F1GP#4 スペインGP
3週間のお休みの後のヨーロッパ開幕戦。このグランプリの一番大きな話題が、スーパーアグリ存亡の危機だってんだから、情けない。たかが100億ぐらいの金・・・は、中東の石油王ぐらいにしかだせないけど(笑)。
世界に22人しかいない現役F1ドライバーを二人も擁して、トヨタとホンダという国内2大メーカーどころか、国を代表するような企業がメーカー参戦し、さらに他2チームにエンジンを供給して(ということは、全11チームのうち4チームは日本製エンジンなんだよ)、さらにさらに今や時代遅れとも言えかねない個人名の着いたチームを参戦させる豪気な男がいて、オマケにタイヤは独占供給、自国でグランプリをやれば何十万人という人が全国から足を運ぶという、後、足りないのはワールドチャンピオンだけ(^^;というようなべったりとF1にコミットしている日本という国がですよ、スーパーアグリを助けてやれないってどういうことなのよ。情けないよ、あたしゃ。
でもなあ・・・亜久里のF1参戦って、2008年からカスタマーシャシーが利用できることを前提とした挑戦だったと思うんですよね。その前提が崩れた時点で、もう将来の展望はないのかもしれない。ただ、F1に参戦して、ファクトリーを持って、スタッフもいるってことは大きな財産だし、ぶっちゃけた話、どうやったら新規参入できるかルールも決まっていないところへなんとか交渉して参戦を勝ち取っているってことがすでに既得権益ですから、これを潰してしまうって選択肢も多分あり得ないんだよねえ・・・。
どうするんだろう。どうするのがいいんだろう。亜久里を持ってしても日本中の力を集められないんだったら、もうホンダとトヨタに任せてチームを売っぱらうというのもひとつの判断だと思います。もう、亜久里の挑戦自体は立派だったことは万人が認めるところ。このチームを育ててワールドチャンピオンを取る・・・ってわけでもなく、ホンダからも必要とされてないんだったら、存在意義はないよね。琢磨も、もう帰ってきてFNで走らない?スーパーアグリに金出すぐらいなら、国内のモータースポーツ振興にもっとお金使ってもいいかなーとか。ものすごい努力の結果として生まれたチームだから、やれるところまでは頑張って欲しいとも思うけど・・・うーん・・・
本人はいやかもしれないけど、FNで存分に琢磨の走りが見られるんだったら、本当にレースが好きな日本のファンは喜ぶと思うんだけど、どうでしょう。正直、F1はすごい世界だけど、実力でどうこうなる世界でもないし。琢磨が、我々がよく知っている本山や松田と戦ってどうなんだってところを見たいって気持ち、あるでしょう?
と、前置きが長くなりましたが、ポイントは以下のような感じかな
- フェラーリ1-2。マクラーレンとの差が開いた?
- フェラーリ新ノーズ
- アロンソの力
- コバライネン大クラッシュ
- ウェバーとクルサード、どっちがホント?
さてさて、お休みを挟みましたが大きな勢力図の更新はなかった感じです。去年とは違い、フェラーリが1歩抜けだしてその後にマクラーレン、僅差でBMWという構図。その後ろのポジションにはルノーがつけてきました。このままではライコネンのチャンピオンを止めるものはなさそうです。
ただし、マクラーレンは11チームのなかで唯一、劣勢をシーズン中にはね返す力を持っているチーム・・・というか、なぜか序盤に調子が悪いことが多いチーム(笑)。今後、延びてこないとも限りません。ただ、2年目のハミルトンとコバライネンというコンビは、速さはあるけどチームの開発の方向を導いていく力には疑問があります。本当のトップドライバーは、乗っているチーム自体の力を高めていくものです。想像ですが、的確なマシンフィーリングをフィードバックしたり、直して欲しいところはだだをこねてでも直させたり、はてはチーム人事にまで権謀術策して、乗っているマシーンを速くしてチームを強くしていくのだと思います。
セナもシューマッハもそういうドライバーでしたし、アロンソが乗っているだけでルノーが徐々に調子を上向けていっているのは、明らかにアロンソ効果。デイモン・ヒルはその速さではそれほど高い評価をされているわけではないですけど、最強マシンFW14の開発を担当し、アロウズ・ヤマハをあわや優勝させかけ、ジョーダンも優勝させた手腕は、やはりトップドライバーにふさわしい能力でした。逆に、ジャン・アレジは次代のチャンピオンと言われながら、結局、自分の乗るマシンとチームをうまく成長させられずに、1度の優勝しか出来なかったわけです。
マクラーレンは去年、アロンソの機嫌を損ねてからうまく回らなくなってました。チーム内にもめ事があってというのも確かでしょうが、アロンソからチームが協力を得られなくなったという要因もあったはずです。今年もこうイマイチ、チームがノってこないのもそういう理由なんでしょうか。ハミルトンの速さは申し分ないんですけど。そんなマクラーレンに追加の不安要素はコバライネンのクラッシュ。タイヤバリアへの原則無しのTボーンクラッシュ。見た瞬間は、「まさか・・・」と背筋が凍りました。生きててよかった。見た感じ、1999年にシューマッハが足を骨折したクラッシュより酷く見えたんですが、今の情報では次戦の参戦も可能の様ですが、実際はどうなんでしょう。ここでしばらくコバライネンが走れないというような事態になった場合には、マクラーレンには確実にブレーキ要素です。
さて、スペインといえば、アロンソ。絶大な人気でしたし、予選2位はマシンが軽かったとしても立派。役者だねぇ。走りも見るものの心まで躍動させるような素晴らしい走りでした。リタイア残念でしたが、走っていればクビサの後ぐらいでフィニッシュできたかもしれません。今のマシンの実力から言えば立派だよね。もっと頑張ってね、ネルシーニョ。
で、ニューウェイ加入で同じエンジンを使ってるルノーぐらいの実力は出しても不思議ではないレッドブル。でも、どうもDCはいまいちですねえ・・・。ウェバーは予選もQ3へ入ったし、結果はホンダより上の5位。立派です。でも、2台の結果が違いすぎて、実力がよくわかりませんね。ルノーの後ろで、レッドブル、ホンダ、トヨタぐらいが横一線って感じですか?
さて、次戦はトルコ。見どころの多いサーキットです。楽しみにしましょう
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