ハイブリッド―新種/ロバート・J. ソウヤー
ネアンデルタール3部作の完結編。読む場合は、まず「ホミニッド-原人」と「ヒューマン -人類-」を。
あらすじ何かは、Amazonでもみてちょーだい。各巻にそれぞれSF的センス・オブ・ワンダーは満載なんだけど、やっぱりネアンデルタールの世界を通して書きたいものが何かを考えるべきなんだろうね。特に、この完結編の「ハイブリッド」では、最新の遺伝学のトピックを取り上げながら、人間の性の仕組みがもたらす世界への悪影響が語られます。つい、私たちは自分たちを進化の執着点だと考えちゃうけど、私たちは利己的な遺伝子が生み出したよくないものたちで、今、まさに滅びの道の途中なのかも知れなくて、ホモ・サピエンスは何を巻き添えにしながら滅んでいってるんでしょうなあ。この辺りは、ブライアン・サイクスの「アダムの呪い」(これはノンフィクションね。念のため)なんかが参考になるかもしんまい
ま、それはともかくとして、この小説の最後のオチはちょっとユニーク。キリスト教徒じゃなく、特定の宗教にたいして強い信仰心のない日本人にしてみれば、なんとなくネアンデルタール側から見えるかもね。
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