お高めハイレゾウォークマンNW-ZX300を買った

数年前からですかね、ハイレゾって言葉を良く聞くようになったのは。

いやー、よくわからんと言う人、多いと思うんですよ。私も概要はわかるんですよ。CDの44.1kHz+16bitは必要十分な性能だとは思うものの、所詮は30年近くに決めた妥協の産物です。1GBも入らないフォーマットになんとか1時間チョイ納めるためのフォーマットなわけで、今なら原理的にもっとサンプリングレートの高いフォーマットでやりとりできるんだし、そもそももう音楽はダウンロード販売が当たり前なんだから物理メディアに制限される必要もないし。

とはいうものの、CDという物理メディアを一端離れてしまうと、容易にフォーマットはとっちらかってしまうわけです。基本的にはPCがあればソフトウェアとしてはどんなフォーマットだとしてもプログラムを配布してしまえばなんだっていいんですが、PCをオーディオの中心へ持っていこうという試みは結局上手く行かず。圧縮フォーマットもいろいろ、ハイレゾフォーマットもいろいろ。それらをいい音で聞こうとすれはバッドノウハウの山。ちょっと手を出しづらい。

一方、iPodにこっぴどくやられたSonyはウォークマンという存在をどうしたらいいのか迷いに迷っていたわけですが、ここに来てやっとこ役割を取り戻したようです。逆にiPodを止めてしまったAppleはオーディオの道からは離脱してしまった様子。手のひらに収まるオーディオから現在考えら得る最高の音を出そうとする意思はなく、道楽者はウォークマンの取り組みに徐々に戻ってきているようです。

オーディオというのは、どこまでも究道と道楽、科学とオカルトの狭間を漂うジャンルなわけで、あんまり深入りはしたくないものですがそこで何がおきているのかというのには興味があります。で、あんまり苦労せずに、ちょいと楽しんでみられるレベルの道楽者にとって、NW-ZX300はやっと帰ってきてくれた俺たちのSonyって感じが、私にはしました。

ダッサいスマホとポタアンをゴムで巻いて自分でケーブルを付け替えたイヤホンを挿してというのもたぶん楽しいんですけど、プレイヤーからポタアンに匹敵するパワーを出し3.5mmに変わる新しいヘッドホン規格の4.4mmバランス駆動を備え、現状考えられそうなあらゆるフォーマットに対応して、ハイレゾはハイレゾ、圧縮音源は疑似的に叩き上げて力一杯鳴らして手に収まるサイズで数万円。レビューもすこぶる高評価。今やiTunesのライブラリに大量の音源があるので、もうAppleと縁を切ることはできないんですけども、カセットテープ、DAT、NetMDと時代時代でヘンテコなウォークマンを買っては楽しく聞いていたオーディオマニアが久しぶりにウォークマンを手に取るには十分な理由です。

いや、これがAppleから出てくれたらライブラリ管理的にはそのほうが嬉しいんだけどさ(笑)

そんなわけで、久しぶりに「これ欲しい!」と思っていろいろ調べました。バランス駆動のヘッドホンって何よとか、ハイレゾのフォーマットってどうなっているのよとか。買うつもりで調べないと、やっぱ自分の頭には入ってこないしね。いやー、楽しかった。こんなことになっているのか。

ちなみに技術的な議論はとっても好きな私ですが、音にこだわりがあるかっていうと全くありません。DATウォークマンを持っていたのも、「オールナイトニッポン」の放送2時間をエアチェックするのに便利だったからです。なので、音質は一番下げて使ってましたし、NetMDもそれこそ「圧縮音源を詰め込める」ので良かったわけ。だから、シリコンプレーヤー(って言い方ももうしないですねー)が出て、持ってる全ての楽曲がネット越しにいつでも聴ける環境は夢のようです。本だって、自分の本棚の本をいつでも取り出せる環境ですからね。自炊した本を全部OneDrive上に置いてますから。凄いよねぇ。うん、なんで買ったんだろうね、こんな高い機械。いいんすよ。道楽なんだから。

というわけで、技術の現在の到達点として、数万円でちょっと飛び抜けた到達点まできた記念碑としてのZX300は欲しいわけですが、音質は全然どーでも良い(笑)。聴きたい音源があるわけでもないし。まあ、あれですよ。高いカメラ買って押し入れって奴です(謎)。満足、満足。

そうはいっても、ZX300を買って、ほぼ正解といえるレベルでイージーにハイレゾ音源を試してみることが出来るようになったわけで、試してはみるべきでしょう。ハイレゾはホントにいい音なのか。というか、聞き分けられるのか。れっつチャレンジ。

結論。私にはまったくわからん(笑)

まずは、e-onkyoで往年の名盤、私の青春の一枚であるポール・マッカートニーの「Flowers in the Dirt」を購入。こいつは90年代のCD前提になったころの作品で、かつ2017年にリマスターされているのでちょうどいいでしょう。これをSONYのBluetoothのNCハイレゾヘッドホンMDR-100ABNで試聴。それとiPhoneでAppleMusicにあるAAC256kHzと同じヘッドホンで比較してみます。

おんなじです。

良い悪いがわからないというレベルじゃなく、おんなし。私にはまったく区別つきません。しかしまあ、このテストはMDR-100ABNがBluetoothのコーデック、LDACとAACをどう音にするかっていうテストになっちゃいかねないんで、やっていることが微妙ではあります。しかし、iPhoneとMDR-100ABNで聞いたらいい音だなあ。普段、AirPodsで聞いてるからその差がな(笑)

