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カナクのキセキ/上総 朋大

ファンタジア大賞の受賞作ということで、購入。

うーん、ちょっと期待はずれかな。ネタと書きっぷりはいいんだけど、このネタならもう少し洗練させればもっと品のある作品になったような気がします。異世界ファンタジーなんだから、その異世界に魅力がないといけませんが、そこまで行ってない。このネタならもっと行けるのに!

そのあたりの煮詰めが甘いから、主人公が背負っている秘密が弱かったり、マール教がどんな宗教かということとその始祖のキャラの絡みが薄かったり。途中で出あう人達がどうしてカナクとユーリエを助けてくれるのかが今ひとつ伝わりづらかったり。

正直、オチは半分ぐらい読んだところで想像がつくわけです。でも、判っちゃったらがっかりかというと、むしろその予想されるクライマックスへ向けてどう盛り上がるのか、途中のエピソードがどう伏線として使われるのか、そういう部分を楽しみに読み進めるわけで、その点でちょっと「あれ・・・?」という所。まあ、300頁のラノベでそれを全部見せるところまで行かないのはしょうがないと思うんですが、「この後ろにはもっと壮大な世界がある」と思わせないところが残念です。

筆力は十分なものがあると思うし、「金賞!」と思ってなければまあ面白い話かなという所なので、この作者さんはどんどん書いて腕を上げていってもらえばいいと思いますし、世界観が魅力的なだけに続編にも期待していますが、多数応募があって、トップがコレってのはファンタジア大賞的に寂しいですねぇ。

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