チャーリー式 100Q/100A / 鈴木謙介
文化系トークラジオ Lifeのパーソナリティのcharlieこと鈴木謙介が、様々な人からのピントずれた(?)質問に華麗に応じる(答えているかば微妙^^;)一冊
Lifeを通じてcharlieはだんだん第2ロスジェネ世代の「アニキ」的存在になっているような気もします。でも、Lifeのメインの視聴者層って実はcharlieや黒幕はせがわ氏(や私)と同世代のような気もしますけど。そんなcharlieのアニキな部分を、質問者役として荻上チキさんが上手く引き出しています。
さて、例えばこんな感じ。
- Q001:働いたら負けだと思っているのですが、空腹に負けそうです。どうしたらいいのでしょう?
- そもそもさ、「働いたら負け」ってフレーズ自体、働かなくても生きていける人しか言えないじゃん。
- Q008:先月、今年40になる父親がデビューするといって会社をやめてスタジオにこもっています。父にオトナになってもらうにはどうすれば良いでしょう?
- 正直すいませんとしか言いようが(涙)
- Q017:男子って、ファッションの幅が少なすぎると思います。センスがないの?
- ごめんなさい(涙)。
がんばれ、charlie(T-T)
いや、極端な引用をしました(本当の回答はもっともっと長いです)。ただ、こういう身近で、いっちゃ悪いけど低レベルな質問から社会学の果たす役割やそもそも、社会学とは何かという問題。ついでに、charlieってどんな考えで何をしている人なのかというところまで迫ります。
いわゆる「ロスジェネ世代」の論客をcharlieが代表していいのかはさておき、この世代(っていうのは、オタクでもスターな批評家になれた東浩紀より下の、オタクカルチャーも前提の教養とした批評家世代)の社会学者、批評家たちが今、何を見て、何に立脚して何を議論をしているかは、この回答の中のcharlieとチキさんのやりとりと、大量の脚注を見ればわかるというお得な本であり、かつ、charlieの人格のにじみ出るほんわかした本で、肩肘貼らずにパラパラとめくるのに丁度いい感じです。
我が家ではトイレ文庫に認定されました。便器に腰かけて少しずつ読まれています。すいません。
ちなみに、charlieの下の世代の批評家は、「オタクカルチャーも前提」からまた転じて話題がここ10年のドメスティックな問題に限られつつあるという話がLifeの「文化系大忘年会2008」で言われてましたね。速水健朗やチキさんもそういえばそうかも。ウケるところがそういうところなのかもしれません。今、デリダとか言っても・・・という感覚?
あと、この本の感想を追加するならば、charlieとチキさんが仲よさそうで微笑ましくてちょっと羨ましいです(笑)
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