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F1GP2015 #11 ベルギーGP

夏休み明けのスパ・フランコルシャン。伝統のサーキット。ここのレースは毎年、ただオー・ルージュを駆け上がるマシンを見るだけで興奮してきます。

とはいえ、今回の注目はただただホンダはどこまでくるのか、でした。メルセデスが勝つことと、ハミルトンが勝つことは、まあ知ってたし(笑)。で、結果は・・・何一つ良くなっていません。おーまいがー。

F1において、進歩しないことは後退を意味します。毎戦毎戦、少しずつマシンは速くなり、開幕戦と最終戦では大きな差ができます。ところが、中位から下位のチームは資金的な問題からシリーズ中盤以降開発が止まってしまうことがあります。よいマシンを設計して序盤には番狂わせを起こしていた中堅チームが、後半戦にはいつものポジションに戻ってしまうのはよくあることです。

で、ですよ。漏れ聞こえる限り財政的な問題から、フォースインディア、ザウバーそしてこのレース後にマシンが差し押さえられるかも(!)と言われているロータスなんて、大したアップデートがあるはずないわけです。一方、マクラーレンは(メインスポンサーがいないのは気になりますが)、初期コンセプトでダメダメな車を作ってもシリーズ中盤以降にはちゃんと競争力のあるマシンに仕上げてしまうほどの開発力のあるチームです。

なのに、後ろはマノー・マルシアだけってどーゆーことなのよー。

まあ、スパはちょっと変わったサーキットで、上で「ろくな開発がされてない」と書いたロータスのグロージャンが表彰台にあがり、フォースインディアのペレスが4位に来ちゃうような結果なのでこれがマシンの実力か?という感じもありますけど、それにしても・・・。開幕戦の結果は私は「まー、そんなものかも」と予想の範囲内でしたし、そこから数戦でなんとか(マノーは抜いて考えての)最下位、グループのどんじりまで持ってきたのはさすがだと思ってました。

しかし、いくら何でも11戦目でそのポジションとまったく変わらないとは思わなんだ。うーむ・・・。

新井さんがレース後のコメントで、「ここスパは、我々にとってエネルギー収支の厳しさが現実として予想以上であったと思います。」という発言をしていて、今回のマシンでトークンを入れたのがICUだということを考えると、KやHがまだまだ足りないという話なのか、パワーユニットのマネージメントがダメだという話なのか、そういうことなんだろうと思いますけど、それにしてもちょっとキツすぎやしませんかね。

というわけで、ここでこのポジションならもう今年は巻き返すのは無理でしょう。来年だぁ、来年!

とはいうものの、いじれる範囲は限られており・・・。シーズン中の開発を制限するのはまだわかりますが、来年もいじれるところが制限されているのはよくわからない。そんなのコンペティションじゃないと思いますけど。来年使うエンジンのホモロゲーション期限を設けて、そこまでの開発は無制限にしないと技術の発展を阻害しますよねぇ。なんだかなあ。どうなっちゃうんでしょう。

最後に。ポコノでのインディーカーレースの録画も観ました。インディーのオーバルのレースでは珍しくもないのですが、相変わらず身の毛もよだつような激しいクラッシュが幾度も起きたレースで、リスタートで7台の車が横に並ぶ(7ワイド!?)シーンまである、スリルとデッドヒートのふんだんな面白いレースでした。そんななか、ジャスティン・ウィルソンの死んだ瞬間はクラッシュしたマシンの破片の中をマシンが通過しただけの、ありふれたシーンにしか見えませんでした。マシンがウォールに激突して粉々になったわけでもなく、タイヤが接触して宙を舞ったわけでもなく。ただ、パーツがヘルメットに当たってしまった。それだけだったようです。

あの程度のことで、ドライバーが死ぬんだというのは、頭でわかっていてもショックでした。ダン・ウェルドンの事故のショックも和らぐ中、去年、そして新しいエアロパーツで挙動が不安定な方向に向かった今年のインディーカーは許容できるスピードとコントロール性から外へ出てしまっているのではないかという議論はありましたし、実際、大きな事故が起きる頻度も高まってしました。そういうことを鑑みればこの事故は、「予兆のあったもの」と言えなくもないのですが、それにしてもあっけない。あんなシーンなら毎週観ているよと言いたいレベルの事故です。それでも死亡事故になる可能性はあるのです。辛い。

あれがインディ特有の事故とは思えません。実際、F1ファンはみんなフェリペ・マッサの事故を頭に思い浮かべたはずです。前の車から脱落したスプリングがヘルメットに直撃したあの事故でマッサが命を落とさなかったは単なる偶然なのでしょうか。それとも、インディのスピードが事故を危険な領域にさせたのでしょうか。私にはわかりません。そもそも頭部をむき出しにしたフォーミュラのレースはやめるべきだという意見まであり、F1のオールドファン(と自分で思っているわけではないですが、25年も観ていればそう呼ばれてもしかたないんでしょうね)としては受け入れがたいことです。しかし、今回の事故を防ぐために何ができるのかを考えると、明確な対策も反論もなく「危険かもしれない。しかし、それがフォーミュラカーであり、究極の速く走る事だけに特化したマシンとレースで、みんなそれが好きなんだ」と言うしかありません。しかし、リスクを負っているのは観ている私ではないのだから、何も言う資格などないのですけど。

F1での事故ではないにせよ、最高のテクニックを持つはずのF1ドライバー達の事故死のニュースをこう立て続けに聞くと、たまらないものがあります。常にリスクはあり、いつか死亡事故は起こるものだとわかってはいても、F1、インディ、WEC、GP2、SF・・・その他のすべてのカテゴリーで、もうしばらくは死亡事故の話は聞きたくありません。今回のような事故を目にすると、我々はもちろん、実際にレースをしているドライバーもチームも興行主もFIAも、やれることはすべてやったとしても最後には幸運に頼らざるをえないのだと思い知ることになります。祈るしかないのであれば、祈りましょう。ジャスティン・ウィルソンのご冥福と、これ以上の死者が出ないためにためのほんの少しの幸運がすべての事故に伴いますことを。永遠に終わらないポコノのレースをまだ戦っているのかもしれないジャスティン。どうか安らかに眠って欲しい。

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