スパイダーマン:スパイダーバース

遅ればせながら、「スパイダーマン:スパイダーバース」を見てきました。

つーのも、よく知らなかったんすよね、この作品。アメコミとかMARVELとかオタクとしての苦手科目でして。マーベル・シネマティック・ユニバース(マーベルのキャラクターが一堂に会してわっちゃわちゃする一連の映画をシリーズとして呼ぶ呼称)はみんなが非常に楽しそうに観ているんで、乗っかりたい気持ちはなくはないんですけど・・・正直、そんなにノれる気もしなくて。

この「スパイダーバース」もアニメってことで引っかかりはあったんですけど、「いろんなバリエーションのスパイダーマンが一同に」と言う意味で同じ扱いなわけで。そりゃ、ディープなスパイダーマンのファンは楽しいのかもしれないけど、興味はないねーって感じでした。

ところが、いろんなところから「スパイダーバースはすげえ」って情報が入ってきます。まずは、オタキング岡田斗司夫さんがめっちゃ褒めてる。

作品も大好きだけど、その審美眼をすごく信頼してる若木民喜先生も傑作だって言って、2回観てる。

この手の作品をめったに取り上げない「そこあに」も特集してる。

これ以外にもツイッターのリツイートやらなんやらで「スパイダーバースやべえ」って情報はいろいろと入って来たんすよ。こうなったらもう確定じゃないですか。

さらにはIMAXでの再上映するんですって。これ、マジのヒットじゃないとこうはならないですやん。

というわけで、近所でさくっと観てきました。おもろー。やー、これ観てない人はとっとと行った方がいいよ。

とにかく、見所はたっくさんある。

  • 徹頭徹尾、少年の成長物語でブレがない
  • ↑のような子供でもわかるメインストリーだけど、親の立場でも泣ける。思春期真っ盛りの坊やもキュンキュンするし、孤独な大人も胸が痛い。
  • ↑のようなウェルメイド作品でありながら、登場人物達が自分がマンガの主人公だって理解してるっぽいメッタメタなセンスにもあふれてる。
  • ↑のようなストーリーを語りつつも、オープニングのコロンビアのロゴから、最後のオマケ映像までどこを取ってもMVかよってなカッチョイイ映像。音面も最高。
  • ↑というようなハイセンス映画でありながら、2頭身のブタも出てくれば萌えキャラもでてくるバカ映画でもある。
  • ↑というような世界が、コミックの見開きの止め絵を活かしたような切れ味の映像で展開され、書き文字、漫付も多様されるので、日本のリミテッドアニメを観ているような気持ちにもちょっとなる
  • ↑のような究極のジャパニメーション的側面もある作品に、もう究極の豪華メンツで吹き替えされてる
  • ↑のために吹き替え推奨映画なんだけど、画面の書き文字が日本語になるので、それが変わってない字幕版も観たい

ほんと、すっごいよ。とにかくストーリーが素晴らしい。以下、ネタバレ気にせずに語りますけど、うーん、たぶん気にする必要ない。大丈夫。ストーリー的な驚きはほぼないから。なのに素晴らしいストーリーなんだから凄いよなー。

まず、主人公のマイルスがいい子なんだよね。マイルスは下町出身なんだけど、優秀さを買われてちょっとハイソな学校にご進学。運動神経もいい。実は頭もいい(落第したいためにマルバツのテストで0点取ったりする。全部わかってるのバレバレやん)。美術センスもある。地元には友達もいっぱいいる。けど、進学校ではちょっと浮き気味。

お堅い警察官の父親はそんな自分の状況を理解してくれないので、ちょっとアウトローぎみの叔父さんに懐いてます。そんなマイルスが、力を手に入れ、日常を失い、仲間を手に入れ、大切な人を失い、そして大人になる・・・という一直線のストーリーでラストのカットまで突っ走ります。他の次元からもスパイダーマンが来るという話なので、話がとっちらかりがちになりそうなものだけど、それはない。他の次元のスパイダーマンは、主人公に「おまえは孤独ではない」ということを伝えるためにいるんですよ。

ヒーローって孤独です。スパイダーマンももちろんヒーローの孤独さを背負っているんですが、多次元世界のスパイダーマン達が集うことによって、「背負っているのは、自分だけじゃない」って互いに気がつきます。ここから、ラストには、「マスクを被れ。正義をなせ。お前がヒーローになれ。お前は孤独ではないのだ」という観客に向けた映画全体のメッセージに繋がるんです。熱い映画でしょ?

その一直線のストーリーに親の視点、弟の視点、先輩の視点も織り込まれていて、観る人の立場でいろいろと感じさせてくれます。大人がみると感情移入するキャラはいろいろと分かれるんじゃないですかねー。悪の親玉、キングピンにだって感情移入する人、いると思うなあ。

そんなちょっと説教くさくなっちゃうかもしれないストーリーが、ものすごくハイセンスな映像で繋がれます。カラフルだし、切れ味がいいし、マンガだし。ディズニーアニメのヌルヌル動く感じとは全然違います。キレとトメがビシビシくる、すごく日本的なセンスも感じるアニメーションです。わざわざペニー・パーカーみたいなキャラを入れてるんだから日本のアニメを意識していないワケはないんだけど、アニメっぽくしたっていうよりは、コミックをアニメにしようとしたら近づいちゃったって感じに見えました。

