ぼくは落ち着きがない/長嶋有
表紙買いしました。このイラストのサツバツとした感じはすごい。
中身も、「文化部まったり」系と見せかけて10代の乾いた殺伐さが緻密に書かれています。ところが全然その地平から出ないのが不思議。実は、ここに描かれた登場人物たちはそれなりにドラマを背負っていることが本のカバーをめくるとわかるようになっています。
というか、物語中ではまったく平凡な女子である主人公(そして、その感性に感情移入して読者は物語世界をみつめる)の望美の人生が、えらく波瀾万丈であることがカバー裏に書いてあるんですよ。のけぞりました。おい、そっちの話を読ませろよ(笑)
ということは、ここで書きたいのは物語じゃないってことなんでしょうね。でも、どうも私とは波長が合わなかったかもしれません。長嶋さんにとってはここにあるこれが封じ込めておきたいほどのリアルなんだろうと想像します。何が私と違うんだろう。
地域?性別?時代?
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