ガリレオの苦悩/東野圭吾
映画「容疑者Xの献身」にあわせて・・・なんでしょうね。「探偵ガリレオ」のシリーズが刊行になってます。ぶっちゃけ何も単行本で読むほどの本じゃないんですけど(あっという間に文庫になるでしょうし)、駅前からタクシーに乗ろうと思ったら1万円札しかなかったんで、これで崩しました。
「容疑者Xの献身」の感想でも書きましたが、シリーズ最初の「探偵ガリレオ」は正直つまんなかったんですが、徐々に湯川のキャラが立ってきたのが功を奏していて、非常に読みやすくなっています。
探偵役が科学者ということでトリックに科学を用いたものになるんですが、実はこれってミステリーとあまり相性がよくありません。不思議なことがあっても、そのトリックが誰も知らないような新技術だったら読者は興ざめです。なので、このシリーズが向かう先はミステリーではなくてキャラ小説で、今ではすっかり湯川と薫は福山雅治と柴崎コウに脳内変換されて読まれるでしょうから読みやすくなるのも当然かもしれません。でも、やっぱり短編の出来はいまいちかもなあ
それにしても、「ガリレオ」のドラマ化の話が伝わってワトソン役が女性だと聞いて、「あらら。でも、まあ、テレビドラマとしてはそっちのほうがいいかもなー」という感想だったんですが、原作からちゃんと出てたんですね。原作としても、そりゃ女性刑事のほうが面白味があっていいと思います。キャラ小説ですからね(笑)
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