そういう意味で「これをアメリカに作られちゃったら、日本のアニメ、ヤバい」って感想も良くわかる。わかるけど・・・どうしようもないよね。センスの問題と言うより、お金の問題のような気もするし・・・。まあ、とにかくものすごい人手で作られているのにこれだけ演出が徹底されているってことは、ものすごい試行錯誤があったはずで、かかったお金にクラクラすると共に、素直に頭が下がります。天晴れ。

もー、映画観ている間、気持ちがいいんだよねー。リズムに合わせて自然と体が動いちゃうようなシーンがたっくさんあるんです。ちょっと映像ドラッグ的な感じすらあるし、演出的なアイデアもいろいろあって、「あ、これパクられそう」なんてネタも結構あります。そういう意味でも必見ですね。

さて、後は・・・声優話もしておきましょうか。 今回、超豪華ですな。毎週スケジュールを抑えなきゃいけないテレビアニメではあり得ない豪華さ。

まず、マイルスは小野賢章さん。若手ですが、子役あがりでキャリア十分。で、何の役の人かといえば、要するにハリーポッター。ぴったりですな。

普通のスパイダーマンだったら主役のピーター・パーカーは格好いい方が中村悠一さん。おっさんの方が宮野真守さん。お二人とも二枚目、三枚目問わず主役ヒーローをばっちり出来る人気声優ですが、今回は宮野真守が凄い。いや、最近「凄い宮野真守」を観る機会が多いなあ。「凄い山寺」とか「凄い杉田」と並び称されるような、芸達者な声優さんになられました。

そして、その他のスパイダーマン達ですが、ヒロインのグウェンは悠木碧さん。「まどマギ」のまどかの人です。あの役の印象が強いのでクールで強いグウェンのキャラは新境地ですかね。全然悠木さんだと気がつきませんでしたが、良かったです。ノワールは大塚明夫さん。いつもながら渋くて特に言うことない。満点。2頭身のブタことスパイダー・ハムは吉野裕行さん。吉野さんももちろん格好いいキャラクターをいっぱいやってらっしゃいますが、今回はそっちじゃなくて「四畳半神話体系」の小津。アレです。

そしてそして、ボスのキングピンには、玄田哲章さん。もはや、安易と言っても過言ではないというようなキャスティング(笑)。こんなキャスティングが許されるなら、何の苦労もないですよね。で、このレベルの人達がちゃんと絵があるところにアテてるんだから(吹き替えだからね)クオリティは約束されてます。うっとりとするほどのレベルの高いお芝居をお楽しみ下さい。

そんなわけで、これは円盤買っちゃうレベルです。映像的なセンスで言えば、「ニンジャバットマン」も相当良かったけど、ストーリーの練り込み度は比べものにならないんで、断然こっちですな。続編も決まったらしいんで、楽しみにしたいです。

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ファースト・マン

ちょっと前になりますけど、「ファースト・マン」を観てきました。いちおー、SF者としては観ておかないといかん気がしたんで。

実は、チャゼル監督の作品を観るのは初めてです。「セッション」も「ラ・ラ・ランド」も、なんだかあんまり好きになれそうにないタイプの人間が描かれているような気がしたんですね。で、「ファースト・マン」も聞くに「非常にチャゼルらしい」ってことらしいです。観終わった感想としては、「はー、これがチャゼルかー」ってちょっと思ったんですけど、1作だけ観てそういうこといっちゃダメですな。

えっと、映像作品として、というかドラマとしてはものすごくレベル高いと思います。まとわりつく孤独と死のイメージを、淡々としたタッチで積み上げていって、ラストシーンのガラス越しの夫婦の再会なんて「はー、2時間かけてここにたどり着くのか−。すげーなー」と思いながら観てました。こないだ観た「七つの会議」が、まあ、登場人物たちがべらべらべらべらお気持ちを吐露しまくる典型的な日本映画だったのに対して、こんな寡黙な男を主人公にこんだけ饒舌なシーンを作るんだと感心せざるを得ません。

えませんけど、書かれてるモチーフに興味があるかどうかは別問題なんですよね(笑)。

「常に自分が死ぬかもしれないことには感覚が麻痺しているけど、周囲の親しい人が死ぬことには耐えられない男」と「夫がいつ死ぬかもわからないこと、そして夫自身がそのことから目をそらし続けていることにいらだつ女」の夫婦関係って、興味あります?。私は正直あんまりないです。ただ、人類による初めての月面着陸という出来事をそういう側面で切り取ることの面白さというのはわかりますし、ホントに死亡率の高かった初期の宇宙飛行士とその家族にまともに焦点をあてた物語を作ることも意義深いと思います。

SF的な見所も多く、X-15やジェミニのトラブル、有名なアポロの死亡事故、月着陸船の訓練機など有名な逸話を徹底的なリサーチのもとに作った映像として見られるのは素晴らしいです。もっとも、この映画はアームストロングという人間を描くためにコックピットの絵は沢山あるんですが、アームストロングが乗っている機体を外から撮った絵というのがほぼありません。X-15が飛んでるシーンはないし、ジェミニ8号がどういう状態になっているのか外から撮った絵はないし(現実には撮影不可能な絵なんだからそれがあると興ざめするということはあるにしても、不親切であることには違いない)、月着陸船も降りて外から見るまでどんなものかわかりません(みんな知ってるけどさ)。この辺りは徹底していて、正しいんだけど、ちょっと残念な部分ではありますね。