さて、ハードは揃えて音源の差を観てみましょう。ヘッドホンは、茶楽音人のCo-Donguriと、ソニーのMDR-1AM2。どちらもバランス端子で接続しました。

MQA-CDという普通のCDフォーマットに凄い仕掛け(よくわからん)でハイレゾ音源を突っ込んでしまう規格がありまして、それのお試し用ということで、おんなじ音源をMQA-CDと普通のCDで並べたサンプルCDというのがあります。その名も「これがハイレゾCDだ! クラシックで聴き比べる体験サンプラー」。力強いタイトルです。

これなら完全に音源の差が聞けるはず。それぞれをリッピングして、聞き比べます。

うん、わからん。同じですわ。

正直に言うと、ホルストの「木星」はなんとなく違う気がしました。もの凄く音が速く動くのでその部分の音の粒子感に差が感じられます。でもまあ、すっごい微妙。逆にベートーベンの「運命」の冒頭みたいにゆっくりユニゾンしてるとまったくわからん。

というかですね、原理的に言えば40過ぎたおっさんにはぜったいわからない領域の変化ですわね。AAC最高っすね(笑)

というわけで、完全に私にはオーバースペックな感じですが、でも「この曲は可能な限りのベストで聞きたい」という要求に応えるプレイヤーが手元になかったのも確かなんで、満足してます。ただねー、iTunesからプレイリストをコピーしたりするのがすげー面倒なんだよねー。ま、基本的には自宅でゆっくり聴きたい用途かな。カナルイヤホンを耳に挿して歩くのは危険だし、なんせ6万円だからね。落としたりしたら目も当てられないよ・・・

<追記>

プロジェクトの後輩に試してみてもらったところ、3年目の女の子は「なんか生き生きした感じになりますね」とのこと。若い子はちゃんとわかるんですね。もう一人30代前半の兄ちゃんにも聴いてもらいましたが「全然違うじゃないですか」と言っております。でも、こいつはホントのことを言っているのか疑わしい(笑)


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模型制作に卓上掃除機が便利!

最近の模型用の工具やマテリアルはすごいですな。私の子供の頃はホームセンターなんかが宝の山で、いろいろな工具を「これは模型制作に使えるんじゃないか?」と思って探していました。ニッパと接着剤はプラモデル製作の象徴とも言える工具とマテリアルなので早い段階から専用のものがでていましたが、デザインナイフ、目立てヤスリ、瞬間接着剤、ドリルとピンバイス、プラパイプや木工パテなど、模型専門ではないものの中から「定番」のものが出来ていったものでした。

ところが、時代は流れました。この「知らないと損する工具選び」というモデルグラフィックスでお馴染み大日本絵画さんの工具の紹介本では、ほとんどの工具やマテリアルが模型専門のメーカー、例えば田宮、長谷川、ウェーブ、GSIクレオスなどから販売されています。すごい時代になったもんだなあ。

いろいろと気になる工具やマテリアルがたくさん載っていて、この本はとても楽しいです。言うなれば、模型が趣味の人にとっての工具の話ってのは、釣り好きの仕掛け談義みたいなものですから、これはもう楽しくないはずはないのです。

で、ですね。そんな知恵と工夫が凝らされまくった模型専用工具の数々の中に、卓上掃除機が取り上げられてました。曰く、「模型制作とは、これすなわち"粉を作り出す"作業なのだ」。言い得て妙ですな。昔は学習机の手前の引き出しをゴミ箱にして(これも模型誌で学んだやり方だった気がする)、切りくずなどは手前にさっと払って引き出しへ捨ててましたが、今の机は引き出しなんかありません。

パーツから除去したゲート(ランナーとパーツのつなぎの部分・・・って、ゲートがわからないひとはランナーもわからないよな)は直径2mmぐらいのプラスチックの粒として机に上にたまるわけですが、それを指でつまんでは箱に集めてまとめて捨てるんですが、こぼしたり、ひっくり返したりで床に蒔かれてしまうこともままあり。

そこでこの卓上掃除機。手のひらにすっぽり入るぐらいのコンパクトさで切りくずがでたら上からさっと吸い取ります。ああ、快適。これいいわ。プラモの組み立ての必須工具といえば、ニッパに紙やすりの2つだけですが、これを入れてもいいぐらいです。これは気がつかなかったなあ。というわけで、おすすめです。誰にだ?

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便座を交換した

自宅の便座を壊しました。

ちょっと体重がね・・・増えすぎたね。

便座というものは、便器にボルト2本で固定されているものなのですが、そのうちの1本が根元からポキッと折れました。まあ、よく知りませんけど築20年近くの賃貸マンションですから、その程度の故障は普通に起こりうることです。うん、しょうがない。しょうがないよ、うん。

で、イマドキは便利なもので交換方法もググれば普通に出てきます。便座というものはユニバーサルな規格で、ボルトの間隔は統一されていて、便座のサイズが普通のと大きいのと2種類ある程度のものらしいです。最近は温水洗浄便座が一般化したことにより、ホームセンターなどではなく電気屋で普通に買えるし・・・というか、Amazonでいくらでも売ってます。普通の便座を買っても5,000円ぐらいするみたいですが、温水洗浄便座も安いものは15,000円程度で買えるみたい。壊しちゃった便座は捨てるしかないわけで、となると引っ越すときに持って行くわけにもいきませんから、そんな高い便座をつけるのももったいないですけど、15,000円ならまあいいかなって感じですよね。

