夜は短し 歩けよ乙女/森見登美彦
「四畳半神話体系」が気に入ったので、この本も文庫になるのを待ってました。
しかし、こりゃ「四畳半~」の続編みたいな小説です。「みそぎ」も出てきますし、 樋口と羽貫のコンビも出てきますし、下鴨幽水荘もちょろっと出てきます。 というわけで、舞台は基本的に同じ。
主人公も、まあ大して変わらなくて、「黒髪の乙女」に 恋するうだつの上がらない「先輩」は「四畳半~」の主人公の類似品です。 ただし、今回は「黒髪の乙女」の方が主人公。この二人の一人称が 交互に繰り返され(「黒髪の乙女」の方が6:4で多い感じ)、 二人はそれぞれ運命を交差しつつ(というか、「先輩」が 一生懸命交差させようと必死になり)、奇想天外な人たちと 破天荒でほのぼのとした事件を巻き起こします。
なんというか、この本を読んでると京都はどんなマジカルワールドかと(笑)。 私は出町柳周辺と四条河原町あたりぐらいしか土地勘がないんですが、 逆にまったく土地勘がない人が想像する京都がどうなっちゃうのか心配です。
それにしても、「二足歩行ロボットのステップ」「偽電気ブラン」「詭弁踊り」 「韋駄天コタツ」「偏屈王事件」「パンツ総番長」「象の尻」 「プリンセス・ダルマ」「ジュンパイロ」。 何ともオモチロイ言葉に溢れてます。なむなむ!
あと、文庫版には羽海野チカさんの解説(っぽい何か)が載ってます。 これがまた、良いセンスなんですわ。ハチクロファンは必見です。
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