狼と香辛料V/支倉凍砂
支倉さんは、ほんとに人が悪いなと思います。4巻の感想で、「マンネリになってきた気がするけど、マンネリ歓迎。もっと書いて」と書いたんですが、なんと5巻のテーマは、「マンネリ」だったりします。
ホロの故郷を探す旅なので、二人の旅には明確に終わりがあります。故郷に帰りたいと思いながらも、二人の旅がいつまでも続けばいいと願っているホロの気持ちは揺れて・・・。今が楽しすぎるから、この楽しさが摩耗していくことに耐えきれない。言ってみれば
いつまでも新婚でいたいの
とホロは言っちゃうわけですが(笑)、そこには人ならざるものとしてのホロの哀しみが表れていて、読んでいて切なくなってしまいました。私も恥ずかしながら我がことの様に今の気持ちを大事にしたいなと思うってこともあります。また、この物語はいつまでも続くわけじゃないんだよという作者から読者へのメッセージでもあるわけで、いつまでもいつまでもロレンスとホロのやりとりを見ていたい1ファンとしても切なくなってしまうわけです。
それはそれとして、この表紙のホロは可愛すぎです<しつこい
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- プロジェクト・ヘイル・メアリー/アンディ・ウィアー(2021.12.20)
- 三体III 死神永生/劉 慈欣(2021.06.14)
- 遊牧民から見た世界史/杉山 正明(2021.02.21)
- 「第二の不可能」を追え! ――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ/ポール・J・スタインハート(2021.01.01)
- 幻のアフリカ納豆を追え! : そして現れた<サピエンス納豆>/高野秀行(2020.12.14)
Comments