2013 冬アニメ第1話感想
1月が終わってしまいました・・・。間に合わなかったか。ま、それはともかく。
今期のラインナップには「これは!」という作品は見当たりません。まあ、引き続きの「新世界より」「宇宙兄弟」「ジョジョ」「PYSCHO-PASS」「絶園のテンペスト」などが面白いのでいいんですけど。そんなにいっぱい観られません。
というわけで、謎なジャンル分けで総覧します。
今期の京アニ
- たまこまーけっと
いきなりジャンルじゃないじゃん(笑)。さて、なんだかんだいっても一定のクオリティで楽しませてくれる京都アニメーション作品。「涼宮ハルヒ」以来、原作への忠実さと絶妙のアレンジで名を馳せてきた京アニですが、オリジナル作品の評判はこれまで高くありませんでした。・・・といっても、オリジナル作品ってかなり昔から作ってないわけですが(私も観たことないし)
で、「けいおん!」の劇場版(お話はオリジナル)や「中二病でも恋がしたい」(原作の権利を持ってる)で徐々に助走して、満を持してのオリジナルです。例によって、オリジナルはそれだけで星一つ追加です
そんな期待の作品ですが・・・設定はなんだかしょっぱい感じだし、主人公のキャラも魅力はないんだけど演出力で観られるアニメになっちゃってます。
・・・ってそれじゃ「中二病」と同じジャン(笑)
安定感は感じるけど、面白くなるかは微妙。でも、最近のアニメファンはほわほわしたかわいい女の子が不安や葛藤を感じることを喜ばないのかもしれず。それじゃ面白い話は無理なんですけど、さてどうなるのか。気に・・・なりません(笑)。
ラノベ原作
- ささみさん@がんばらない
- 問題児たちが異世界から来るそうですよ?
- 俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる
- まおゆう魔王勇者
ジャンルとしてのライトノベルはかなり先鋭化してしまい、ポピュラリティを失ってしまったと感じてますが、今期アニメ化された作品もまさにそんな感じ。
その中で、安定してそうなのが「問題児」。さすがのスニーカー文庫で、王道感があります。アニメはアニメファンのものでもありますが、半分は新しく入ってくる世代のものでもあるわけで次の世代のための「スレイヤーズ」は常に必要なのですが、まさにそんな感じ。主人公たちが飛ばされる異世界のルールも魅力があるし、タイトルで示唆されているように、主人公たちが元いた世界も飛ばされた先の世界からみれば異世界だという以上に、われわれの世界とはずれた異世界なのではないかという仕掛けも面白そう。
ただ、あのうさ耳はいただけない。異世界で主人公たちを導く案内役のキャラが明らかにバニーガールをイメージしたキャラなのは安易過ぎます。異世界を描くならちゃんと描くべきです。結局、小説ではそういうのがうまく表現できないから、みんながゲームやアニメの世界で知っているもの、共通理解があるものを「借りてくる」ことになるわけで、むしろそれこそがライトノベルのライトノベルたる所以ではあるのですが、うまく借りてくることと手抜きは違うと思うのですよ。そこが減点1。最近には珍しく、キャラでひっぱっていくタイプではなく世界の謎でひっぱっていくタイプの作品(それこそ「デスノート」みたいな)だと(1話だけ観た限りでは)思えるので、世界の描写で手を抜かないで欲しいですね。
次は、今期のシャフトであるところの「ささみさん」。これがね・・・あまりにも先鋭的過ぎる。原作未読なんですが、世界改変ものだそうで、ということはラノベのお約束山盛りってことなんでしょうな。そこへもってきて、シャフトが観るものを完全に置いてけぼりにするような演出にするもんだから、もはやお約束とケレンだけでできている作品になってしまいました。これは、もう歌舞伎みたいな古典芸能の世界で、日本人が陥りがちな何かですよ(笑)。
