本棚探偵の生還/喜国雅彦
大森望さんがNHK BS 週刊ブックレビュー 930号で紹介していたのをきっかけに購入。「小説推理」に連載されているんだそうです。
喜国さんのマンガは「日本一の男の魂」が好きです。大変に下品で素晴らしいです。その作風からはまったくうかがい知ることができませんので、喜国さんが有名な古本者、あるいは書痴であることは全然知りませんでした。有名なんですか?
喜国さんのテリトリーはミステリー、それも戦前からいわゆる本格にいたる時代がメインだそうで、本書のタイトルもシャーロック・ホームズシリーズの短編集が元ネタ・・・なんだけどちょっと失敗しているらしい(笑)
さて、読書家、活字中毒、ホンスキー型宇宙人と呼ばれる人はたくさんいますが、古本者、ビブリオマニア、書痴と呼ばれる人はまたそういう「本が好き」という人とも違います。どんな分野でも、その筋のコレクターの話というのは面白いものですが、本や古本屋さんは普通の人達もなじみのある世界なので、余計に面白いです。
もちろん、本が好きな人の方が楽しめると思います。私はコレクターではないですが(ばんばん自炊しちゃってるしね!)、明らかに読み切れない量の本を買っては自責の念に駆られてるので、こういう突き抜けちゃってる人達をみると気分が晴れますね!マズいね!
この本が大変面白かったので、第1弾の「本棚探偵の冒険」、第2弾の「本棚探偵の回想」も読みたかったんですが・・・、装丁に凝りすぎた為か本マニアに知れ渡っているせいか、Amazonで見事にプレミア価格。「回想」は文庫が買えましたが・・・。ともかく、この本を読んでも稀覯本についてはまったく詳しくはなりませんが、少なくとも古本屋で「本棚探偵」を観つけたらそれは高い本だということはわかるようになりました。なんだかなぁ(笑)
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