チーム・バチスタの栄光/海堂 尊
2005年の「このミス」大賞。面白いらしいという噂は聞いてましたがなんとなく手を出さないうちにこないだ文庫になりました。というわけで、これを機に購入
権謀術策渦巻く大学病院で、戦略的窓際族を決め込んでる世捨て医者の田口に、病院の花形外科医とその手術チームに対する不審が病院長から伝えられ、調査を命じられます。比類なき成功率を誇っていた「チーム・バチスタ」の連続術死は、偶然か、否か。看護師の交代が原因?花形外科医に何が?助手を勤める医師の羨望と嫉妬、技術チームの信頼と疑惑・・・その他の人間関係も巻き込んで田口の調査は続けられます。
・・・てなところで文庫は上巻が終わり。ここまで、みなさんしっかり読んで下さいね。下巻から小説の雰囲気ががらっと変わります。スーパーお役人白鳥が派遣されてくるのです。どういう意味でスーパーかは読んでのお楽しみ。コイツのお陰で物語は否応なくのたうち、最後は、ちょっと期待を裏切るいい話で終わります。うん、面白い
犯人の動機がイマイチだとか、犯行よりそれ以外の謎のほうが面白いとか、普通のミステリーとしたらちょっと難点もあるんですが、これはたぶん田口と白鳥のコンビをキャラ読みするのがいいんじゃないでしょうか。まあ、推理小説というのはホームズとワトソンのやりとりが最大の魅力だったりするわけで、その意味ではこの本は満点だと思います。
いや、嫌いな人は嫌いかもしれんけどな、白鳥は(笑)
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