というわけで、適当に買いました。お客様として担当したことがあるという縁で、ウォシュレットなTOTOではなくINAXをチョイス。いやー、仕事でINAXのトイレのカタログは読み込みました。当時のカタログには100万円の有田焼の手洗い鉢とかあったんですよ、受注生産で。飲食店向けとかなんですかねぇ。

便座の取り付けはボルト2本なので特に難しいことはないんですけど、洗浄便座は水を引き回さないとダメなわけで、タンクへのパイプを外して分岐を入れ、タンクへフレキでつなぎ直さなければなりません。難しくはないですけど、水回りの作業は気を遣います。留守中に水が漏れたら大惨事です。なので、土曜日の午前中に始めて、週末様子を見ました。とりあえず大丈夫そうなので一安心。

やっぱりお尻を洗ってもらえるのは良いものですな。ついでに掃除も出来てトイレも綺麗になったし、よい気分です。

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低温調理器を買ってみた

家電Watchの記事を読んだんですよ。

料理好きのテンションが上がる! 本当に美味しく仕上がる、魔法のような「真空低温調理器」にベタ惚れ!(家電watch)

で、触発されてしまいまして。だって美味しそうなんだもの。

でも、高い!

5万円超えだよ。それにそんなにローストビーフなんて作んねぇよ。肉じゃがの方が好きだよ。でも買った! なぜなら面白そうだから。

我が家にはこういう動機で買ったいろんなものが場所取ってて困ってるんですけど (ヌードルメーカー、使ってないな・・・)、しょうがないよね。うん。

というわけで、さっそく届いた低温調理器。開封して、ひとしきり眺めた後、肉を買いにちょっと離れた大きなスーパーまで。牛肩ロース塊。でかい。1600円。うち何人家族だよ。でも買った! なぜならこれぐらいでかくないと面白くないから。

こういう方針で生きてると、いろいろ良くないこともあるんですよ。知ってます。しょうがないよね。うん。

帰宅後、おもむろに肉に塩とこしょうをすり込み、付属のシーラーで真空パックにし(なぜかこれだけで旨そうに見える。お土産物感が出たw)、いざ調理開始・・・しようと思ったら、うちには適合する鍋がなかった。

記事を見てもらえばわかるんですけど、このでっかい水筒みたいなアルミの部分を鍋に差し込んで、下1cmは余裕がなくちゃダメなんですね。取説には20cm必要って書いてあるんですけど、なんとなくうちにあるフィスラーの圧力鍋なら大丈夫かなーと思ってたんです。ダメでした。寸胴がないとダメと思ってもらっていいです。しかし、肉はもうパックしちゃったし、気持ち的に我慢できないし。しゃーない、もう一度大きなスーパーに自転車を走らすぞ。暑いぞ。ちくしょー。

しかし、寸胴ってそんな売ってないのね。今時の4人家族ぐらいの家庭でそんなの必要ないもんね。うーん・・・米びつとか、麦茶入れるみたいなポットとかならあるけど、大きさやら耐熱やらに疑問が・・・。あ、これはいけそう・・・うーん、高いぞ。でも買った!

現品限りで安くはなっていたけどやっぱり高いパスタ鍋(・・・てこれ、よく見たらヘンケルスじゃん。そら高いわ)を5000円でご購入する私。ローストビーフを食べるためになんだかすごく散在しているけど大丈夫なのか。恵比寿のロウリーズまで食べに行った方がだいぶ安いんじゃないのか。まあ、いいか。面白そうだし。

疑問を振り払いながら5000円の鍋を担いで帰宅。本体と鍋を合体し、水を注いでスイッチオン。細身の鍋ということもあってみるみる水温があがります。ローストビーフだと58℃に設定するんですが、ものの10分もかからずに適温へ。良い鍋だけあって(?)、鍋は熱々だけど取っ手は熱くならなくて偉いぞ。

温度が設定温度になったらアラームが鳴るので、肉をぼちゃっと漬けて50分。引き上げてフライパンで焼き目をつけて、ちょっと休ませ・・・た方が本当はいいんですけど、お腹がすいたからすぐに切っちゃう。どばーっとあふれる肉汁。断面は美しいピンク色。こ、これは旨いに決まってるでしょう。赤ワインが必要でしょう。セコイア開けちゃえ・・・やばいぞ。一体このローストビーフはいくらになっているんだ。まあいいか。面白かったし!

というわけで驚異の散在マシーンは散財欲と食欲とガジェット欲と知的好奇心を満たし、それと引き換えに財布から諭吉を何人も拉致していったわけですが、ちょっとしか後悔していないよ。まあ、とにかく美味しかったです。

他には何が作れるのか良くわからないんですけど、とりあえず新たに買った鍋の本来の用途はパスタをゆでることなので、今度はパスタを作ろうと思います(笑)。同じ失敗をする方が多いのか、Amazonには鍋とセット販売があるので、リンクはそれを張っときますね。

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ワイルドなワイルドカード処理

週末、仕事上の知人と酒を飲みました。プログラマの鉄板ネタとして「最近見たヒドいコード」という話題がありますが、そういえばとそこで話したネタをここにも書いておきます。

よくある社内業務のWebアプリを思い浮かべてください。自分が処理する事案を検索するために、例えば案件番号を入力できるとしましょう。そして、案件番号にはワイルドカードが使えるとします。例えば、「ABC*」と入力すると「ABCA90」と「ABCD70」が表示されるけど、「ABEF30」は表示されないとか、そういう奴です。よくありますよね。

で、この画面がすごく遅い。別段他に難しい処理をしているわけではなく、ワイルドカードを指定すると遅い。ちゃんとワイルドカード処理をすると結構大変なので、前方一致だけ(つまり、案件番号の先頭が何かということしかワイルドカードで指定できない)でいいよという話だったんですが、もしかしていろいろとやっちゃってるんでしょうか。

担当者に聞いてみると、「いや、タンバリンさん、いろいろとか無理です。前方一致で精一杯」という回答。えー?

