誰も知らない
9月4日に新宿のタカシマヤタイムズスクエアで見てきました。結構な混雑ぶりですべての回が満席。整理券制なのでギリギリに行っても見られません。私は11時に15:30の回の整理券を取りに行きました。そこまでしなくても見られます(笑)
上は公式サイトの画像のリンクです。訴えちゃいや(>_<)
で、凄い映画でしたよ。見てよかったかと問われれば間違いなく「見てよかった」と応えますが、手放しには「オススメ!」とは言えません。誰にでも薦められる映画じゃないです。
注意点としては
- 起承転結はありません。ぎりぎりで物語を成立させるための伏線や脇役たちもいますけど、起きた事件は解決しません
- 見た後、テンション落ちます。落ち込みます。あまりの不幸ぶりにアテられます。一緒に行った友達は「お昼のソバがのびてたことに文句を言ってた自分を反省した」と言いました。いや、まあ、のびたソバは悪ですが(^^;、そんな気持ちになります
というわけで、デートで行ってはいけません。少なくとも口説いてる最中はダメ。わかってんのか、俺(笑)
どんな話かは、公式サイトを見てもらうとして、こんなことが現実にあったのかと思うと、辛くて胸が軋みます。でも、登場人物たちは割と坦々と受け止めるんですよね。
印象的なシーンをいくつか
[オープニングからしばらくの、幸せな様子]
みんな父親が違う兄弟4人と母親の家族。子供は誰も学校にも行けず、対外的には存在すらしていないので、家から一歩も出られない。普通に考えて、この時点で既に不幸な状況。そんな中でも、5人が暮らしている様は、あくまで幸せのように見える。母親も、かなりダメな大人だけど、でも、この時点ではダメなりに子供たちを可愛がっていて、子供たちのことが好きなようにみえる。そして、自分勝手なんだけど、それでも幸せを求めようとする姿勢は、責める言葉も見つからない。そして、この時点で彼らが幸せであることが不幸のはじまりでもある。
[長男 明が母親に棄てられたことを悟る]
「好きなひとができた。今度の人は、私(たち)を受け入れてくれるかもしれない」と出ていったきり戻らない母親に連絡を取ると、母親は自分と違う名字を名乗って電話に出る。その瞬間、母親は妥協の結果、幸せを受け入れたことを悟る。その妥協とは自分たちを棄てること。または、母親の弱さがそうさせたのかもしれない。身勝手な母親を愛するあまり、無言でそっと電話を置く明。心に突き刺さるシーン。
[飛行場へ]
ここは、詳細は語るまい。もう、このあたりでは観客は辛くて辛くてしょうがないんだけど、このシーンで辛さはクライマックスへ。トラウマになりそうな辛さ・・・まさに絶句。そして、また映像が美しいんだな。でも、ここまできても、明は失われたあの日の幸せをなんとか維持しようと、それだけを考える。自分だけなら逃げ出せるのに、そうしない明を強いと見るのかどうなのか、考えてしまう。
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