スカイ・クロラ
「イノセンス」以来の押井守、4年ぶりの長編アニメ映画です。
私は「イノセンス」を劇場で観ているはずなのに、このブログに感想を上げてません。DVDも買っていません。「立喰師列伝」のDVDを買うほどの酔狂だし、押井監督のファンだと思っていますが、「イノセンス」には作画的、あるいは演出的な魅力以外の、惹きつけられるものを感じませんでした。攻殻S.A.C#3 S.S.S.を観たときに、「こっちのほうが面白いなあ」と思っちゃいました。
「イノセンス」的なのも押井監督の魅力の一部だと思いますが、押井監督にはもっとエンターテインメントをやって欲しい。なんだかんだいって宮崎駿も富野由悠季ももっと「観客を楽しませる」ということを考えていますが、押井監督は「どうやったら、この作品が成立するか」を考えているんですよね。成立するという意味には「ちゃんと最初から最後まで観客が消化して見終えることが出来る」ということを含んでいるとは思うんですが、逆に、自分がこれを面白いと思って作っていない気がするんです。
おそらく、押井監督の中から内在的にわき上がってくる「おもしろさ」というのは、どちらかというと「本業」ではない実写の方で追及されているんだと思います。実際、実写の方が実験的なことをするには楽なんですよ。アニメは実写に比べればトンデモなく手間がかかる物。でも、実写は10分撮ったら、それが10分の映像です。アニメで10分の映像を作るのには、なんせ何千枚と絵を書かなきゃいけません。そして技術の進歩により、撮った実写もアニメのようにコマに分解して加工・修正がいくらでも出来るようになりました。
去年のSF大会で、「アニメと実写を順番にやるつもりだったが、同時に作ることにした。アニメのスタジオ体制は作り続けていないと維持できないし、一度、解散してしまうとなかなか取り戻せない。だから、どんどん作る。(ジブリの)鈴木プロデューサーとも約束した。そのために、どれだけ自分が手を下さなくても自分の映画になるかということを追及してきたし、わかってきた。だから、やれると感じている」と言ってました。
という話をふまえて、「押井さん、次は『スカイ・クロラ』をやってるらしいよ」と聞いたときの私の期待値の低さは、まあ、想像してもらえばいいと思うんですよ(笑)
はぁ・・・相変わらず、前置きが長いなぁ
というわけで、「まあ、公開中に劇場へ行くんだろうなあ」とは思ってました。なんだかんだ言ってもファンですからね。全然楽しみにはしてないですけど。そこへ、nacが「観に行くけど、一緒に行かね?」と言います。そうね、nacとなら観た後、一緒に文句も叩けるだろうと。昔、怪獣映画ファンがこぞって正月にゴジラを観に行っては、「今年のゴジラがいかにダメだったか」を楽しそうに毎年語るってのが年中行事だったなんて聞きますけど、そんな感じですよ。あー、はいはい。行きましょう。他に誰か行くかい?あら、ドック(仮名)も行く?Fummyも行く?物好きですな。
そして、約束の日の3日前ぐらいに知りました。え、行く日って、初日なの?あああ、なんか初日に行くってすげー楽しみにしているみたいで悔しい!
さすがに初日は満員ですよ。2時間。見終わりました!
Tam「さぁて、反省会行くか~!」
Dok「こんな映画を観ちゃったっていう反省?」
Tam「違う!反省するのは、押井くんに決まってるだろう!」
というわけで、「勝手に反省会」の内容は次の更新をお待ち下さい(笑)
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