« 火星の人/アンディ・ウィアー | Main | F1スーパーライセンス発給条件について »

ベイマックス

ベイマックスを観てきました。

きっかけは「楽園追放」を観たときの予告編が、抜群に面白そうだったからです。ディズニーもピクサーもほとんど観たことないんですが、なんだか観てみたいと思わせました。「少年とロボットの心の交流」なんてもう陳腐もいいところですが、よい陳腐が観られそうだなと(笑)。

ところが、噂によればこの予告編は「騙し」であるらしい。そもそも、「ベイマックス」はオリジナルが「BIG HERO 6」というアメコミ作品で、日本が舞台、日本人の登場人物が超能力バトルするものらしいです。えっ?

調べてみると、今回のディズニー版「ベイマックス」は、その枠組みや登場人物の名前なんかは原作から借りているものの、設定はまったく変えてしまっています。が、変身ヒーローものであることは変わりません。そもそも、ラストで主人公が「まったく、ぼくらがスーパーヒーローになっちゃうなんて、シンジらんないよ」みたいなことを言いますが、観客の大多数にとってみれば

「まさか、戦隊ものを見に来てたなんて信じられないよ」

戦隊ものなのにキービジュアルとして、変身(といっても、戦隊ものなので、スーツを着込んだ姿なんですが)後の姿がまったく出てないって、よく考えたらすごくないですか?アメリカでは「BIG HERO 6」のタイトルのままなのでこの宣伝戦略は不可能ですが、日本でまったく知名度のない原作で、タイトルを「ベイマックス」に変更できるという条件でこそ成り立つサプライズ。これは見事でした。

さて、これを戦隊ヒーローものとして観ると・・・ほんとに素晴らしい出来。2時間の映画に、必要なものは全部きっちり収まっています。未熟だけど愛すべき主人公、戦う動機、不気味な敵、テクノロジーの暴走、愛と復讐。笑わせてくれて、ホロリとさせてくれて、ハッピーエンドで。別に何か新しいものがあるわけではありませんが、これだけ詰め込んで破綻無くきっちりと納めてくれているのは凄い。

いや、破綻がないわけじゃないですね。ツッコミどころはそれなりにあります。そもそも、敵と戦っているんですが、敵がこちらに差し向けてくる最終兵器が、そもそも主人公が作ったもので、「なんだそのマッチポンプ」と思うわけです。この少年ヤバいぞ(笑)。でも、その兄が作ったロボットの力を借りて、自分が作って奪われたロボットを倒すという構図が、大きくは「お兄ちゃんがグレている弟の能力を認めながら優しく強く諭す」というストーリーに沿ったものになってます。テーマのためならある程度のストーリーの破綻は認める、いや、むしろちょっぴり破綻しているぐらいが心地良い。見事なものです。

また、世界観も素晴らしい。地理的にはサンフランシスコなんだけど街並みは東京という「San Fransokyo」は、日本人にとって非常に愉快な空間です。近代的だけど、路地裏やガード下はまさしく日本の風景で、すごく居心地がよさそう。「餃子専門店」なんて看板があったり、ビルの影にちらっと東京タワーが見切れたり、凄く楽しい。

また、風力発電用のタービンが空に浮かんでいて、それに鯉のぼりを模したペイントがしてあるなど、ただ東京の風景を切って貼りましたというのではなく、ちゃんと自分のものとして日本風な未来空間が作られているのも素晴らしい。丁寧な仕事です。ここまでやるから、伝わってくるものがあるんですね。

ともかく、「楽園追放」と同じく、よくできたエンターテイメントで、すかっとして帰ってこられます。楽しかった!

|

« 火星の人/アンディ・ウィアー | Main | F1スーパーライセンス発給条件について »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference ベイマックス:

« 火星の人/アンディ・ウィアー | Main | F1スーパーライセンス発給条件について »