前方一致の処理は単純です。入力された文字列をS1、比較対象の文字列をS2とすると

  1. S1の末端から「*」を取り除く
  2. S1の1文字目とS2の1文字目を比較する
  3. S2の2文字目とS3の2文字目を比較する。これをS1の最後の文字まで繰り返す

JavaだとstartsWith()というようなメソッドがありますから、1文字ずつ比較する必要すらないです。んー、何がそんなに難しいのか。

というわけで、コードの中を見てびっくり。こんな処理になっていました。

  1. 文字列の集合SGを用意する
  2. SGに「*」を加える
  3. S2の1文字目と「*」を連結してできた文字列をSGに加える
  4. S2の1文字目と2文字目と「*」を連結してできた文字列をSGに加える。これをS2の最後の文字まで繰り返す
  5. S1がSGに含まれるかチェックする

斬新です。そしてワイルドです。そして確かに前方一致だけじゃなかったらすごく難しそう。「『ABCDE』にマッチするワイルドカードの集合」を取得する・・・?えーっと、そもそも、その集合って有限かな。「*」が連続してはいけないというルールがあれば、有限になるか。うーん・・・

驚きに満ちた職場からお伝えしました。現場からは以上です。

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表現を圧しようとするものを、私は許さない

また、大変に残念な動きが出ております。

ヤフーの若いエンジニアが、ジェンダーについてセンシティブな話題を扱いそこねたとして怒られています。

「女性エンジニア少ない問題」を解決するために、機械学習で男性エンジニアを女性に変換する

まず、断言しておきますが、彼の講演にはまったく問題になるところはありません。単に、周囲の読解力に問題があるだけです。その詳細についてはtwitterに連投しちゃったのでここでは割愛します。気になるなら下の発言以降のツイートを見てくんさい。

ここで言っておきたいのは、twitterなどの公の場で、こういう発言をしてはいけないという2つの点についてです。彼の講演自体ではなく、彼についての批判で目に余るものがあったためです。

まず、1つ目。常識的なことを言いますよ。

あなたが、あるいは誰かが不快になるからという理由だけで、誰かを罰しようとしてはいけません。

不快な発言と問題ある発言は違います。多くの問題のある発言は不快でもあるので、ごっちゃにしてしまううっかりな人が多いようです。また、企業や政治家が「誰かを不快にしたり、傷つけてしまったのなら謝罪したい」ということをいうので、不快にしたり感情的に傷つけたりすることが罪であるような捉え方をしているおっちょこちょいな人もいるようです。

しかし、ある特定の個人・団体・集団に対する侮辱や、差別的な発言のような明らかな問題のある発言と、下品で不愉快な言動は区別されるべきです。どちらを批判することも、不快感を表明することも、それはもちろんかまいません。

しかし、発言を封じようとしたり、刑事的や社会的な罰を与えようとしたり、発言者の正当な権利を侵害しようとしたり、それを希望するようなことを言ってはいけません。それでは、その発言の方が問題のある発言です。それは言論の自由や、思想・信条の自由という基本的人権を奪うことだからです。

今回の例で言えば、彼から今後の講演の機会を奪おうとしたり、彼を失職させようとするような発言は、断固として許されるべきではありません。そのような発言をしたものは、深く反省して欲しいと思います。もちろん、「そんな奴はtwitterを止めろ」なんていいませんけどね。

2つ目。小学生に言うようなことを言いますよ。

誰かの言動のちょっとした齟齬や不整合をあげつらったり、悪意や思い込みを持って意図を曲げて批判したりしてはいけません。

要するに、よく知りもしない他人の言動なんだから思いっきり「良く解釈して」あげるべきです。あげ足を取ったり、推測で批判したり、議論の中心ではないことで全体を評価したりしてはいけません。

今回のことで言えば、例えば「女性エンジニアは男性エンジニアのやる気を出すためにいるんじゃねーよ」という批判ですが、彼はそんなこと言ってません。「いや、こういう論旨の組み立てなんだからそういうことになるだろう」と言われるかもしれませんが、それはあなたの読解力の問題、あるいはユーモアというものの仕組みを理解していない故の誤解です。

そもそも、言ってもないことを批判してはいけません。彼は、「女性エンジニアがいると、男性エンジニアはやる気が出る」と言っているだけです。男性エンジニア全員かと言われればそうではないでしょうが、少なくとも男性エンジニアである彼のやる気はでるのでしょう(ちなみに私もでます)から、この文章は事実です(もちろん、一人の判例をもって逆の文を事実と認めることもできます。論理的に不完全な文だからしょうがない)。「女性エンジニアがいないと、やる気がでない」とも言っていますが、これは「女性エンジニアがいないと、(いる場合に比べて)やる気がでない」と言っているとすれば、これは最初の事実から論理的に導かれることに過ぎません。

