人類は衰退しました(3)/田中ロミオ
妖精さんほえほえラノベ第3巻。
ただし、この世界でのほえほえ成分はあくまで妖精さんから分泌されているらしく、とある事情で妖精さんがいなくなってしまうとたちまち物語は、生きるか死ぬかの大サバイバル冒険譚へと変貌します。
その中で、この世界で人類に何が起こり、結果、衰退していったのかという一端が語られます。
そして、人間の科学技術に満ちた世界と妖精さんほえほえ世界は共存しえぬことが明らかになり、主人公は当然のことながら選ぶことになります。豊かな暮らしを振り切って。その代償は・・・
・・・あら?ぜんぜんほえほえじゃないですな(笑)
といって、これまた前巻までと文体が変わってしまったというわけではありません。主人公はあいかわらずの性格ですし、妖精さんもいつもの口調です。ただし、今回は時々鬱入ってますけど(^^;。しかし、前回が認識にまつわるハードSFばりばりだったのに引き続き、今回は人類の未来と宇宙にまつわるハードSFばりばりです。この文体なので、かえって微に入り、細に入りといった描写はできない(そもそも、お菓子作りにのみ才能があり、ブラックホールも知らないものぐさ女子の1人称ですから)ために、読み手側により強いSFの教養が必要になります。うーん、もっかい読まないとよくわかんないっす
ここまできたら、もっと世界の謎に迫ってもらいたいですな
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