ささみ兄の顔を出せないルールなので不自然に顔をカメラから隠している(ということは、登場人物が視聴者から見られていることを意識している)という演出などは、完全に演劇的なお約束ですし、この作品が世界改変ものであることを脈絡なく登場人物がハルヒダンスしていることで表したり、意味なくいきなりかっこいい美少女アクションシーンになったり(「そういうシーンが観たいでしょ?」という以上の意味がないわけですよ。ミュージカルだから歌いますというのと同じですね)、枚挙に暇がないですが、そういうお約束が増えればポピュラリティを失っていくのは当然で、ここまでやっている以上、自覚的に視聴者を選んでるんだとは思いますが、これだけアニメを観まくってる私が首を捻ってるってことはどうなの?と(笑)。まあ、好きな人はめちゃめちゃ好きだろうなあとも思うんですが。
さらに、「まおゆう」。これは原作既読でファンでもあるんですが、原作が会話分だけで字の文なし。そして、登場人物に固有名詞なしというめちゃめちゃに異質なフォーマットなんです。固有名詞なしなのは、最初の場面が「RPG典型の勇者と魔王が最後の対決をする場面」から始まり、そのテンプレ性を強調するためなんですね。なので、あえて登場人物に固有名詞をつけずに「魔王!」「勇者!」と呼び合うと。
確かにインパクトがあるし抜群の効果なんですが、この話、テンプレからスタートしたにもかかわらず、最後にはかなり盛り上がりまくりのこの世の謎を含んだハイスケール王道ファンタジーになるわけで、キャラもばんばんに立ってくるし、徐々に無理が出てきます。で、途中から魔族の種族名と国の名前は固有名詞にして、「○○族の族長」「△△国の王」という形で事実上の固有名詞が導入もされますが、「軍人子弟」なんて名称がそのまま固有名詞になっちゃうわけです。読んでる分にはもう途中で慣れちゃうし、こういう漢字四文字ならそのまま脳内で固有名詞として扱ってしまえるんですが、実際に発話されたらどーなんでしょう。でも、今のところは楽しく観てます。原作で扱ってるストーリーのレベルはかなり高いので、うまくやってほしいなー。
そして、「修羅場」ですが、これは安心して視聴対象リストから外せます。オレラにとってはサザエさんよりテンプレ。急に面白くなる心配はないでしょう(笑)
ゲーム原作
- 閃乱カグラ
- AMNESIA
今期は珍しくギャルゲー原作がありません。まあ、「メタキャルゲー」とも言える「生徒会の一存」の2期がありますけど。
「閃忍カグラ」は3DSで「3Dでおっぱい揺れたらスバラしくね?」という待ってました的な発想によって作られたゲームですが、アニメになったら普通に2次元なので、すげーふつー。おっぱいもだからどうということのない感じなので、魔女っ子もののように見えます。
「AMNESIA」はいわゆる乙女ゲー、なのですか。ふと目覚めると自分がだれだかわからない。自分は倒れたようだが、周りの人にも見覚えはない。自分にだけ見える妖精が、それは自分のせいで、記憶を取り戻すのに協力するので、極力、記憶喪失を隠して日常生活しろと言われるところが第1話。なんですが・・・その日常生活がイケメンに囲まれたメイド喫茶でのバイトだというところが、私的には記憶喪失によるミステリー部分よりよっぽど謎(笑)
お姉さま向け
- 八犬伝 東方八犬異聞
「AMNESIA」もこのカテゴリーに入りますが、上で紹介したので略。「八犬伝」もテイストとしては乙女ゲーっぽい感じです。ただ、こちらはマンガ原作なのでストーリーはしっかりしてますね。
この2作品とも、1話を観る限りはそれなりにちゃんとしてるので、ファン向けアニメとしては十分合格なんじゃないでしょうか。私は観ませんけど、見続けたら面白く観る気がします。まあ、なんつーか、「緋色の欠片」の1話が酷かったので点が甘くなったかも(笑)
空気系
- 琴浦さん
- GJ部
いわゆる空気系4コマですが、さすがに減って来ました。
今期の注目「琴浦さん」は、コレまでの空気系作品に比べてもかなり異質。主人公は他人の心が読めるんですが、そのせいで徹底的に不幸になります。友だちからはみ出し、教師から恨まれ、親から捨てられ、関わる周りの全てが不幸になるという1話の前半はほぼホラーアニメでした
そこからコメディタッチの日常系へ無理やり持っていくところがこの作品の面白いところなのですが、ともすればすぐに登場人物たちが絶望の淵に追い詰められそうになる危うさが魅力です・・・ってそんな空気系あるか?(笑)
一方、「GJ部」の方はなーんにも起こらない可愛い女の子満載の意味不明な文化部の話という安心のクオリティで、開始5分で飽きました。お好きな方をどうぞ。
ミニアニメ
- ヤマノススメ
- まんがーる!
