F1GP#8 イギリスGP
今回が最後のシルバーストーンでのイギリスGP。来年からはドニントン。93年のドニントンでのヨーロッパGPは伝説ですが、イギリスGPといえばやはりシルバーストーンという印象が強いです。私は91年からF1を見始めましたが、当時と同じサーキットで今も毎年F1が開催されているのはモンテカルロとハンガロリンク、スパにモンツァにインテルラゴスぐらいです。時代の流れって奴ですねぇ。
さて、今回はなんといってもバトンの為のグランプリ。ですが、日本人的には中嶋、ナカジマ、NAKAJIMAな感じでした。
- 憂鬱なバトンと吹っ切れたハミルトン
- 予選5位・・・なのに
- 各マシン改良中
こんなところがポイントかな
さて、4連勝中のバトンの母国制覇が期待されたわけですが、それは予選の段階でほぼ消えてしまいました。終わってみればブラウンはこのレース、まったくレッドブルに敵わず。イギリスの憂鬱な天気は雨の上海を再現させてしまい、バトンが憂鬱になってしまいました。ブラウンはハードタイヤの温度が全く上がらず、ドライなのにレース中にウェービングする始末。それも、上海の再現になってしまいました。まあ、「雨で圧勝」から「低温で圧勝」になったということはレッドブルの進歩なのかも。ついにブラウンはリードを吐きだしてしまったのか。それにしても、バトンは母国は勝ちたかったでしょう。
逆にハミルトン君は、ある意味煩わされる物が減って嬉しいのか、やけくそか(笑)、妙にのびのびとしてました。予選Q1落ちして手を振ってピットに帰って来ちゃうし、レースも後方でクビサとガンガンやり合ってたり、レース終了後にはドーナツターンまで披露して(やっちゃダメなんですよ、F1では)のファンサービスぶり。ハミルトンって若くしてチャンピオンになったし、マクラーレンの秘蔵っ子としてちゃんと教育されているから、堅物でつまらない人のように思われがちですが、インタビューの端々やこういう行動にまだやんちゃなところがちょいちょい出てきますよね。ベッテルがもっとやんちゃなので、引っ張られてくれるといいですね。
イギリスGPの主役はイギリス人ドライバーですが、我々日本人にとっては今回の見どころは中嶋一貴。予選5位は大いに期待!気温が上がらない中、大半のドライバーがソフトタイヤでスタートするのになぜかウィリアムズはハードタイヤでスタートで「どちて?」ってな感じで嫌な予感。しかし、それを吹き飛ばしてスタートで1台食って4位に上昇。前の3台に追いつくのはメンツ的にまず無理でしょうから、ここからは守りのレース。一番ガソリンを減らして得た予選順位ですから飛ばさないと後が辛いのは判ってますが、ただ、今回のコンディションではファーストスティントをハードタイヤで守ってしまえば、逆に少ない燃料はハードタイヤでの周回を少なく取ることに繋がるわけですから、悪い面だけじゃありません。先にピットインして、空いてる場所でソフトタイヤでミドルスティントをロング目で飛ばせばかなりの好成績が期待できます!
という我々の昂ぶる気持ちは、一貴が最初のピットストップで再度ハードタイヤを履いたことであっさりと消沈です(T-T)。なぜだー!
まあ、同じ作戦(だったよね?)のロズベルグがスタート時点で一貴の後ろにいながら結果5位を得ているのですから、一貴自身にも足りないところは多いのでしょう。正直言って、一貴自身は今のグリッドのドライバーの中では中の下ぐらいのドライバーにしか思えません。でも、だから何だと言うのでしょう。才能が足りないのに頑張っているのなら、むしろ我々がもっと応援せねば。頑張れ、一貴。今回は貴重なチャンスだったんですが・・・。まあ、昔からウィリアムズって戦略面はしょっぱいチームですけどね。Q2の成績を考えれば、レッドブル、ブラウン、トヨタとロズベルグに前に行かれても、その次には居ても良いはず。展開的にもライコネンの前にいられたら、ポイントは取れたはず。悔しいですねぇ!
さて、各マシンも改良が進んできました。どういう効果があるのかはよくわかりませんが、レッドブルはノーズ形状を大きく変えてきました。個人的な注目は、開幕戦からブラウンにだけ付いているノーズ側面の小さなフラップをレッドブルがコピーしてきたことです。あれってもしかして、去年のミラー前のブレードに近い効果を出してるんでしょうか?
逆に、マクラーレン、BMW、フェラーリあたりはこのマシンをどれほど改良するべきなのかが謎になってきました(笑)。来年のレギュレーションどころか、来年F1GPがあるのかどうか判らないという中、今、低迷してるマシンをバンバン改良するのかは難しいところです。それでも、マクラーレンはまたフロントに塗料を塗りたくって気流の分析をしてますし、フェラーリはホイルベースを短くしようとしてきているらしいです。シーズン中にホイルベースいじって良くなるような車は本質的にダメですが(笑)、まあ、しょうがないですよね。
ここのところのトレンドはフロントウィングの翼端板付近ですね。外側に垂直のフラップを入れたり、下にガーニーをいれたり、下面にボーテックスジェネレーターっぽいものをいれたり、可動フラップを3次元造形にしてきたり。各チームいろいろやってる・・・中、相変わらずのBMW(笑)。解説の森脇さんに「何考えてあーなっちゃってるんだろうね?」「まず、あれは変えるでしょう。とりあえず、余所のコピーでもとっととすればいいのに」とか酷い言われよう。でも、やっぱりアレはヘンですよね。何度も言いますが。箱車のフェンダーみたいだもの。
そういえば、ベッテルってドイツ人なので今までの慣習から言えば我々はフェテルって呼ぶべきなんですよね。asahi.comなんかはフェテルで、「誰?」と思っちゃいました。ベッテルは明らかに英語読み。日本じゃ「マイケル・シューマッカー」じゃなく「ミハエル・シューマッハ」と呼び、「バーガー」ではなく「ベルガー」と呼ぶんだし・・・どうなんでしょうね?
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