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うさんくさいベストセラー

国家の品格(藤原正彦著)」がとーっても気になる。

ここのところ、新書が怪しいと思います。新書というのは、私たちが何か専門外の知識を得ようとするときに、まず頼りにする入り口でした。

専門書は気軽に手に入らないし、敷居も高い。でも、新書なら。それ故、そうしばしば手に取る物でもないし、「楽しく読めました」というものでもない。もちろん、知識を得ること自体の喜びはありますけど、エンターテイメントまで下りてきているものではない。だから、タイトルも「○○学入門」「○○とは何か」「○○史」というものが多い印象ですよね。あるいは専門家が、一般の読者に向けてあるメッセージを伝えるものという形式もあるかな。

気になりだしたのは、「バカの壁」がベストセラーになったときでした。あえて手を出してませんから中身を知りませんが、あれは非常に危険な兆候だったのではないかと思ってます。ただし、養老先生は医学者としてあれを書いていて、言説は基本的に生理学的な脳の機能へ還元されて論じられてる(と信じてる^^;;;;)ので、新書でもぎりぎりセーフじゃないかと思ってました。いや、たぶん中身はただのエッセイなんだろうなあと思いつつ。サイエンスエッセイとしてはグールドの「ダーウィン以来 」なんか私も大好きで、このシリーズはいくつかよんでいるんですが、「ダーウィン以来」が新書で出てたら、かなり違和感があるように思います。

で、今度はこれがベストセラーでしょ?数学者が「国家の品格」?お門違いも甚だしい。ばっかじゃないの?

そんなわけでものすごーく違和感を感じているんですが、私が感じてたことはものの見事に紀伊国屋書店の書評空間長谷川ーがずばっと書いていました。ああ、頭がいい人と同じことを考えてたと知ると、自分も賢くなったような錯覚を感じる。ただし、10倍ぐらい巧く表現されてるので、自分がアホなような気もする。アンビバレンツです(笑)

でも、ここのところの怪しい新書って、結局のところ、みんな新潮新書か。岩波新書や講談社新書は私の愛する新書の水準を守ってくれてるのかも知れない。ともかく、私はここに宣言します。

私は新潮新書の愛読者に偏見を持って接します!

あー、でもブリジストンの浜島リーダーの「世界最速のF1タイヤ―ブリヂストン・エンジニアの闘い」は面白かったし、あれは新書のフォーマットが向いてる内容だったなあ。むぅ(笑)

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Comments

全く同感!
私も読んではいないけれど、なぜこんなに売れるの?と不思議に思ってました。

新潮新書については気が付かなかったけど、言われるとなるほどなと思ってちょっとHP見比べてみました。
「新潮新書・・・毒にも薬にもなるような、存在感のある新書を目指します。」ってありました。

別に刺激を得る為に新書を読むわけじゃないので、薬にだけなって欲しいけど、そういうつもりはないんですねえ。。。

新書でさえも自分で取捨選択しないといけない時代なんですね。がっかり。。。

Posted by: Marco | May 16, 2006 11:17 AM

ほそくー。私は数学者が「国家の品格」ってタイトルの本を書くこと自体は否定しません。どーぞ、ご自由に。ただ、新書はどうなのよと思うだけ。「この本が新書の品格を損なうことは、この本の主張と相容れない」と説く、長谷川さんの書評を是非読んでちょんだい。

別にこの本が、太田出版とか主婦の友社とか幻冬舎から出てたらなんの違和感もない・・・とか書くと、また、若干語弊がありますかね?(笑)

Posted by: Tambourine | May 16, 2006 07:47 PM

はじめまいて。俺も心底同意します。ネットで検索していても、「よかった」「ためになった」とか言う人ばかりなので、自分の感覚には自信はあったものの、ちょいと自信がぐらつきかけていたのですが、まぁ正常な感覚な人がまだいるというのがわかってうれしいです。

Posted by: hammer69_85 | August 23, 2006 07:50 PM

どもども。あれ以来、立ち読みでちらちらと眺めたりはしてますが、なんつーか、トンデモ本ですよねえ、これ。ただ、読んで爽快な気分を味わう人の気持ちは分からなくもない。エンターテーメントとしてなら、アリだと思います。ただ、それを

> 「よかった」「ためになった」とか言う

と受け取ってしまう人の貧しい感性には涙だよなー

Posted by: Tambourine | August 24, 2006 09:53 AM

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