これを「女性エンジニアがいないと、やる気が出ない(から、女性エンジニアは男性エンジニアのやる気を出すように振る舞うべきだ)」とか、「女性エンジニアがいないと、やる気がでない(から、女性エンジニアはその目的のために必要だ)」とか解釈するのは、無理のある推論とまでは言いませんが、あくまで推論です。仮にそう思ったとしても、「まあ、彼のことをよく知っているわけでもないし、そういう意図じゃなかったかもしれないし」と思うのが正しい大人です。彼自身や、周囲の同僚が「そういう風に解釈する人もいるかもしれないよ」と言ってあげるのは良いことですが、そうじゃない人がこの点について批判するのは不適当です。それは完全にマナー違反です。

ただし、個人的な解釈によって不快に感じた人が不快感をフィードバックすることは良いことだと思います。「そういう言い方をされると、ちっとイラっとするな」というリアクションはアリです。ただし、それだってこの彼をできるだけ傷つけないように行われるべきです。だって、そうでしょう。彼によって傷つけられた人が、なぜ彼を傷つけるようなリアクションを返すのか。「講演の記事を読みました。難しくてちゃんとは理解できなかったのですが、そんなことができるのかと感銘を受けました。ただ、・・・」と礼儀正しく伝えるべきです。礼を失してると感じられた、プライドを傷つけられたと思った人が、相手に対して礼を失したアクションをとったら台無しです。これもごっちゃにする人がいるのですが、感想であっても感情のままにぶつけてはいけないのです。「個人の感想」と「感情的な反応」は別です。

まとめます。まず、問題のある発言(事実でない・特定の個人を侮辱している・差別的な内容を含む)ではないものを断罪してはいけません。批評・批判することはかまいません。ただし、発言した内容ではないこと、例えば拡大解釈や推論を論拠に批評・批判してはいけません。そして、いかなる場合にも個人の感想を表明することは自由ですが、相手に伝えるのであればマナーを守るべきだし、twitterのような公共の場では、それは相手に伝わるのだという前提に立つべきです。

最後に。なぜこんなことを書いているかと言えば、表現者の抱える負担を下げることが、結果的に社会を良くすると思っているからです。このように脇が甘いだけで本質的に一切の問題がない表現が世の中にでないようにすることを私は望みません。誰しもが発信できる時代だからこそ、我々は発信においては慎重でなくてはならないし、受け取るときには寛容でなくてはなりません。発信できる情報を持っている人は、どんどん発信しましょう。それがIT革命の素晴らしい点です。その際に、いささかのユーモアを含ませることは、とても素晴らしいことです。ユーモアは本質的に他者を傷つける表現と無縁ではあり得ませんが、それを上手に送ったり受け取ったりできてこその大人です。

そして、このように問題のない表現の細かな点をつついて萎縮させることにより、そもそも批評や批判を相手にしないような厚顔の輩の発言だけが世の中に出回り、世にフェイクニュースが蔓延り、世の中が少しずつ悪くなっていく。そのような動きを私は望みません。この世が自由と寛容と礼節の行き届いた良い世界になっていくことを望みます。長寿と繁栄を。

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Oculus Go

アーリーアダプター層には一通り行き渡った感があるOculus Go。私も買いました。

本家サイトしか買えない状態で「なんだよー、Amazonから買わせてくれよー」って思いましたが、英語で(というか、ローマ字で)住所を入れなきゃいけない以外はとても簡単。支払いもPayPalが使えるので、クレジットカード情報とか入れる必要ありません。オーダーして1週間もかからずに届いて、こりゃ素晴らしい。さすがっすね。

Oculus Goはざっくり言えば、VR用ヘッドセットにスマホを内蔵したものです。今までのVRヘッドセットは、プレイステーション4やパソコンに接続して、それらの機器で作った映像を観る機械でした。Oculus Goでは映像を作る機械もヘッドセットに入れてしまったので、ヘッドセットにケーブルを全く挿さなくても映像が見られます。素晴らしい。

で、何ができるのかですが、各レビューサイトを見てもらえば分かる通り、一番の売りが「寝っ転がってNetflixが見られる」なので、あんまり大したことはできません。うん。

とは言うものの、それ以前のVRヘッドセットは使うまでの準備があまりにも大変でした。PSVRも持ってますけど、流石にNetflixを観るためにPSVRを使おうとは思いません。言ってみれば、テレビに繋ぎっぱなしのゲーム機と、押し入れにしまい込まれているゲーム機ぐらいの差があります。これだとスポっとかぶるだけなので、毎日でも使うかも・・・。いや、常時スキューバダイビングするときのゴーグルつけるぐらいの違和感はあるので、暑くなってきたら辛いかもだけども。

なんだよ、そんなのNetflix観るだけならテレビでもパソコンでもスマホでもなんだっていいだろって思いますよね。違うんすよ。ソファーにリクライニングした状態で見られるんですよ。プラネタリウムを見に行ったと考えてください。あれって天井のドームに映像を写すのでおもいっきりリクライニングした状態で映像を観るじゃないですか。あの姿勢で映画見られるんですよ。これね、家でやろうと思ったらけっこう大変ですよ。当たり前だけど、テレビは水平位置にしか置かないから。

さて、ただのヘッドマウントディスプレイ(HMD)としてかなり使い勝手のいいOculus Goですが、せっかくなのでVRもちょっとだけ試してみました。ゲームはPSVRでやるからいいとして、OculusっぽいのはFacebook 360です。Facebookに上げられたVR動画や360°写真を見られるもので、海外のニュースサイトなどはかなり360°カメラを持っていっているみたいで、いろいろとあります。その中にF1の公式が上げている動画があって、今どきはF1マシンのノーズの上に360°カメラを載せていることがあるみたいです。

