宇宙暮らしのススメ~小惑星移住計画~/野田篤司
我らが野田司令によるロケット本。なぞなぞ宇宙講座3を観に行ったときにも聞いた小惑星移住話についてですが、それも含めて啓蒙本。
例えば
- ロケットは高く高く打ち上げると、宇宙にたどり着く
- 宇宙は無重力だから、一度宇宙に出ればそこから月に行くのは簡単
などというとんでもない誤解をしている人はぜひ読むべき。でも、このあたりの理屈がわかる為にはどうしても高校の物理の力学の等速円運動ぐらいまでを(感覚的に。微分方程式は解けなくてもいい)理解しておく必要があるので、それはやはり全国民的には難しいんだろうと思います。
でも、中で野田司令は
テレビなどで、宇宙船やロケットの打ち上げを見ていて、宇宙に行き真空になると無重力になる・・・って思っていないか?どうも人の噂によると「真空になること」イコール「無重力」と思っている人が多いらしい。それどころか、「一般人の大多数が『真空にすると無重力になる』と信じている。極端な話、『地上にある陽気の中から空気を抜いて真空にすると、容器の中は無重力になる』と信じているのだ。」と、ある人から聞いたことがある。まさか、日本の理科教育が、そこまでおとろえているとは思えないので、この噂を伝えてきた人の信憑性の方が余程怪しいのだが、念のために言っておこう。「真空と無重力は関係ない。」
なんて書いてます。ここを読んでかなりぶっ飛びました。まさかそんな。
が、残念なことに、これを書きながらMilueに「ねえ、箱があるとして、その中の空気を抜いたらその中は無重力になる?」と聞いてみたところ、深く悩んでしまいました。おいおい。
まあ、さすがに「軌道上で前を飛んでいる人工衛星に追いつこうとしたら、逆噴射してブレーキをかけなくてはいけない」という話になると、私も頭の中で一瞬「ん?」となりますけど。軌道上では、速度を変えることは軌道を移ることなのでそうなるわけです。
そういう「宇宙の常識」の啓蒙パートの後には、野田司令の「我々が目指す天体は、月でもなければ、火星でもない。小惑星だ!」という主張が待ってます。是非、最後まで読んで野田さんの熱い夢を共有しましょう。
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