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偽りの大化改新/中村修也

大化改新といえば、中学生が初めて年号を語呂合わせで覚える有名な歴史上の出来事です。ほら、太平洋戦争がいつ始まったか知らないあなたも、蘇我入鹿が何年に殺されたかは知っている。

ところが、大化改新って、どんな出来事でしょう。ちゃんと知ってます?私は中学の歴史の授業で習った以上のことは知りません。ウチの高校の日本史は幕末から始まるのです。

中学校の歴史で習ったところをあげてみましょう。

* 中大兄王子(後の天智天皇)が蘇我入鹿を殺害し、旧体制を滅ぼした。
* その後、中大兄王子と中臣鎌足は、改新の詔を出した。

こんなところでしょうか。ちなみに、入鹿殺害の事件は、「乙巳の変」と呼ぶのが通例だそうです。そこからすでに聞いたことがないもの、あたし。

さて、この本はその2つはどちらも誤りだと主張しています。ええっ、そうなの?

中学生の私はあっさり丸め込められましたが、よく考えるとこの事件の意味ってよく理解できていません。

* なぜ蘇我入鹿を殺害することにより、旧体制が滅ぼされるのか
* 中大兄王子は事件後になぜ即位せず、孝徳天皇が即位するのか

一つ目の疑問は、こんな感じの理解をしていました。この事件の前に、聖徳太子こと厩戸王子が登場しますが、その子孫は蘇我氏によって滅亡させられます。酷い話です。酷いことをした蘇我氏は報いを受けたというわけですな。

・・・でも、なんで中大兄王子が?中大兄王子は蘇我氏と姻戚関係にあり、むしろ蘇我氏滅亡により後ろ盾を失う方です。現に、この事件の後、中大兄王子の母であった皇極天皇は退位させられます。あれ?それでいいのか?力弱まっちゃったんじゃ・・・

二つ目の疑問も、だってかえって力が弱まっちゃったんだから、即位できませんわ。改革を行うんなら、自分が即位してやればいいはずです。だって、現天皇は母なんだし。でも、しません。しないのか、それとも・・・

入鹿殺害によって、得をしたのは誰?じゃあ、ホントはその人が黒幕で、「日本書紀」に書いてあることを信じちゃいけないんじゃないの?黒幕の正体は?その後、天智天皇になる中大兄王子の運命は?そして、「日本書紀」に嘘を書かせたのは誰?

うーん・・・、ミステリーです。面白い。後は読んでのお楽しみ。

この時代のことを知る文献というのは「日本書紀」しかなく、この本の主張も「日本書紀」の記述を元に「日本書紀」は嘘だと言おうとしてるので、論拠が薄弱な印象はどうしても否めません。それでも、十分に面白い。あくまで仮説、推論に過ぎませんが、「あれ、大化改新って、よくよく考えるとどういうことなんだろう?」とお思いのあなた!

一つ、読んでみて損はないですぜ。

ちなみに、私の古代史好きは梅原猛の「神々の流竄」に影響を受けてます。中学生ぐらいで読んで、すごく面白かった覚えがあります・・・が忘れました。もう一回読もうかな。

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