initial イニシャル "岩井俊二初期作品集"
岩井俊二監督が初期に作っていた単発TVドラマを集めたDVDです
「岩井美学」っていう言葉があります。内容に関わらず、映像を見て「あ、これはもしかして岩井俊二かも」ってわかるんですよね。こういう映画監督というのは非常に希少だと思います。
で、岩井俊二と言えば、この映像美の部分ばっかり評価されてるきらいもありますけど、スクリプトの優秀さってのもあります。それも、こういう30分モノによく現れてる気がします。アイデアのまとめ方のバランスがいいんですよね。
見たらホントにやすーく作られてるんですけど、それでもやっぱり面白い。素晴らしいですなあ。
さて、ちょっと思い出話でも。
私が一番好きな映画は、岩井監督の最初の長編映画の「Love Letter」。でも、なんと岩井監督はこの映画を公開する前に、すでに日本映画監督協会新人賞を受賞してます。受賞作は、この作品集に入っているものと同じように、単発TVドラマで「世にも奇妙な物語」の後番組、「if もしも」の1作として放映された「打ち上げ花火、下からみるか?横から見るか?」
はっきり言って、この番組の枠で放送された他の作品は、出来損ないミステリーのようなしょーもない番組ばっかりだったと思うんですけど、「打ち上げ花火~」は唖然とするぐらい美しくて、かつ胸に響く物語で、夕方の再放送でたまたま見て、茫然とした覚えがあります。
で、しばらくして雑誌で「Love Letter」の紹介記事で、そのドラマが映画じゃないのに映画の新人賞を取っちゃった事を知って、すぐに当時お気に入りだった女の子(このちゃん、元気?^^;;;)を誘って、「Love Letter」を見に行きました。今はもうなくなっちゃった扇町ミュージアムスクエアでした。大きな映画館での公開はもう終わってたのか、そもそもなかったのか(笑)、扇町ミュージアムスクエアはホントにちっちゃなちっちゃな劇場で、なのに、ものすごい人で立ち見で見たのを覚えてます。いままで、立ち見で映画を観たのはその時だけですよ。なんてヒドいデートなんでしょう(笑)
その後も、「PiCNiC」や「undo」はちっちゃな劇場で見ました。私のマイナー邦画好きの原点は、この辺にあるんだろうなと思います。
もし、岩井俊二に興味を持ったんなら、最初は「スワロウテイル」や「リリィ・シュシュ」じゃなくて、「打ち上げ花火~」や「PiCNiC」なんかがいいんじゃないかと思いますよ。あ、「Love Letter」でもいいですが、デザートは最後に取っておいたほうが(笑)
あ、ちなみに今は「韓流」なんていって韓国映画がブームになってますが、「Love Letter」って映画は、実は日本より韓国でブームになって、韓国人観光客が小樽にやってきては
って叫んで帰るなんてこともあったらしいですよ(笑)
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