Boy’s Surface/円城 塔
長編デビュー作の「Self-Reference ENGINE」が至上のバカSFとして高い評価を得た円城塔の新作。前作は黄色の装丁でしたが、今作はピンク。
前作はめくるめくSFエッセンスの馬鹿話といった感じですが、今度はめくるめくSFエッセンスで綴るポエムになってしまいました。もうすでにストーリーを紡ごうという気がさらさら伝わってきません(笑)
しかし、私はこっちのほうが円城塔の感覚がむき出しに出てきているような気がします。前作の黄色い方(笑)は、SFバカエンターテイメントだったんですが、こっちは自分の感覚に沿って言葉とガジェットを選び紡いでいく情景になっちゃってるんですよね。そういう意味でポエム。
まあ、しかし、前作のほうがまだとっつきやすかったかな。これもかなり好きですけど、もう、小説読みの範囲を出かかっているので・・・。
しかし、SFマガジンの2007海外1位がプリーストの「双生児」で、国内の2位が黄色いの。国内1位の「虐殺器官」は読んでませんけど、難解なものが上位に来てますねえ。みんなホントにこんなの読んでるの?(笑)
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Comments
【僕は視線によって生成されて、僕自身を通じて見られており、そして僕ではない部分の僕を探索するために派遣されている。】を自然比矩形に想う。
[視線] ⇒ (e-1)
[僕] ⇒ 1
[僕自身を通じて見られて]いるモノ
⇒ 1×(e-1)
[僕ではない部分の僕を探索するために派遣されている]モノ
⇒ e
の想定
(【数学的構造であるところの僕が数学には全然詳しくないという一事に尽きる。】)で、
数の言葉ヒフミヨを眺望する。
ヒフミヨはこころの▢数創る
真四角はもろはのつるぎ絵本あり
▢とはながしかくから創り出す
ヒフミヨは時空遊び閉じている
Posted by: 言葉は△こころは▢ | January 28, 2022 05:34 PM
「Boy's Surface] 円城塔著に、
【フランシーヌの研究は、実際そうした自意識を担うものとして考えられている。ニューロンの機能的特性を突き止めることに向けられていた。自意識ニューロン群なるものが、まさに自意識として機能するのであれば、それに相応しい特質を持つはずだというのがフランシーヌの意見である。そのへんに落ちている平凡なニューロンを適当に自意識に配置するだけで意識は生まれるとは思えない。実感される感覚を構成するため特別な金鍍金された歯車を、彼女は探していた。
「それとも手綱を握ってニューロンにまたがる小人を」
【ニューロン】 ⇒ [自然比矩形]
【歯車】 ⇒ [もろはのつるぎ]
【手綱を握ってニューロンにまたがる小人】 ⇒
《シノピス》付[もろはつるぎ型」⇔
《シノピス》付[ちいさいふくらんださんかく型」
【特別な金鍍金された歯車】 ⇒[π鍍金された歯車]
[釣鐘型もろはのつるぎ体]
[朝顔型もろはのつるぎ体]
【レフラー基盤図形】 ⇒ [自然比矩形]
などなどと夢想して円城塔ワールドに浸っいるのもイトオモシロキ・・・
Posted by: 草枕 | February 09, 2022 11:37 AM