All You Need Is Kill/桜坂 洋
「動ポ本2」で、アクションゲームをベースに発想された本として紹介されていた本です。やっとこ読めました。
あらー、これは話の構造を知らないで読んだ方がよかったわー。ということで、あえて詳細を書くのはやめますが、あとがきでも著者が書いているように、アクションゲームを何度も何度もプレイして、自然と指が反応していく様を文学にするとこんな感じなんでしょうね。構造的にはすごく面白いんですが、ただ、そういう「架空の世界」を元にメタレベルへあげてストーリーを紡ぐんであれば、こんな突拍子もない世界じゃなくてもっとベタにリアルな話のほうが面白かった様な気がします。世界観は作りこんであって好感が持てるんですが、逆に世界観が面白すぎて、まるでホントにこんなゲームがあって、その趣味の悪い(というのは、元の設定からメタレベルを作ってしまうという意味でです)ノベライズのように見えてしまうのがいささか残念。
それにしても、「涼宮ハルヒの約束」でも書きましたが、続けてループものを読んだなあ。この本は世界観にあからさまな曖昧さ(例えば、「使途が来るけど、なぜかは謎!」みたいな)を入れないようにしているだけに、リクツが難しくて、「えっ?今のホントに矛盾ない?ちょっと、ちょっと、よくわかんないんだけどー」みたいな気持ちになっちまいました。
いや、ある意味、後で感想を書く「人類は衰退しました(2)」の方が訳わかんないんだけど、あっちはほら、なんかわかんなくてもいいような気がするんですよ(笑)
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