というわけで、諸手を挙げて「おもしろーい」とは言いがたい映画なんですけど、映像でドラマを作る手腕はすっごいぞチャゼルというのはよく伝わるし、興味のある題材を撮ってくれたら途端にファンになるかもしれないなという気がしました。あ、いやー、アポロでダメなら他じゃ無理かなという気もするなあ(笑)。

 

 

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七つの会議

年末に「ボヘミアン・ラプソディー」を観に行ったときに予告編が流れてたんですが、いやーすごいキャストですね。日本中のいい味出しているおっさん全部集めてパックにしたような、すごいキャスト。あまりの豪華キャストぶりに圧倒されまして、たくさんのおっさん達を鑑賞すべく見てきました。同時期にキムタクの「マスカレード・ホテル」をやっていて、あっちのほうが大きな劇場でやってるようで、こっちの方が混んでました。見たのは2/2。土曜の13時の会で満員でした。

とにかく、キャストは朝倉あきさん(すげーかわいい)以外、全員おっさん。ん?吉田羊さんがいるか。いや、吉田羊はおっさんでいいな。うん、後は全員おっさんです(笑)。むしろ、ミッチーがおっさん枠からはみ出しかけているかもしれない。

そんな可愛いミッチーと可愛い朝倉あきの二人組が、会社の裏の顔を探るべく嗅ぎ回る中盤はドライブ感があってすごく楽しいし、面白い。ここはすごく良いです。

さて、ここから下はネタバレしますよー。ネタバレしたからなんやねん、誰が水戸黄門のネタバレを気にするんだよ・・・という気もしますが、一応、ね。

さて、池井戸潤の本はきっとみんなそうなんだろうと思うんで1冊も読んでないんですけども(笑)、会社の陰謀とか、サラリーマンの悲哀とか、出世争いと男の嫉妬とか、正直、外資系IT企業でキャリアからすっぽ抜けてるお気楽サラリーマンな私からしたら、江戸時代の話みたいに見えるわけです。で、主役は萬斎さんだから、私から観ると、この映画はもう完全に時代劇(笑)。最初はお笑い昭和漫談で、最後は遠山の金さんかな。

それはそれで別にエンターテインメントとしては普通にアリなんだけど(時代劇、楽しいじゃないですか)、そういう型から離れてお話として面白いかと言われると・・・うーん・・・。リコール問題ってネタも、何度目かいなって話よね・・・。ラストも目の前で一度内部告発してる奴が目の前にいるのに、「やっぱ隠蔽する!」ってんな危機管理ありますかいな。アホかい。

ただ、お話が完全に紋切り型なので、役者さんの魅力はもう、堪能できまくりです。香川照之さんの怒りに歪んだ顔はもう芸術的だし、野村萬斎さんの「ひーっひっひ」って笑い方、他の人にはできません。橋爪功さんに器の小さい男の演技をやらせたら日本一だし、オリラジ藤森さんのチャラい感じもバッチリ。なんせ基本的に出てくる人はみんなダメな人なんで、役者さんはみんな楽しんでやってるだろうなと。そんな感じで、芸を見に行く映画でございます。

というわけで、たっぷりと愛らしいおっさん達の演技をこれでもかと堪能できるし、少なくとも萬斎さんが正体を現すまではドラマもそこそこ楽しい。キャスト一覧を見るだけで1800円の価値は十分ありすぎ。だって、舞台でこのメンツ上げたらどうなるのって話で。ものすごく楽しめます。

ただし、やっぱりお話は無茶苦茶なんだよねー。あげ足を取るのも楽しいので、取っておきますよ?

ネジを安物にしたら馬鹿売れする椅子ってなんぼほどネジ高いねんとか、ひっぱり試験でいちいちきゃーきゃーいうなやとか、電気屋が冷蔵庫足で営業すんなとか、なんで風呂売ったウチの葬式にいったよ萬斎とか、そんなドーナツ馬鹿売れするって近所にコンビニはないんかいとか、経理と営業仲悪いってあからさまに罵倒すんな大人やろとか、品管が部屋に2人ってどんだけやる気ないねんとか、社長室にグローブ持って行ってるから野球部だってわかりやすすぎるやろとか、だいたい椅子と冷蔵庫売ってる会社ってなんやねん・・・

と突っ込みどころは安いSFよりありすぎ。その辺りをおおらかに見られない人には辛い映画かもしれません。でも、観てる間はさほど気になりません。ほぼ、ファンタジーみたいなもんだしね。ツッコむのも楽しんで観てくるのが吉です。

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ボヘミアン・ラプソディ

「ボヘミアン・ラプソディ」みてきました。ロックバンド、Queenを題材にしたノン・フィクションものです。

で、別に私はクイーンのファンでもなんでもないです。世代が違うもんね。フレディ・マーキュリーが亡くなったときに話題になりましたが、それが中学か高校に入った頃かな。同時代のアーティストの話題だとは受け止めてはなかったです。

もういい加減おっさんの私でもそんなもんなので、この映画がヒットしていると聞いていったい誰が観に行っているのかと思っていたら、「2001年宇宙の旅」を見たときの予告編を気に入ったMilueが「観に行きたい」と言い出しました。Milueはクラッシック好きの親に育てられてるんで、ビートルズもストーンズもオアシスも区別がつかないけど、ヒットした曲は聴いたくらいあるよ・・・という人です。何がそんなにひっかかったんかな。