- 石田とあさくら
- 戦勇。
- あいまいみー
今期もっとも特徴的なのが、これ。5分しかないミニアニメの増加です。なんでなんですかね。空気系4コマをアニメ化するのにイイ枠なのか、実質3分しかアニメを作らなくてもOPが売れて効率がいいのか、動画配信に向いているとか、なんか理由があるんでしょうな。
で、5分のものを1話だけみてどーこー言いようがないんですよね。この中で一番楽しんで観てるのが「戦勇。」なんですが、まあ、これって要するに「勇者ヨシヒコ」なの?みたいな気もしますしねぇ・・・。これにJAM Projectかよーみたいな(笑)
さて、残りはざっくりと片づけます
- ラブライブ!
読者参加型企画でアイマスと0048をやったというような企画。普通はアニメが先にあって、劇中の声優ユニットが独立するんでしょうが、これは逆で、μ ’sという声優ユニットを先に作って、それからアニメになったと。ストーリーはしょーもないんですが、劇中の楽曲のクオリティが普通に良くてですね(笑)。ももクロがこのレベルならファンになっちゃうなーとかいうと、ニャダインさんが傷つくかな(^^;
- キューティクル探偵因幡
ガンガンで連載されているギャグマンガ。ノリはなんとなく昔の「ハレのちグゥ」を思い起こさせます。テンポもよくて、楽しいです。おっさんなので観ませんけど、子供には人気ありそうです。
- gdgd妖精s
今回、継続ものは取り上げてませんが、これは1期を観ていなかったので。ウゴウゴ・ルーガみたいなCGキャラで遊んでるだけの内容ですが、楽しいです。台本がどこまであるのか謎な感じがいいですね。嘘100%の次回予告が好き。
- THE UNLIMITED 兵部京介
「絶対可憐チルドレン」からのスピンオフ。ヒールを主人公に据えたスピンオフなので作品のテイストはかなり「チルドレン」からは遠いのですが、ダークになり過ぎないバランスで、「チルドレン」のファンも違和感なく観られるようになっているのは好印象です。まあ、チルドレン観てないんすけど・・・
- ビビッドレッド・オペレーション
「ストパン」の監督が今度は現用兵器飛びまくりだけどエネルギー問題が謎の機関により解決している世界で、謎のコスチュームに身を包む少女が戦う話を作りました。皆さん、想像しましたか。それより2%ぐらいいい作品です(笑)。
というわけで、期待されるものをちゃんと作ってるとは思うんですが、天然少女が元気に世界を救う話が今、素直に受け入れられる時代だとも思えないんですよねー。観るのは思考停止したファンだけのような。ただ、お膳立てはちゃんとあるので、化けないとも限らないんですが、化けたら従来のファンは裏切ることになるよね、たぶん。「ガルパン」にしても同じなんですが、女の子のキャッキャウフフはちゃんと丁寧にやっておくので、その脇では好きなことさせてくださいという作品のように見えます。ということは、そこではたぶん裏切らないんだろうなあと。
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