狼と香辛料 IV
1巻を読んで以来、会話の軽妙さが気に入り、加えてホロにメロメロに惚れこんだので、2巻、3巻と既刊はすぐに読んでしまいました。2巻はロレンス君、破産の危機。3巻はホロ、買収の危機(笑)ときて、待望の新刊です。
ロレンスとホロは故郷への旅の途中で立ち寄った村で、また一騒動に巻き込まれます。ホロの故郷の情報を集めるために異教の神の情報を集める二人の前に、村の守り神と教会、村と近隣の大きな街の奇妙な力関係がもたらす事件が立ちふさがり、ロレンス達は窮地に陥ります。いったんは村を離れる決心をする一行ですが・・・
てな感じに、だんだん物語はロレンスとホロの世直し珍道中の様相を帯びてきます(笑)。ホロは無敵になる印籠も持ってるしね。なんといっても見せ場だから今回も印籠は出すわけですが、でも、毎回それで問題が解決してしまってもつまらないので、今回はなかなかひねった出し方になってます。
4巻目にして、定番化というか、マンネリ化の糸口を掴んだ感じがします。このシリーズの場合、魅力はロレンスとホロのやりとりにあるので、構成のマンネリは決して悪いことじゃなくて、定番のシリーズになるためにどうしても必要なものじゃないかなという気がします。私は諸手を挙げての大歓迎です。定番化して、どんどん書いて欲しいな。
てな話をドック(仮名)にしたら、「えー、裏にうごめく大陰謀とか悪の親玉とかはいないのー?」と言われました。そうか、確かにそういうシリーズを貫く縦軸が弱い感じは否めないですね。今のところ、ホロの故郷の消息がその縦軸なんですが、うーん、ここから盛り上げることができるかな?
ま、ホロらぶな私にとっては、マンネリで全然かまわないんですがね
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