別冊 図書館戦争I/有川 浩
「ほうほう、図書館戦争のスピンオフはこういう感じか。ま、郁と堂上のベタベタなのをこれ以上やっても胸やけするし、周りの登場人物に焦点をあてて語っていくのも面白いよな。キャラとしても進藤や彦根みたいにもっと掘り下げても面白そうなのもあるし、堂上と小牧の図書館大学時代や、稲嶺の若かりし頃の話も出来る。ラブな方面だって、玄田と折口もみんな気にしてるし、なんといってもメインディッシュは手塚と柴崎だし」
と勝手に納得し、単行本には雑誌に先行した緒方の話が入るものだと信じて疑わなかったのです。
この表紙を見るまでは(笑)
うへぇ。はぁとだ。帯にわざわざ
「武闘派バカップル恋人期間の紆余曲折アソート(恋愛成分が苦手な方はご健康のために購入をお控え下さい)」
・・・そうか、そう来たか。そういうことなんだな。わかった。覚悟しよう。
中身はいつもの図書館戦争でした。良化委員との抗争や権謀術策の部分はメインとの整合性もあるので抑え気味ですが、そうでなくても図書館にはいつもいろんな問題があり、荒唐無稽な設定の影に作者の問題意識がきちんと表現されているのもいつもの有川クオリティです。本編を読んだ人なら、まったく違和感なく楽しめるでしょう。
ただし!この目次を読んで勘のいいアナタが妄想するものは、ちゃんと全部含まれているので注意だ(笑)
一、「明日はときどき血の雨が降るでしょう」
二、「一番欲しい者はなんですか?」
三、「触りたい・触られたい二月」
四、「こらえる声」
五、「シアワセになりましょう」
特に、三、四あたりが気になりますね?郁と堂上があんなことやこんなことをするんじゃないかと気になりますね?
します(爆)
もうね、その部分はまんじゅう齧ったらアンコじゃなくて水飴だったというぐらいのベタ甘です。柴崎じゃなくても「ノロケばっかりでやっとられるかー」とグレますよ。えっ?嫌いかって?
大好物です
でも、一番笑ったのはこの部分でした。
張り込むポジションは最初から決まっている。閲覧室にいくつかある自習コーナーで、国文学の書架を一番見張りやすい机だ。開館時間と同時に手塚と閲覧室に入り、見張りやすい角度の席を差し向かいで二つ確保する。
「・・・勉強してる体裁ってどうやったら繕えるの」
「バカだ、お前はやっぱりバカだ」
郁ちゃん、図書館で勉強なんてしたことないんですね・・・オバカな子(笑)
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