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ディアスポラ/グレッグ・イーガン

読むのに時間かかった~。いやー、でもイーガンはホントすごい。ハードSFの名にふさわしいやらかしっぷりが爽快です。

主人公は、肉体を捨ててコンピュータ上のソフトウェアとして生きている人々の一人です。ここまでだったら、取り立てて珍しくも難しくもないSFではありがちな設定なんですが、主人公は、この中で、意図的に他の人と遺伝的なつながりを持たずに発生段階をおくる、「孤児」として生まれます。

で、この小説は、そういう前置きを一切抜きで、「孤児誕生」の描写から始まります。ソフトウェアを遺伝子的に扱って、それが意識を持ち、自我を持つという過程を、なんの説明もなく描写するんです。それを読んで、「あー、ようするに人間がソフトウェアに置きかえられたあとの時代の話なのね」とわかるだけのSFの教養が必須。全編、そんな感じです。うひ~。面白いけど、物理学科卒以外の奴にはよう薦めまへん。参考文献に、へーぜんとPhysics Letter Aとか出てくるもんな(笑)

ま、頭くらくらしたいひとはぜひ

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