多くのF1ドライバーの競技人生を危機に陥れてもいるのです。両足を切断し、後にパラリンピックで金メダリストとなるアレッサンドロ・ザナルディのことはみんな覚えているでしょうし、ネルソン・ピケも大クラッシュで大けがを負っています。インディはF1に比べても死亡事故は多いです。おととしのジャスティン・ウィルソンの事故や、少し前になりますがダン・ウェルドンの事故など、レースファンは悲しい記憶を忘れることはありません。今年もインディ500の予選でF1でも活躍したセバスチャン・ブルデーが複数箇所を骨折する大クラッシュに見舞われています。

期待もあり、心配もありの予選。なんとファスト9に入って予選5番手。ホントにアロンソは凄い。

さて、その隣のグリッド。相手があのフェルナンド・アロンソとはいえ、ルーキーには違いありません。ルーキーに負けていられませんよね、我らが琢磨さん。予選4位通過。いまだかつてこんなに前からインディ500に望む日本人を見たことがあるか。期待に胸膨らみます・・・が、そうは言っても当日に速さがあれば、予選最下位からでも勝てるのがインディ500。逆に言えば、運悪く他と違うタイミングでアンダーグリーンのピットをすれば、トップを走っていてもあっという間に周回遅れになりかねないのがインディ500。「うん、琢磨とアンドレッティチームは調子がいいぞ」ということは間違いないんだけど、予選順位はそれほど大事ではありません。でも、調子悪ければ4位にはなれないしね。期待していいんだよね?ね?

というわけで、モナコGPが終わってすぐに寝て、朝5時に起床。家を出るまでの3時間でなんとか見ました。いやー、毎年のことだけどもインディ500の中継はスタートするまでが長い。1周40秒のコースを200周するので、それだけで2時間強。事故でフルコースコーションになれば速度はぐっと落ちるのでだいたい3時間のレースが行われます。それでも十分に長いけど、中継は0時から6時までの6時間(笑)。ライブでは見てられないわー。

セレモニーは飛ばし飛ばし、コーション中も飛ばし、赤旗中断中も飛ばし・・・と家を出るまでの時間と逆算しながら見るわけですが、ポールポジションのスコット・ディクソンは華麗に空を舞うし(死んでてもおかしくなかった・・・)、車列のどこでもバトルしてるし、リードチェンジも多いし、アロンソはいきなりトップ周回を経験して、しかも、レース中の初めてのリスタートがトップからになったにもかかわらず無難にこなしたし、いや、なかなか飛ばすところなくて。

アロンソはホントに素晴らしい走行で、解説の松浦孝亮選手も「僕らの見てなかったときに、もう2回ぐらいインディ500を勝ってるんじゃないの?」と冗談で言うほど。さすがだなー。ところが、レースの中盤からホンダエンジンの何台かが煙をぼふーっと吐いて壊れてしまう症状が。F1から気分を変えにきているインディでもエンジントラブルになったら可哀想だなあと思っていたら、あえなく3台目のエンジントラブルとして、アロンソのエンジンからぼふー・・・。なんなんでしょう。そういう星のもとなんでしょうか。

さて、200周も走っていればピットタイミングもばらばらになって、最後のピットストップをどのタイミングでやったかとコーションのタイミングだけで優勝の権利が決まってしまうというのがインディ500あるある。インディは運ゲーです。しかし、今年はどういうわけかほとんどの(といっても半分ぐらいリタイアしたんだけど)ドライバーのタイミングがそろって盛り上がる展開に。

全員の最後のピットストップが終わった残り20周の段階で、タイミングよくリードしていたのがマックス・チルトン。そして、すぐ後を琢磨が追いかける。この時点でトップ5ぐらいにいれば優勝はぐっと近づきます。おいおいおい、これは久しぶりに琢磨にもチャンスがきたんじゃないの?マシンで大きく劣っていないことは確かだし、琢磨ならやってくれる。

しかし、なかなか簡単には行かず・・・順位を各所で入れ替えつつ、最終的に上がってきたのは、あのエリオ・カストロネベス。そして、琢磨が挑む。最後はこの2人の行き詰まる一騎打ちになりました。最終盤は琢磨がリーダー、後ろにエリオ。しかし、ドラフティングがよく効くオーバルコースのレースでは、基本的に真後ろに入られたら追い抜きを防ぐ手段はありません。最後の最後、一番良いタイミングでトップの真後ろに付けるのが最も有利。この時点では、エリオがベストのポジションにいるようにみえました。さすがです。

そして、ラスト3周でエリオが琢磨に並びかけ、サイド・バイ・サイド。しかし、ここで守る琢磨。もうすぐホワイトフラッグという裏ストレートで、琢磨とエリオの差は1車身半。解説の松田さん、松浦さんが「いける、これならいける!」と叫ぶ。あとは琢磨のエンジンがあと1分だけ持ってくれれば、あの2012年。ファイナルラップでトップのダリオ・フランキッティのインに飛び込んでバランスを崩し、壁にクラッシュしたときに置いてきた忘れ物を取り返すことが出来ます。あとは、ただ、「いけーっ」と叫ぶのみ。

チェッカーを受けたあと、テレビの中継では無線で歓喜に絶叫する琢磨の声が流れました。そして、たぶんスポッターのロジャーさんだと思いますが、「おめでとう」という日本語の声。じーんときました。

パレードラップ。ビクトリーレーン。頭からミルクを浴びる琢磨の顔。琢磨よりずっと長い期間この瞬間に立ち会うために毎週全米を旅しているジャーナリスト、天野さんの顔。松本カメラマンの顔。マイケル・アンドレッティの顔。ホンダのスタッフ達の顔。日の丸を持ってマイケルとオープンカーでパレード。チーム全員でブリックヤードにキス。

いやー、良いもの見せてもらいました。うれしいなあ。ホントにうれしいなあ。日本人にとっては忘れられない第101回大会になりました。

これでもう、来月、一貴か可夢偉がルマンで勝っちゃったりしたら、もう2017年は大変な年なんだけど、そうそう甘くはないかな(笑)。でも、十分に期待できますからね。うわー、楽しみだなあ。

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