というわけで観に行ってきました。

もんのすごく出来の良い映画でした。

役者はみんな素晴らしいし、ライブシーンは大迫力だし、基本的にはエピソードをつまむしかない構成なのに演出がよく出来ているので一本筋が通ったストーリーのような気がするし(落ち着いて考えるとそんなことないんだけども)、もう、この映画のライブを「こっちがリニューアル版のクイーンだから」といってスターウォーズ4,5,6の特別版をさもオリジナルのように参照するがごとく捉えても不思議じゃないぐらいの出来でした。え?アレ本物じゃないの?いや、マニア以外気にしないでしょう・・・なんて言われかねないぐらい(笑)。

自分のセクシャリティとスター性のせいで二重に孤独を深め、最後にはAIDSによりさらなる孤独に覆われるフレディ・マーキュリーの人生を、失いかけた友情と愛と音楽が救うという形に綺麗にまとめられていることもこの映画のぐっとくるポイントです。上手い。見易い。素晴らしい。そういう一貫性の中に、「あの名曲の制作中のエピソードその○」が折りたたまれていて、ひじょーに楽しい。

というわけで、テーマが重い(実在のスターの人生まるごとだからね)割にストーリーが薄っぺらい(だって、一個人の人生に起きたことなんて、エピソード自体はそんな複雑でも入り組んでもないよね)ので、ドラマチックな音楽に観客も自分のナイーブさをそのまま泳がせて感情を揺さぶられる体感がとても気持ちよく、これはヒットするな思いましたね。

で、これってアイドルアニメとおんなじなんだよね(笑)。さすがにフレディ・マーキュリーほどのテーマを個人で背負うキャラを作るのは大変だから15人ぐらいに分散して、実力揃いの作曲家陣がよってたかって曲を揃えて、ありきたりのストーリーを歌と共に観客を揺さぶる。そこに生い立ちの不遇さを入れても良い、友情を入れても良い、セクシャリティの問題を入れても良い・・・ヒットの理由が見えてきたなー。

というわけで、今後、クイーンはこの映画抜きに語られることはないだろうというほどによく出来た映画なので、クイーンのファンはもちろん、「なんだかよく知らんけど、みんなクイーン好きだよね−」ぐらいの人にも幅広くお勧め。ある意味、「ドリーム」の黒人差別と同じ目線で「LGBT?まあ、そりゃいるっしょ、そんな人も」ぐらいの認識になった現代からおよそ40年前の世界の問題を眺めるんだから、気楽っていえば気楽。お気楽に観てください。

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カメラを止めるな!

まだ上映中なんですって。

6月だか7月だかからやってる映画ですよ。下手すれば話題になったってことでは「万引き家族」を超えるかもしれない1本ですよ。まあ、みんな観てますよね。

すいません、やっと観ました。

いや、話題になっているのは知ってたんですけど、私、ゾンビ映画が嫌いなんですよね。というか、ゾンビものを面白いと思ったことがないです。バンパイアものはわりと好きです。端的に言って、「登場人物が自我を失ってしまう」ということが鍵になるドラマ、面白くないと思うんですよ。それって、一時期ちょっと流行った「犯人が異常者」っていうミステリーと同じで、敵とか驚異とかってバカより賢い方が面白いと思うんですけど。

しかし、ここまで話題になっていて、かつ、ネタバレ厳禁のギミックにあふれた映画っていう評判を聞いちゃうと、観とかないとなー。というわけで、観に行きました。

というわけで、公開からもう何ヶ月も経っているのでネタバレもくそもないですけど、一応ここより下はネタバレするんで、映画を観てから読んでください。来月には配信も始まるらしいですよ。

おっけーかな?

さて、感想です。なるほど、面白い。これは、あれですね。三谷幸喜さんお得意の奴ですね。「ラヂオの時間」じゃん。パンフを観ると、やっぱり東京サンシャインボーイズのお芝居は意識されてたみたいですね。「ショウ・マスト・ゴー・オン」も最高に面白いもん。この作品の元のアイデアは演劇だったらしいので、それならなおさらでしょうな。

すごく画期的なギミックというようなことを言われたりしてますが、「ラヂオの時間」はヒットした映画だし、言っちゃえば三谷さんはこんなのばっかりやっているようなものだし、あるいはかの有名な「涼宮ハルヒの憂鬱」のTV放映第1話の「朝比奈ミクルの冒険 Episode:00」は、この映画の冒頭30分だけをテレビシリーズの第1話として流しちゃったというようなものだし、さほど目新しいものではありません。

でも、すっごい上手くできてる。劇中劇のすごく印象的なカット、違和感のあるカット、そのすべてに裏側の姿があって、ゲラゲラ笑えます。すごく時間をかけて脚本を練り上げてるんだなというのがよくわかります。すごく丁寧。

それ故に、三谷作品のような「え?どうするの、こんなの。え?それ、解決になってる?ええ?えええええええ?」というような力業の展開にはなっていないので、さすがに物語のテンションのうねりという点ではちょっと劣るんですが、しかし、この「カメラを止めるな!」には、先行作品にはなかった美点があります。

