狼と香辛料VI/支倉凍砂
お待ちかね。本屋でフライングゲット(笑)の「狼と香辛料」の最新刊です。
今回の、二人の冒険はっ!
前作のラストでエーブに裏切られたロレンスが、ホロと共にエーブを追うべく船を見つけ、河を下る。
・・・それだけ?
ホント、それだけの話なんですけど、今回の話には著者の方針転換の意志が感じられました。
元々投稿作なので、最初の1作目が最高の物語となるような作りの作品です。二人が出会い、ホロの故郷を目指して旅をすることを決意する第一作の為に、この物語は用意されていたといっても過言ではないと思います。物語の先が語られ、二人の関係が深まり、そして、ホロの故郷への距離も縮まる。そのことに、登場人物たちも寂しさを露わにしていますが、読んでいるファンももちろん寂しいわけです。
4巻で、二人が旅をするって話なら幾らでも続けられるぞというところを見せたにもかかわらず、前作の5巻で「マンネリになって、この話の楽しさが摩滅するのはどうよ」と語っていた作者ですが(こうやってみると、ホロとロレンスの関係が著者と読者の関係に裏返されてるのがよくわかります。素直な作者だなあ。いい人なんだろうなあ^^;)、6巻では「うんにゃ、続ける。この二人を使って、まだ違うものが書ける!」という決意の話になっています。
・・・いや、こういう読みは邪道って言えば邪道だと思うんですが、そう読めちゃいますよね、これ?
というわけで、新たな展開への決意と共に、二人の旅に新たなメンバーが加わります。
いいのか、二人とも。もうコブつきになっちゃって!
おかしいなあ、前作では新婚さんだったハズなのに(笑)。さて、新たな決意を秘めて、次巻から新展開です。ちょっぴり心配ですが、やっぱり楽しみ。それまでは、もう一度、この巻の二人のやりとりを噛みしめながら待っていましょう。うーん、でもやっぱり
ホロ、かわいいよ、ホロ
ま、それに尽きると(笑)
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