F1GP#5 スペインGP
バーレーンから1週おいて、F1がヨーロッパに帰ってきました。スペインGPです。バルセロナは気候が温暖で、コースレイアウトも際だった特徴がないことから冬のテストで多く使用されます。それだけに各チームともデータはばっちり持ってますから、波乱が起きづらいことで有名。例年、ここで強いマシンが一番チャンピオンに近いという意味で重要なサーキットであり、何年も連続でポール・トゥ・ウィンになるほどレース展開が退屈なサーキットとしても知られます。
さて、今回のポイントはこんな感じでしょうか
- ロス・ブラウンは偉大だった
- フェラーリの雑魚っぷり
- マシン開発の行方
ブラウンGPが久しぶりのポールを取りました。そして、盤石の1-2フィニッシュ。強さを見せつけました。これでバトンは41ポイント。23ポイントのベッテルと、その差、18ポイント。今のF1ではこれは大差です。この二人、現在のマシンポテンシャルとドライバーの能力はほぼ互角と言っていいと思いますが、ベッテルとレッドブルがこの差を覆していけるかどうか。今年のグランプリの焦点はそこですね。決して不可能では無いと思ってます。
が、ここまでは圧倒的なマシン性能で勝ってきたブラウンGPですが、このグランプリではチーム力で勝ってきました。まず、予選。バトンがポールを取って、「まだまだブラウンのクルマにはアドバンテージがあるんだなあ」と思わせましたが、燃料搭載量をみるとバトンが軽い。この時点では、「あれ、そんなに特別速いワケじゃないんだ」と思いましたが決勝が始まってみると、この軽いマシンの意味が判明。KERSを積んだフェラーリより予選で前にいる必要があると判断しての軽量・3ストップ作戦だったのです。おそらく、ブラウンは午前中のフェラーリの好調と、マッサがQ3に進んだことでこの作戦を決意したんだと思います。フェラーリ、マクラーレンなどのKERSチームが調子を上げてポール争いに絡んでくるとはっきりしてくるハズですが、non-KERSマシンはKERSマシンとコース上で競り合うことが出来ませんから、燃料の量を増減させて、決勝でKERSマシンと並ばないようにして、ペースで上回って勝つことになります。考えてみれば当たり前ですが、そこできちっと必要な手を打ってくるのはすごい。反対に、ニューウェイが速いマシンは作っているレッドブルですが、レース戦術ではまだブラウンにはかなわないようです。やはり、チームにはこういう「レース屋」的な人が必要なんですね。逆にベッテルは最初のピットストップがマッサと3周どちらかにずれていれば少なくともウェバーに負けることはなかったはずです。優勝できるポテンシャルのマシンでフェラーリの大ボケがなければ5位ですから、大失敗です。
そして、大ボケのフェラーリ。今回のレースの最大の見せ場がフェラーリのチーム無線になってしまいました。チームからマッサに「今の走りではガソリンが最後まで持たない」と聞かされたとき、ベッテルを必死に押さえ込んでいたマッサが思わず
「どないせーっちゅうねん!」
と(英語で)叫んだ時は、可哀想だけど笑っちゃいました。私の英語力でもマッサが「WHAT CAN I DO」って叫ぶのが聞き取れましたもの(笑)。予選でもライコネンが中国GPのマッサの反省を活かさずにQ1落ちしたり、マシンが壊れたり。フェラーリを見ていると、それなりのマシンに優れたドライバーでもチームがしょぼければ駄目なんだとわかりました。むしろ、わかりすぎました。
さて、ヨーロッパラウンドということで新しいパーツをファクトリーから輸送するのが圧倒的に楽になります。ここからはどんどんと新しい開発が行われるはず。テスト禁止ですから金曜日に試すしかないわけで、いろいろとチャレンジするのが見られるかもしれません。
今回はBMWが大きくアップデートをかけてきました。でも、余計に格好悪くなったような・・・そして、どうしてもあのフロントウィングの翼端板が気になります。昔のグループAのチンスポイラーみたい・・・。アレとブラウンの翼端板を比べるだけでもどっちが速いかわかりそうなものです。
バーレーンはよかったマクラーレンですがここではダメダメで、要するにKERSが効かないとということの様です。となると次のモナコもだめでしょうね・・・。モナコはどこが速いのか予想しづらいです。
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