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知らない映画のサントラを聴く/竹宮ゆゆこ

ひとつのシリーズが長くなる傾向にあるラノベの場合は特にそうですが、好きなシリーズの作家さんが別のシリーズをはじめたとき、期待と不安が胸をよぎります。

前のシリーズの雰囲気そのまんまで新しさがなくてもガッカリだし、変化した結果、その作家さんの良さ・・・というか自分として好きだったところがまるでなくなってしまっていたらそれももちろんガッカリです。

竹宮ゆゆこさんの作品はこれまで「とらドラ!」、「ゴールデンタイム」とどちらも大好きな作品でしたが、どちらも読み始めたきっかけはアニメを観たから。「とらドラ!」は初ゆゆこでした。アニメから入って、アニメの放送中に夜明かしで読み切ってしまいました。それほどハマった作品でありながら、次の作品の「ゴールデンタイム」は記憶喪失ものという噂でちょっと引いてしまったこともあって、アニメになるまで読んでませんでした。アニメが面白かったので、結局楽しく読みました。アニメのラストはちょっと涙ぐんでしまったなあ。

で、この本。ラノベのようでラノベではない新レーベル、新潮文庫nexの看板(?)として盛大に平積みにされてました。気になります。でもねー、電撃文庫から移って、ちょっと作風変えちゃったのカシラーとか、いろいろ考えちゃいますよね。というわけで、しばし放置。でも、結局、「ゴールデンタイム」も読んでよかったじゃんということで、読んでみました。

いやあ、ゆゆこ。ラノベじゃなくてもしっかりゆゆこだわ。

お話自体は、親友の死(それも自殺)を機会に人生を見失っちゃってる主人公がいろいろあって立ち直るって話で、プロット自体はたいしたことはないです。で、「ラノベじゃないのよ、nex」はキャラ小説のレーベルってことで、この主人公のキャラや他の登場人物のキャラはちょっとカリカチュアされていて、そこは魅力。そこにゆゆこらしいリズムのあるモノローグ、そしてダイアログが重なって楽しい。竹宮さんのこれまでの魅力は全然失われてません。

そして、ラストに朝日がさっと差してくるような、救いの場面に疾走感と開放感のある文章。そのためにこれまでの作品にはなかったような鬱々とした展開が序盤から中盤を覆ってます。そんな暗いわけではないけど、これまでの作品なら主人公の友人達が絡んできて無理矢理に馬鹿馬鹿しくなっちゃってたようなところで、ちゃんと暗くなります。あー、主人公が学校に行っていない(23歳のニートだから)ってこういうことなのかも。それだけにラストが素晴らしい。いや、なんてことないんです。何も起きてないと言ってもいい。でも、ラストの開放感は素晴らしかった。これはいままでの竹宮作品になかった味わいかも。

というわけで、今までの魅力も失わず、新たな味わいもあり。でも、すぐにでも電撃文庫に舞い戻れそうなフットワークももちろんあり。つまり何が言いたいかというと、これまでのゆゆこファンも安心して読んでよってことでした。まる。

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