これはかなり楽しくて、前を見ていると視界いっぱいに広がるオンボード映像で、それはそれでかなり楽しいんですけど、後ろを振り向くとドライバーのヘルメット(と、その上にHALO)が見えます。おおぅ、これはセンセーショナル。クラッシュした瞬間なんかだと、どこにどうあたったのかが、はっきりとわかります。当のドライバーより。スペインのグロージャンと、モナコのルクレールのクラッシュが上がってます。F1ファンはこれを観るために2万円ちょい払ってOculus Goを買うのは、アリです。まあ、グロージャンのスピンは周りがタイヤスモークでまっちろなのでなんもわからんのですが、むしろわからないからすごーく怖いです(笑)。あと、VRは関係ないですけど、おんなじようにF1が提供している動画として、リアルタイムでドライバーズパレードのトレーラー上でのインタビューとか出てました。なんだよ、こんなところで見られるのか。英語わかんないけど。

他にも結構いろんなものがありますが、「その場にいる感じ」とか「決定的瞬間をいろんな角度から」みたいなのは総じて楽しいです。飛行機のアクロバット飛行とかずーっと見ちゃう感じです。逆にストーリーがあるものは難しいわけで、スターウォーズの外伝映画「ソロ」のプロモーションVR動画があって、それはランド・カルリシアンとハン・ソロがサバック(でいいんだっけ?要するに賭け事の一種です)をやっているシーンで、テーブルの真ん中にカメラがあるので、前を向くとランド、振り向くとハン・ソロが座っていて、私ごしに会話していると。落ち着かんわ(笑)。

あとは、VRチャットが評判いいみたいですが、これは友達がいないとできないので試してません。でも、VRチャットはちょっち怖いっすな。

いや、どういう意味かって言うとですね、当然、試してみるわけじゃないですか。アレですよ、アレ。dmmの肌色が多いやつっすよ。で、もうなんつーか、すっごい近いのですっごいんですけど、むしろ思いっきり近づかれると生理的な拒否反応があるんですよ。要するに気持ち悪いの。おっぱいが近づいてくる分には最高なんですけど、顔が近づいてくるのはちょっと嫌。で、ですね。女優さんだとある意味完全に「エロい対象」として精神性を切り離していられるんで逆に平気なんですけど、これ、かなり抽象化したアバターだったとしても、中の人がいると感じられたらやばいですよ。バーチャル空間で物理的に接近されたら、心理的な動揺はかなりあると思います。でも、そこの意識の差ってたぶん共通認識ができるまではかなりバラバラだから、トラブルになるでしょうね。

ネット上の人間関係ってそれでなくても結構難しいものですけど、VRチャットはそれをまた大きく違う次元に持っていく感じがしますな。リアルの肉体的距離感から心理的距離感のフィードバックされる感情の整合性の問題であるとか、リアルのノンバーバル・コミュニケーションの文法のうち、VR空間で可能なものと不可能なものの選別があるために、それがリアルの文法へも影響してしまう問題(例えば、頷くとか首をかしげるとか、VR空間で意識的にさせるモーションをリアルでも自分の肉体に意識的にさせ始めることによる仕草とその文法の変化とか)であるとか、新しいいろんなことがありえる気がします。

で、Oculus Goだと、まあVRチャットのためだけにでも買えないこともない値段で、おそらくは気の合った仲間でVR空間で遊ぶのはかなり面白いでしょうから(ワールドカップの試合を一緒にみるだけで相当面白いと思います)、いろんな出来事が起きるんじゃないでしょうかね。ま、でも試してみないわけにはいかない気がするので、周りで誰か他に買ったらちょっと試させてもらうと思ってます。問題は私のFacebookがほぼ死にアカウントだってことなんだけども(笑)

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飛行機の中で映画を観る

2月の後半は福岡に出張していました。

福岡となると、さすがに飛行機での移動となります。自宅から羽田空港は混雑しまくりの電車に揺られての1時間。苦痛です。一方、福岡は地下鉄で10分で天神まで出られて、あとはバスでどこにでもGo。最高です。通勤ラッシュはないし、食い物は旨いし、球場は近いし、最高だな、福岡。

で、土日は家に帰っていたので、足かけ3週間。3往復したわけですが、今回、機上では映画を観ることにしました。

飛行機の中こそ、去年、広告のお姉さんが可愛いからという理由で買った赤いSonyのノイズキャンセルヘッドホンの出番。で、どうせずっとヘッドホンをしているのなら、動画を観ていればいいかなーと。普段、録画消化を優先してなかなか観られない見逃してた映画なんかを観る時間にしようと思ったわけ。Amazon PrimeとNetflixはどちらもダウンロードが可能なので、iPadにダウンロードしました。ちなみにiPhoneはヘッドホンジャックがないのでこの用途には使えないです。iPadぐらいのサイズがあれば、機内で観るには十分過ぎる大きさでした。ずっと手で持っているのが辛いぐらい。

こんなもの観ました。

  • 「グランプリ・ドライバー」(マクラーレン・ホンダのドキュメンタリー)
  • 「ゴースト・イン・ザ・シェル」(実写)
  • 「イミテーション・ゲーム」
  • 「帰ってきたヒトラー」
  • 「バイプレイヤーズ」
  • 「攻殻機動隊 arise」
  • 「GODZILLA 怪獣惑星」