それは、劇中劇、つまり劇中で作られるゾンビ映画が、ちゃんと面白いってこと。とにかく芝居/放送を止めてはいけない、撮影を続けなければいけないという制限を逆手にとったこのスタイルは、作るものがとんでもないことになればなるほど裏側のドラマが面白いはずです。上手くいっちゃったらやりづらい。「ラヂオの時間」のドラマはくっちゃくちゃになってしまいますし、「ショー・マスト・ゴー・オン」のマクベスはしっちゃかめっちゃかになります。「朝比奈ミクル」もヒドい映像に仕上がっているからこそ、裏を知っていると面白い。

ところが、「カメラを止めるな!」では、「生放送・ワンカット撮影のゾンビドラマ」という、そんな無茶苦茶なという制限を設定として持ち込みながら、そんな無茶苦茶が行われていて裏側では大変なことになってるんですよーというドラマのキーポイントを隠したまま劇中劇をみせて、「確かになんかビンボーだし、ちょっと変なところもあるけど、それでもスリルと迫力のあるいいゾンビものじゃん」と最初に観客に思わせてしまうところがニクい。というか、それだけのものになっているからこそ、最初に「できあがり」をみせて、メイキングに遡るという手法が通用しているんです。これは、ちょっと難易度上がってますよ。だって、実際にワンカットのゾンビ映画を撮らなきゃいけないんだから。

というわけで、基本的なアイデアはそれほど奇抜ではないけどもみんな大好きな鉄板のネタで、しかしながら、そこに新しい挑戦が入っていて、かつ、きっちりと勝ちきっているという、これは賞賛してしかるべき映画です。これを300万円で撮ってるんだから、いや、感服です。すごい。

で、楽しかったねーと帰ってきた後で、Milueが観たことないっていうんで、Amazonでレンタルして「ラヂオの時間」も観て、もっとみたくなっちゃったんで「ショウ・マスト・ゴー・オン」のDVDも買って観てしまいました。いやあ、やっぱこっちも名作だなあ。ヒロインの女の子の「よろしくでーす」は「ショウ・マスト・ゴー・オン」の「いまやるとこですー」のオマージュなんだろうね。くっくっくっ。


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IMAX版「2001年宇宙の旅」

楽しくブログを拝見している、からぱたさんが、「『2001年宇宙の旅』を映画館で見たことない人に告ぐ」というアーティクルで「何度も見たはずなのに、大阪のIMAXレーザーで見たら全く違う映画になっていました。」と書いてます。ほっほー。

えー、私だってSF者のはしくれですから、2001年を観てないなんてことは・・・あれ?部分部分はテレビでやっていたらそのまま観ちゃうけども、通してみたことはないかも・・・。劇場で観たことは・・・あるわけないよね。生まれる前の映画(というか、もう半世紀前の映画だよ!)だもん。

よくよく考えてみたら、観たような気になっているもののパロディーやオマージュの元ネタであったり、歴史の一部として知っているだけで、通してどんな映画かはわかっていないのでした。

このアーティクルを観たのが10/31の水曜日の夕方。IMAXの特別上映は次の日(11/1)まで。えっ?あー・・・日比谷で21:00の回がある。行けるな。行くか。

というわけで、観て参りました。

まあ、どんな映画かは説明不要だと思います。といっても公開当時のことは私も知らないわけで、宇宙といえばスペースシャトルだとかはやぶさだとかISS(国際宇宙ステーション)を思い浮かべるような世代が理解しておかなければならないのは、この映画が制作された1960年代後半といえばアポロの月面着陸前であり、宇宙からみた地球や月面の様子、宇宙服をきた船外活動などがどんなもんなのかをみんなが理解していたわけではないっつーことです。

しかしながら、2018年の視点で見てもその描写は普通にリアルと言ってもいいもので、特撮の見栄え的にも現在の水準を満たしてます。いや、さすがに計器類は古めかしいんですけど、2001年ってもう15年以上前ですからね(笑)。2001年頃、計器にボタンは、まだあったわ。

むしろ、CGなんてこれっぽっちもない時代、さらには電子楽器・・・はあるけどまったく使ってない作品。それでこのクオリティって、まったく意味がわからない。2018年から振り返ると50年前に今我々が使ってるツールがなーんにもない世界で、なんでこれが作れるのか謎・・・という作品であります。

IMAXで観る2001年は、それはもう大迫力でした。一切の傷やガタがないデジタル処理済みの映像が視界いっぱいに広がり、前後左右のスピーカーからモノリスの立てるノイズが劇場を満たし、開始3分で大音響のなかあのタイトルが出た段階で意味不明な感動が体を満たしました。

が、長い。遅い。すげーゆっくり。

この映画、上映時間が3時間近くあるので、途中休憩が入ります。公開当時と同じらしいんですが、客電が点いたまま現代音楽っぽい不協和音のBGMが鳴り始め、それがスカッと止まった瞬間に劇場の電気が落ちて映画が始まり、休憩後の再会も同じように始まります。

そういうスタイルもすごく古めかしい(映画的じゃなく、むしろ観劇っぽい)ですが、なにしろ1カットが長い。冒頭30分、ひたすら猿。宇宙ステーションから月に行くシャトルの描写もた〜ぁっぷり。誰も何もしゃべってないシーンが多いこと、多いこと。話の内容的には60分ぐらいにすると、今の感覚的にはちょうどいいぐらいかな。疲れます。というか、話の内容は、そんなにない。下手したら30分アニメ1話分ぐらいしかない(笑)。

