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F1GP#10 ハンガリーGP

今年の開幕戦でブラウンGPがぶっちぎりの勝利を収めたとき、あまりのドラマティックさにみんな熱狂しました。この20年、これほどの圧倒的なパフォーマンスをかつての4強(マクラーレン、フェラーリ、ウィリアムズ、ルノー(ベネトン))以外が見せたことは一度もありませんでしたから当然です。これまでチャンピオンになるためには、最低でもこの4チームのうちのどれかに所属している必要がありました。しかし、今年はまったく違う展開になりました。

今年、選手権をリードしているブラウンGPとレッドブルは、古いファンに取ってみれば元ティレル(!)であり、元スチュワートGP(!?)なわけで(笑)、その2チームが2強として扱われるなんて、ホントにびっくり。ただ、この20年、伊達に4強が独占してきたわけではなく、F1においてマシンを作り、それを1年を通じてずっと開発していくということは本当に大変なことなわけです。コンセプトがハマった車を作って出だしに快調だったチームはいくつかありましたが、どうしてもその開発ペースを維持できません。ちょっと前のBMWがそうでしたし、近年はウィリアムズもその傾向にあると言ってもいいかもしれません。しかし、長いシーズン、どうしても最後には強いチームは強いということになります。

今年はレギュレーションの大幅な変化とシーズン中のテスト禁止によって、この傾向がすこしゆっくり目に出てきたのかも知れません。しかし、やはりブラウンGPとトップチームでは開発にかけているリソースが違う。まあ、トップチームとはいえ、検討違いの開発をずるずるとやっちゃうことも珍しくないんですが、それがハマってしまえば追いつくのは時間の問題。そして、ついにマクラーレンとフェラーリが追いついてきました。

そもそもマクラーレンとしては、序盤数戦は捨ててでも今シーズンのカギを握るKERSを早期に熟成させる方針だったわけですが、KERS云々よりもマシンが残念な出来になって、結局、この時期まで来てしまいました。しかし、理論的に言えばKERSがある方が有利に決まっています。マクラーレンのKERSは軽く、高性能という噂。そこにハミルトンというスーパードライバーが乗っているんだから、強いです。そして、ブラウンとマクラーレンの関係は一度変わったらもう今シーズンはよっぽどのことがない限り(例えば、ブラウンが秘密兵器を持っているとか、マクラーレンがどうせチャンピオンに届かないから開発をやめちゃうとか)、再度逆転することはないのです。

チャンピオンシップを考える上で、ブラウンとレッドブルの上にマクラーレンが来たということは大きな意味を持っています。あと7戦の間、バトンはリードを保ったまま逃げ切れるかが今シーズンの焦点です。例えば、ベッテル1位、ウェバー2位、バトン3位であれば4ポイント縮まりますが、マクラーレンの2台が飛び抜けて、ベッテル3位、バトン5位であれば2ポイントしか縮まらないことになります。レッドブル以外のチームが勝つことはブラウンに有利に働くわけです。ただし、今回のレースでは、ウェバー3位、バトンが7位で4ポイント縮まりました。レッドブルとの間にフェラーリ、ウィリアムズ、トヨタが割り込んでいます。ブラウンとしては、とにかくレッドブルの真後ろにつけて、マクラーレンとフェラーリを応援すると、そんな感じになってくるわけですね。もっとも、今はマシンの差が物凄く接近してますから、なかなかその思い通りには行かないですが。面白くなってきました。

さて、マッサの事故ですが・・・背筋が凍りました。脱落したパーツがヘルメットを直撃するなんてのは、有り得ることだと判ってはいても実際に映像をみるとショッキングです。そして気を失ったマッサがタイヤバリアに突っ込んでいく様は99年にシューマッハが骨折をしたときを思い起こしましたし、また、あそこにタイヤバリアが無ければ94年のイモラの様になっていたでしょう。かなり危険な角度でした。命に別状はないと聞いて、心底ほっとしています。

そして、アロンソのピット作業のミス。FIAはルノーチームに次戦の出場停止を言い渡す重い処分にしました。次戦はヴァレンシアなのでアロンソが出場できないというのもどうかと思います。が、幸い、飛んだホイールがどこにも被害を与えなかったからよかったものの、もしあのホイールが客席に飛び込んだり、ピットロードで外れたりしたらと考えると、ルノーチームはボルトが完全に締まっていないとわかった時点でアロンソをコース脇に止めさせるべきでした。

マッサの代役はシューマッハだとか、ルノーに乗れないアロンソだとかいろんな噂がありますが、F1は3週間の夏休みに入ります。今年もまだまだ興味は尽きないですね。

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