マクラーレンのドキュメンタリについては、感想を書きました。

「ゴースト・イン・ザ・シェル」については、押井さんや神山さんの「攻殻」についてのリスペクトはあるんだな・・・というか、あのアニメのシーンをやりたいんだなってのはわかるんですが、それ以外に出てくるセットやガジェットがあまりにかっこ悪く、そして、テーマは原作の思索のはーるか下のレベルに留まっていて、こりゃだめだ感が凄い。褒めるところがない。あ、ビートたけしのしゃべりが批判されてましたけど、普通に聞き取れましたよ?少なくとも吹き替え版では。

「イミテーション・ゲーム」は、面白かった。カンバーバッチはハマってはいるんだけど、「シャーロック」や「スタートレック」で見せた役とあんまり変わらない印象です。IT業界にいるものとして、もちろんアラン・チューリングの名前は、「チューリング完全」や「チューリング・テスト」などの言葉とともによく耳にするので、ぜひとも観ておきたかった映画で、観てよかったと感じました。

「帰ってきたヒトラー」は、これはなかなか難しい作品。「ヒトラーが現代に飛ばされてきて、『過激なコメディアン』としてドイツ人にウケたり、ウケなかったりする」というネタなんですが、おそらくこの映画を撮っている様子をそのまま劇中に使ってるんですよね。なので、すごくメタな作品だし、ドキュメンタリーっぽくもある。例えば、「ヒトラーが現代のナチ党を受け継ぐと評している政治組織を訪問して、お前らはなっとらんと叱咤する」というシーンがあるんですが、たぶん出演しているのは本物なんですよ。で、ヒットラーの格好した役者に「なっとらん」とか怒られるんですが、まあ、向こうも苦笑するしかないですよね(笑)。で、基本的にはギャグなんだけど、ものすごく深いところを慎重に突っついてます。これ、ドイツ人にしかわからんだろうなというネタもすごく多いんだろうと思うんですが、観て損はないです。

「バイプレイヤーズ」は大杉漣さんを偲んで。1話みたらそうとう面白かったので、Milueと一緒に観たいと思います。

「バイプレイヤーズ」の1話のあと、「攻殻arise」を1話観ました。面白いけど、難しい(笑)。以前、一度観ているんですが、レベル上げしながらみたら全然わからなかったのでもう一度観ました。これも機会を作って最後までみたいです。

虚淵玄つながりで、「怪獣惑星」も観ました。こっちはなんか普通にSF。エクソダスなSF設定がすごく面白くて、アクションもすごくて、満足。しかし、最初から最後まで状況が絶望的過ぎて、逆に登場人物たちに共感できない。こんな状況で「ゴジラやっつけよう」とか思うかな?

というわけで、飛行機もたまに乗ると良いものだし、数年前だったらけっこうめんどくさかった機内での映画鑑賞もすごく楽になったことが実感できて、有意義でした。

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良いコードとは何かを伝える

ずっとインフラ系のSEとして活動してきたので、システム開発プロジェクトでコードを書く用になったのは、ここ5年ぐらいのことです。私がやるからには、テストを書かないなんてあり得ません。というか、別に私がどうのこうのというような話じゃなくて、テストは書くよね、普通。

とはいうものの、「プログラム開発経験あり」という触れ込みの開発者をパートナーから集めても、実際にテストを書いたことがあるという人は極々、まれ。となると、教えねばなりません。教える方法としては、コードレビューしかありません。もちろん、ガイドとかそういうものも書くんですけど、しょせんはあるモデルケースに過ぎません。実際のところは書いてきたコードを、「こういう時はこうするのだ」と添削して返さないと本当の意味では伝わりません。

いやね、じゃあ私はそういう教育を受けたのかっていうと、そうじゃないんだけども。単に好きだから雑誌やら書籍やらWebサイトやらで得た知識が、渾然一体となったものなわけで。でも、それをみんなに求めるわけにはいかんからね。

で、そんな活動を今のプロジェクトで半年ぐらいにわたって続けてきたわけです。「一度はタンバリンにコードを突き返された奴しかコミット権限をやらないからな」と言って(笑)。その結果、年末の評価で言われたのが、「レビューを明確な基準がなく、主観的にやっている」という指摘です。ちゃんと基準を明確にして仕事せいと。お前の好き・嫌いで決めてるんちゃうんかと。

わからんでもないけども、どうにも納得がいかん。コードレビューと聞くと、あたかも私が合否の判定をしてるみたいに受け取られているみたいなんですが、目的は教育なんですよ。実際にやってみてもらって、そして、自分もやってみせて、ほら違うでしょ。こっちがいいでしょ、とやらないと伝わらないからやっているだけで。そーゆーことじゃねーんだよなー、理解されてねーなー・・・と上司からの評価を得られずにふてくされる日々。

そんなとき、ajitofmというポットキャストの第17回を聞いていて、ほぼ日でやっていた濱口秀司さんの対談について触れられているのを聞いて、腑に落ちました。

この対談、私も読んでいたんですけど、中で出てくる図が本当に秀逸なんです。

どういう図なのかは、是非対談を読んで欲しいんですが、教育ではこの4象限のそれぞれを全て伝えなければならないと。で、どのプロジェクトでもTODOリストやチェックリストなどの「文書化できるWHAT」と実装ガイドや操作手順書のような「文書化できるHOW」については準備するし、作って展開することについて一生懸命考えるんだけど、スキルとカルチャーについてはもの凄く手薄か、あるいはまったく考えてないことが非常に多いのです。