その散発的なストーリーをじーっとりした映像でびたーっと見せられる。これは趣味性が高い映画だなー。ハマる人が多いのもわかるけど、当時だってたぶん「なんじゃこりゃー。芸術鑑賞にきたんと違うぞー」っていう人も多かったんだろうと想像します。

私たちは「2001年宇宙の旅」という画期的な作品に影響を受けまくった50年後の世界のフィクションに接しまくっているので、惑星間航行、高次元知性体の遺物、人間を超える知性を持ったコンピュータ・・・なんて概念はご飯に納豆をかけるがごとく日常的に摂取しています。なので、この映画が当時どれほど画期的なものだったのかは正直、よくわからないんですけど、でも、おそらくディテールでは圧倒してたんだと思います。それで、高い芸術っぽさを打ち消していたか、エヴァ的な謎感がかえって相乗効果を出していたのか・・・。いやー、わかんないな。もう50年前だもんな。自分の幼い頃を思い出してみても、わからん。

というわけで、体験としてはすごく面白かったんですけど、映画として楽しかったかは疑問。でも、貴重な機会を活かせたことについてはからぱたさんに感謝でございます。

あー、後は、「エイリアン」とかも基本教養だと思うんですが、観てないんですよねー。

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オリエント急行殺人事件

アガサ・クリスティの「オリエント急行殺人事件」といえば、ミステリー界に燦然と輝く古典であり、名作中の名作であり、読んでない奴は本読みの風上にもおけないのであり、今更、この作品が映画化される意味が、まったくわからない。

ちなみに、私は未読です。いや、ごめんて。

冗談はこれぐらいにして、とはいえ、あまりにも有名な作品だからトリックは聞いたことあるし、なんかわざわざ観に行こうという気はしないじゃないですか。でも、スターウォーズを観に行ったときの予告をみた感触がすごくよかったんですよね。Milueも観たいって言ってるし。というわけで、新年1本目の映画はこれに決めました。

で、感想ですが、前言撤回です。2017年に作る意味あります。

なんせ古典的名作をありったけの映像で後世に残したいという欲求は理解できるじゃないですか。やって下さい。で、蒸気機関車が荒野を走る映像だったり、豪華な客室だったり、凝ったカメラワークだったり、20年前だったらこれを取るのはすごく大変だろうなという映像なんですよ。すっごいゴージャスな感じ。ただ、これからも映像技術は発展するとは思うんですけど、「オリエント急行殺人事件」を映像化するにあたって本質的に変わるようなことはない気がするんですよね。やりたいことは全部できるようになったよ。なら、今じゃない?

と言う意味で、ある種の完成形じゃないかと思いました。そのぐらい映像はよかった。お話は、まあ、変えようもないんだし、原作読んでない立場からしたら演出にも特に違和感ないし。まあ、ポアロさんが論理展開は全然わからないまま、いろんなことをポンポン当てていくのはおかしいんですけど、気にならないっちゃならないです。一種のクローズド・サーキットもので、キャラが魅力的じゃないと全部台無しになりますが、そこはそれ、役者はみんな芸達者揃いでとても素晴らしいしね。

ただ、ストーリーが進行しているときはいいんですけど、列車が走り出すまでのシーケンスはぐっだぐだでした。誰も物語をドライブさせないんですよ。開始直後にポアロがちょっとした事件を解決する下りも、大仰な「解決編」をやっているわりにたいしたこと言ってないし。あんなの公衆の面前でやる意味ないし。ネクタイの曲がりを指摘したり、調色のゆで卵の大きさがそろっていないことを気にしたりというシーンも、「ごらんのとおり、ポアロは○○な人です」の○○に何をいれたらいいのかわからない。完璧主義者?偏屈ってこと?優れた人だって言ってるの?おかしいやつだって言ってるの・・・?他の登場人物も一通り顔見せはあるんですけど、全然伝わらない。

挙げ句の果てには、なんでポアロが列車に乗るのか、それがわからない。ポアロに列車に乗ってどこかに来いという手紙が来て、移動することになったということはわかるんだけど、ポアロが乗りたいと思っているのか、できれば乗りたくないと思っているのか、そこがはっきりしない。なので、物語を誰もドライブさせないままずるずると進行してしまうんです。

そういう意味では、ちょっと映画としては危うい感じがします。事件が起きて、ポアロが説得されて捜査に乗り出したあとは、事件自体がドライブしてくれるんでいいんですが、そこまでがこうぐだぐだなのは、ライムスター宇多丸さんがタマフルで指摘してたとおり、演出力がちょっと足りねぇのかな・・・的な?。でも、いいか。絵はキレイだったし。という、そんな感じです。

だから、これは東川篤哉さんとかの楽しいミステリーで読書に興味が出てきたぐらいの中学生とかに観て欲しいかな。そんな感じです。観て損した感じとかは全然無いので、安心して観に行けると思いますよ。

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スターウォーズ 最後のジェダイ

ep8観てきました。

もちろん楽しみました。映像は大迫力。見所はたくさんあるし、展開も、まあこれほど世界中で予測されまくっているので想像を超えるのは難しいと思いますけど、それでも大多数の観客をあっと驚かせるものだったんじゃないでしょうか。十分に合格点。スカイウォーカーの血筋の話、レイとフィン、そしてカイロ・レンという新世代の主人公3人ドラマとしては最高!・・・なんですが。

・・・と、この後はもうネタバレをせずには語れませんから、観ていない人はここまで。観ない理由はまったくないと思いますからとっとと観てきてから、この後を読んで下さい。

いいかな?

