Jannyのお芝居の感想
さて、Jannyのお芝居の感想を今頃。
まず、全体としては想像よりかなりよかったです(笑)。小演劇のスタイルだから、舞台上のウソを全部引き受けて成り立たせる役者体ってのが必須です。これを成立させる力量のない役者だと、「白い板をほこらの扉と言われても」「いや、木刀で人は斬れないし」「頭にクマさん被って悪役ぶられても」とどんどん芝居は辛い方向へいってしまいますが、それを「これは台本がある絵空事だが、それでも俺の心情は本物だ!」と言い切れる役者のパワーがあればいいわけです。そういう意味の「パワー」をびんびんに受けました。特に、長(おさ)を裏切る役の役者さんは発声も、身体の切れもよくて出てきた瞬間に「チョイ役では終わらないぞ」という予感をもりもりさせたので、先の展開が読めました(笑)。素敵な役者さんでしたね。主役の役者さんも頑張ってたんだけど、キャラ的に感情移入しづらい役だったので最後、主人公側のリクツに説得力がなくなって見えるぐらい、よかったですね。
あと、長の下につく女性のなまりとそこから作り出されるキャラが素敵でしたね。主役が愛されないキャラなだけに、ほっと息がつける、みんなに愛されるキャラを楽しく演じていたことは、この芝居全体をしっかり支えていたと思います。
ちなみに、作・演出のJannyどんは、あまり重要じゃない(葛藤のない)役で登場。物語の構造を背負っていない役なので、わりとやりたいようにやっててズルイ(笑)。バナナ食いながら出てきて、殺されちゃう役。オイシいですな。
さて、Jannyが作・演習と言うことで、脚本にも注文!こう、さらさらとホンを書いて、最後に悩むのが
- 役名
- タイトル
- ラストシーン
ラストは迷ってるのがありありとわかるような感じでした(笑)。なかなか自分の世界に帰る踏ん切りのつかない主人公は、たぶん、この話をどう締めくくったらいいかわからないJannyの気持ちを反映してああなっちゃってるに違いない。ちょっと可笑しかった。
役名も、特に名前を呼ぶ必要もないと、つけるのがすごくめんどくさいのはわかるんだけど、でも、つけてくれないと、こっちがアンケート書くのに困るんですけど(笑)
タイトルは・・・イマイチね。だって、結局覚えられないし。ま、書いてるほうとしては、そんなところに力をいれるぐらいならって思うんだよね~
最後に、テーマ的なこと。構成としてはうまくまとまってたと思うんだけど、じゃあ、今、Jannyが書きたいことがこれなのかというと、ちょっと疑問を感じちゃいます。時間や役者の構成なんかの制約のもと、ちゃんと成立するものを書いているのは素晴らしいと思うんだけど、このテーマはもう一つ、「パンツ脱ぎきれてない感」があります。その辺が、最後、すっきりと飲み込めない小骨だったかも知れません
でも、とにかくひさしぶりに生の役者のパワーを、それもすごくちかいところから浴びて、凄く楽しかった。元気をもらっちゃいました。お芝居はいいね~
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