その理由の大きい部分は、プロジェクトメンバーが基本的には一期一会で、時間のかかる教育はコストパフォーマンスが悪いということがあるんですが、それでも半年とか、1年とかの期間があるのならば上の図の右半分をどうメンバーに伝えていくかを考えなくちゃいけない。そして、それをやる方法の1つがコードレビューだということです。

システム開発の現場におけるスキルやカルチャーの重要性は、わかっている人はすごくわかっているんですが、取り上げられることがあまりないトピックではあります。わかっている人はわかっているので、例えばアジャイル開発宣言では「自己組織的なチーム」という言葉でそれを取り上げてますし、スクラムマスターはチームのカルチャーを醸成することに非常に腐心することになります。

となると、「コードレビューを明確な基準の下で行え」という指摘は、私のやろうとしていることとまったく相容れないことだってことです。だって、明確に文書化できないものを伝えることが目的なんだもん。やっていることは「良いコードとは何か」ということを、「私の価値基準」で伝えていることだからです。そりゃどんなコードが良いコードかってことを文書で書くことはできる(出来るから、その文書を通じて私が学べたわけだし)けれども、やったところでそれはもうあるし。要するに「リーダブルコード」ぐらい読んでからプロを名乗れよってことなんですけどね。

例えば、ある条件A(cond_a)とB(cond_b)があって、その組み合わせによって違う処理をするというコードを、チームメンバーがこう書いてきたりするわけです。

if(cond_a) {
    if(cond_b) {
        // AかつBのときの処理
    }else{
        //AだけどBじゃないときの処理
    }
} else if(cond_b) {
    // AじゃないけどBのときの処理
} else {
    // AでもBでもないときの処理
}

コードを書き慣れている人なら、気持ち悪いですよね。

if(cond_a) {
    if(cond_b) {
        // AかつBのときの処理
    }else{
        //AだけどBじゃないときの処理
    }
} else {
     if(cond_b) {
         // AじゃないけどBのときの処理
    } else {
        // AでもBでもないときの処理
    }
}

こうなっていて欲しい。ただ、条件Aや条件Bの性質によっては上のコードが自然な場合もなくはない。たぶん。これを「同じ条件はおなじインデントの位置で調べろ」とかいうルールにすることはおそらく間違っていて、もっとメタな視点からの指摘じゃないとダメなわけです。しかしまあ、上みたいなコードを書いてくる人に読みやすいコードを書くように指導することは、正直、どうやったらいいのかわからないんですけどね。読みづらいって思ってないかもしれないし。となると、「良いコード」を浴びせまくるしかないのかなと思うわけで、レビューしかないぞと。

どうやって、プログラマのスキルやカルチャーを育成するかはホント難しい話なんですが、これがないとどうにもならんので、評価はされないけどこういう活動を続けていくしかないと信じてます。

でも、評価されてないと続けらんないんだけどね。うむー。

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最近はいろいろと高い・・・という感覚

30歳手前ぐらいの若手から中堅に入りかけたぐらいの男の同僚と40もとうに過ぎた私で昼飯を食いに行って飯を食っている途中に「最近、いろいろと高いですよね、食い物とか」と言われまして。

物価の変動ってふと足を止めて考えてみないとよくわからないものだし、地方によっても差があります。しかし、およそ外食費を考えるとまったく高くなっている印象はありません。だいたい、ここ20年ぐらい、外でランチをとれば700円から1000円弱。確かに今の職場は高めについてると思いますが、東京日本橋界隈を標準と取って良いとも思えません。

安くですませようと思えばコンビニのお弁当やファーストフードもあります。コンビニ弁当なんてどんどん安くなって、どんどん美味しくなってるし、むかしはランチの後、喫茶店でコーヒーを飲んで300円とか400円とか払ってましたが、それより旨いコーヒーがコンビニで買えてしまう世の中です。

おそらく、ウチの会社の現地の本拠地がある場所だと、米国本社はもちろん、欧州のどの国でもたぶん外で1000円を下回る額でランチは取れないと思います。上海はご飯は安かったけど、猛烈にコーヒーが高かったしね。

という感覚なので、「えー?そうかなあ」というと、「絶対そうっすよ。マックとかめっちゃ高くなったじゃないですか。吉牛とかも」と。

いやいやいや、やっすいじゃん、マクドナルド。オレら子供のころは、お昼にマクドナルドで食べるって言ったら大喜びだったよ。ビックマック、普通に今より高かったし。吉野家も、「キン肉マン」見てどんな食い物なんだろうと夢膨らませてたころ、普通に400円ぐらいする食い物だったからなあ・・・。「いや、タンバさん、オレら学生の頃、ハンバーガーとか60円すよ。だから食ってたんすよ」

そうか、それがマクドナルドのイメージになっちゃってるのか・・・吉牛も300円以下のイメージがついちゃっているのね。価格を下げるって怖い。そして、やはり価格の基準の持ち方が年齢が10年違うと大きく違っていて、今の30歳ぐらいは日本の物価が最も下がりきった頃にお金を使い始めた世代なので、今のこの状態でも「物価は高くなって、生活は苦しくなった」と思ってしまうものなんですな。

同じように日本を生きてるつもりでも、意外と見えてる世界って違うもんなんですねぇ。

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