F1GP2011 #1 オーストラリアGP
待ちに待った開幕戦。F1ファンが一年で一番たまらないのが新車発表から開幕戦までの時期です。新車が出そろってきて、「この車のこのアプローチはアリなのか?」「一番速いのはどこなのか」といろいろ妄想に妄想を重ね、そしてついに正解が出る。興奮します。
バーレーンがジャスミンしてしまったおかげで、予定よりも2週間その妄想が長引きましたが、長らく開幕カードだったオーストラリアでの開幕戦。いやいや、盛り上がりました。
今回のポイントはこんな所でしょうか
- チャンピオン決定のお知らせ
- それでもF1はおもしろい
- テストと違いすぎる人達
- 順当なナンバー2とそうでないナンバー2
さて、開幕前の妄想が打ち払われる時がやってきました。2011年のF1は誰が速いのか。決定です。2011年のチャンピオンはセバスチャン・ベッテルでした。・・・いや、これでベッテル以外がチャンピオンはおかしいでしょう。ウェバーがぼんやりしていたのがなぜかが気になりますが、予選でのマクラーレンやフェラーリとの差を考えれば決定的とも言える差です。
考えてみれば、2009年の大きなレギュレーション変更以来、レッドブルのマシンはベースの性能はずっとトップです。2009年のブラウンGPのマルチディフューザーや2010年のFダクトのようなわかりやすい飛び道具なしにライバルと互角に渡り合っていたわけです。 さすがに3年目の今年はもうネタ切れでしょう。エキゾーストまわりでいろいろなトライがされていますが、これだ!というものはなさそう。逆に開幕戦ではKERSなしでぶっちぎりで勝ってしまったわけで、死角はないと考えて良さそうです。昨年の序盤戦のベッテルはひたすら壊れていたわけですが、今年はそんなこともなさそう。これは決まりかな。
後は、ウェバーにがんばってもらうしか無いんですが、オーストラリアのウェバーは完膚無きまでにベッテルにやられてしまいました。このままだとも思いませんが、もし数戦この調子が続けばウェバーは引退に追い込まれてしまうでしょう。チャンピオンを取って自信を深めたベッテルは一気に「強さ」、そして「王者の風格」を身につけてしまったように見えます。
そんな感じでチャンピオン争いは、残り18戦を残して終了したわけですが(笑)、そうだとしてもF1がつまらなくはなりません。マクラーレンとフェラーリがどうキャッチアップしてくるのかも注目だし、ルノーとメルセデスの第3集団争いも気になります。マシンとチーム力ではルノーが上ですが、明らかにドライバーの格はメルセデスの方が上。最終的にどちらが上に来るでしょうか。
トップチーム以外は混沌です。若干、ザウバーとウィリアムズが上に来ているような気がしますが、トロロッソとフォースインディアもマシン開発に失敗したという感じでもありませんからサーキットごとに力関係は変わってきそうです。どこが抜け出すのか。この中から番狂わせを起こすチームは出てくるのか。注目です。そして、ここにロータスとヴァージンが追いついてくるのか、こないのか。楽しみですね。
もっとも、開幕してみればだいたい力関係は昨年のままかなという感じですが、冬のテスト段階で大きな話題だったのが、「ピレリタイやは全然持たないらしい」と「マクラーレンが大失敗しているらしい」。ところが、マクラーレンは開幕までに帳尻を合わせてフェラーリの上に来てしまいましたし、ピレリタイヤは常識的な3回ストップまでで収まり、なんとザウバーのペレスが1回ストップで走りきってしまうという驚きの結果。テストって何だったんだ。
まあ、開幕当時のダメ車をすごい開発力で勝てる車にしてしまうのがマクラーレン。毎年そんな光景を見てる気がします。なんで最初から速い車が作れないのかが不思議ですが、とにかくシーズン中の開発力が他チームを圧倒してるんですよね。コースとタイヤによっては年間数戦ぐらいは勝ってしまいそうですが、でも、届かないでしょう。レッドブルが途中でマシンの方向性を見失うとかそういうことでもない限り。ニューウェイが病気でもしない限りはなさそうだなあ・・・
さて、F1はチーム間の戦力バランスも注目ですが、直接比較できる同じチームドライバー同士の対決も見物です。開幕戦はどうだったか・・・と言えば、レッドブルは言うまでもなし。
フェラーリは・・・またマッサはかっこわるかったですね。気まぐれライコネンならまだしも、アロンソに勝てる器ではないなあ・・・。ライコネンの時はチームがマッサ寄り(ライコネンはチームといい関係を築くのが下手ですな)だったというのも大きかったんですが、アロンソはがっちりフェラーリチームの心を掌握しているようです。
マクラーレンですが、マシンがイケてないときに強いハミルトンと完璧にハマれば強いバトンのよいコンビですが、タイヤが持っちゃったのでハミルトンという感じでした。今回のバトンはマッサと絡んだ場面がもったいなかったですが、悪くなかったですよね。
ルノーは・・・ニックはどうしちゃったのかしら。ペトロフはそろそろ本気を出してきたのかもしれません。今回はすばらしかった。
メルセデスは・・・結局、去年と変わらないようですね。
新人さんの方は、バリチェロとマルドナドでは比べようもなし。可夢威とペレスは今の時点ではもちろん可夢威ですが、ペレスは良さそうですね。ワンストップで走っちゃうのはザウバーの車がタイヤに優しいというのもあるんでしょうが、もちろんペレスがダメ子ではできませんし。楽しみです。フォースインディアのディレスタも前評判通り。マシンにもある程度慣れてるし、スーティルが速いけど安定感に欠けるタイプなので、落ち着いている感じがいいかも。トロロッソは・・・いつリチャルドが乗るのか楽しみです。
そんなところかな
次戦はマレーシア。必ずスコールが来る波乱のレース。雨に強いドライバーが番狂わせを起こしてくれるのか。個人的には今年もバトンに期待です。
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