長ーい長い2時間半にわたる映画を見終わってまず最初に思ったのは、「これ、銀河のレベルでは、何も起きてないんじゃない?」ってことでした。

この映画ってレジスタンスが、ファースト・オーダーの艦隊からひたすら逃げるっていうだけの話なんですが、お互いがもともと銀河帝国、新共和国軍それぞれの残党で、ep7の段階では割とそこそこの資金力と手勢を持っていたように見えたファースト・オーダーも自身の命運を賭けて建造したスターキラーを破壊されてしまって見る影もなく衰えています。

レジスタンスの方が、残りのクルーザーが数隻しかないというレベルで衰退しているのでファースト・オーダーの方が強そうに見えるんですが、そちらにしても1番偉い奴、2番目と3番目に偉い奴がまとめて艦隊にいるわけで、つまり要するに画面に映っているので全戦力にほぼ等しいってことですわ。ということは、星間無差別大量兵器であったスターキラーが亡くなってしまえば、今、画面に映っている以外の銀河のほっとんどは平和ってことですよね?(笑)

「やつらを根絶やしにしてやる!」とファースト・オーダーはレジスタンスを追い回しているわけですが、じゃあ、レジスタンスを壊滅させて何がしたいのん?今回、ファースト・オーダーにもレジスタンスにも武器を売っている武器商人達が出てきましたが、あの人らは確実にファースト・オーダーを上回る戦力を作れますからね。

というわけで、けっこうせせこましい話になってます。

そこが不満で、nacと映画を観た後でいつものメンツで忘年会になり、観ていなかったドック(仮名)にこういう説明をしたんですが、その場で思いついて、この状態をガンダムに例えてみました。

「機動戦士 ガンダム」というお話は、ジオン公国と地球連邦軍がどっかーんと戦争をしているさなかに、たまたま乗り込んだ戦艦に乗って戦争に巻き込まれていく主人公達を描いた作品でした。つまり、ホワイトベースの話は全体の戦争の中の、ほんの一部を切り取ったもの、それも歴史の片隅のお話だったわけ。

ところが続編の「機動戦士 Ζガンダム」は、前作で勝った地球連邦軍内のクーデターのお話で、主人公達が乗るアーガマという戦艦は、クーデター軍の中心となる艦で、アーガマのお話がそのまま歴史の中心になっていました。ちょっとスケールが小さくなっちゃった。

で、さらにその続編の「機動戦士 ガンダムΖΖ」では、内戦で地球連邦軍は分解状態になり、そこに押し込み強盗的に世界征服をしに来たジオン残党軍と、アーガマ1隻だけが戦う話になっちゃいます。アーガマが歴史の中心どころか、歴史そのものになっちゃうんです。これ、もの凄くep7-8の状況に似ています。

今作のラストで、レジスタンス=ミレニアム・ファルコン号になっちゃうワケですけど、これまさにΖΖ状態です。

しかし、船1隻(というかファルコンじゃあそれにも達しないわけですけども)でどうやって勝つのよと。ΖΖはどうなったかというと、ネオ・ジオンを名乗ったジオン残党軍は分裂して共倒れになってめでたしめでたしになります。おー、ep9が見えたね。

ファースト・オーダーが暴走するハックス将軍と、どうしてもワガママが止められないカイロ・レン君の2派に分裂して、ハックスを止めるためにやむを得ずカイロ・レンに協力するフィンとレイ。ハックスを倒した後で一人の女を巡って決闘するカイロ・レンとフィン。でも、結局一番強いのはレイなので、二人ともお仕置きされて一件落着ですな。すごいな、富野さん。もう出来てんじゃん(笑)

という、バカ話は置いておいて、主人公達のお話はちゃんと作り込まれているにもかかわらず、世界の方は置いてけぼりなのは、やっぱ不満ですね。あの世界自体もスターウォーズの魅力ですから。そういう意味ではやっぱep1〜3は好きなんだよね。共和国とそれに与しない勢力、共和国に協力しているけど独立しているジェダイ・オーダーという社会情勢がちゃんとあって、オビワンとアナキンはその世界でヒーローとして次々に銀河の各地で大冒険を繰り広げ、裏では悪い奴がこの情勢をひっくり返す悪い企みをしている。

それに対して、ファースト・オーダーは何がしたいのか、レジスタンスもファースト・オーダーがあれだけめちゃめちゃなことやってるのに何でならず者軍隊で対抗しようとしているのか。経済制裁とか、禁輸処置とか、ちゃんとやってください(笑)

そして、今回の映画はそういう世界情勢において、必死こいて逃げているレジスタンスが、出し抜いたと思ったらバレてて、でもなんとか不意を突いて一撃食らわせた、と思ったらやっぱりバレてて・・・というのが2時間半続くんで、とにかく長い。そして、「やっぱりバレてて」の度に格好いい戦士達や、なつかしのキャラ達がばんばん死んでいくんで、「どうなっちゃうの?」的な盛り上げはあるんだけど、だんだん寂しくなっていくんですよね。で、最初は数隻の戦艦で逃げていたはずが、最後の最後はファルコンに全員乗れるだけしか生き残ってないけど、なんとか逃げ延びました・・・で終わるわけで、見終わった後、高ぶらない映画です。

まあ、しょうが無いけど。ここで解決しちゃったら次を楽しみに待てないんで。わかってましたけども、すかっと「おもしろかったー」とは言えないですよね。

オープニングのポーのスーパーエースぶり、スノークとの対決、新キャラのローズ、ペンギンたち、赤い煙を巻き上げての最終決戦、ルーク無双、ここで出てくるのマスターヨーダ・・・などなど、語りたいポイントはいっぱいあるんだけど、ひとまず、気になったことを書きました。

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ドリーム(Hidden Figures)

パンフレットを読んだんですが、脚本の方のお婆様が実際にNASAで働いていたそうなんですが、当時のことを聞いても「私の頃には、もうこんな差別はなくなっていたから、わからない」と仰ったそうです。そんな昔の話です。

道徳の授業でアパルトヘイトについて習ったり、英語の授業でキング牧師の有名な演説を覚えさせられたりしたのも、はるか30年近く前のこと。なので、バスの席が決まっていたり、白人と有色人種でトイレが違ったりという話で驚きはしないものの、ちょっとクラクラする感覚はあります。

こんな差別がまかり通っていた時代があったとは、もう信じられないぐらいの気持ちです。米国に黒人のスーパースターはあらゆる分野にいて、単純に黒人に憧れを抱いている白人のアメリカ人はたくさんいるでしょうし、素直な感覚として黒人差別というものを実感できないアメリカ人は多数いると思います。

じゃあ、問題は解決したのか。もうなくなっちゃったのかというと、いやー、どうなんだろう。ほんと、どうなんだろう。何がどうなっちゃったんだろう。誰が誰を差別しているんだろう。劇中で主人公のうちの一人の管理職昇進の願いを「規則だから」とまったく受け入れない白人の女性管理職が「誤解しないでね。私に偏見はないわ」と言い、主人公が「あなたがそう思いこんでいることは知っています」と応える。 この台詞は重いです。

というようなことを考えさせられますが、まあ、この主人公の女性3人組はいろいろ辛いこともあるけどそれに立ち向かいながら、そして明るく生きていってます。差別という理不尽なものと戦っている辛さはありますけども、私たちも大概理不尽なものと戦ったり、戦わずに回避したり、愚痴ったり、ブチ切れたりしながら生きているわけで、普通に共感できるし、勇気づけられるし、楽しい気持ちになれるお仕事映画です。普通におすすめです。

さて、私としてはもうひとつの注目点はなんといってもIBMでございまして。

NASAのマーキュリー計画を支えた人々とIBMメインフレーム

それまでたくさんの女性を雇って行っていた計算を、代わりにやってくれる文明の利器。IBM 7090 DPS。劇中では、現代(?)でコピー機を「ゼロックス」、ポータブルオーディオを「ウォークマン」と呼ぶように、コンピュータを指して「IBM」と呼ばれます。マシンルームの扉より筐体がデカくて扉ぶち壊したり、「動くまで金払わねえからな」と言われていたり、「昨日と計算結果が違うじゃねえか」と言われていたりと大活躍です。

7090というと、今も売り続けられているIBMメインフレームの直接のご先祖様、System/360の直前の世代の機械で、LISPでおなじみのcar, cdrの由来であるアーキテクチャを持つIBM 704の後継(704→709→7090らしい)です。1959年の発売で、S/360が出るのが64年です。360はお仕事に使えるのがウリみたいなところがあったらしいので、こっちはおそらくは純粋に科学技術計算が求められているマシンですね。

ディスプレイなんてもちろん無くて、パンチカードで入力して、結果はプリンターから出てくる。今考えるとなんじゃいというような機械ですが、これが現場をガンガン変えていく様子がちらっと見られるのがマニア的には楽しい映画です。まあ、映画のクライマックスでは「金属の塊より、人間を信じるよ」ってdisられちゃうんですけどね(笑)。

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スタートレック・ディスカバリー

いつになったらはじまるのかなあ、何にも話題になってないなあ・・・と思っていたら、実はすっかり放映がはじまっていたスタートレック12年ぶりの新テレビシリーズ、「ディスカバリー」。

往年のファンとしては本国と同時に日本でも観られ、それもファンが望むレベルでの日本語吹き替え音声がついているなんて幸せすぎて何もいうことはありません。ありがとうございました。

・・・とかいって、いろいろ言うんですけどね。いやですね、うるさいファンって(笑)。

というわけで、この週末に一気に4話まで観ました。面白いか面白くないかと言われれば十分面白いし、求めてるスタートレックのテレビシリーズかと言われれば、コレジャナイ感満載なんですが、シリーズのファンとしてはまずは新しいシリーズの誕生を祝いたいと思います。

というわけで、各話レビューなんかやってみようかと思っています。第1シーズンの1部は9話で一段落らしいので、もう半分ぐらい終わっていていまさら間に合うのかという感じもあるんですが、いいじゃないの。お祭りだからね。

というわけで、各話レビューは当然のことながらネタバレ全開で書きますので、皆さんもちゃんと見ておいて下さい。Netflixにすぐに加入だ!

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