サマーウォーズ(ネタバレ)

ネタバレの感想をかきまーす。と言っても、作品論をするつもりはなくて、小ネタの雑談です。

まず、OZについて。セカンドライフとmixiをモチーフにしているらしいですが、あのアバターのセンスはいいですね。みんなセカンドライフに捕らわれすぎているような気がしますが、おそらく日本人向きなのはああいう可愛らしい擬人化可能だけどどう見ても人間には見えないようなキャラをアバターにする形だと思います。mixiの写真がまさにそんな感じですよね。それでOKなのは日本人だけという話もありますが、でも、おそらくポケモンが流行った国では大丈夫なんじゃないかという気がします。偉大なり、任天堂。日本文化による文化征服は着実に進んでます。

映画の冒頭がOZについてのサービス説明なんですが、2009年の目で見れば、これが数年後に開始するサービスだと言われても普通に信じてしまいそうな感じでした。ただ、OZの画面ってば、すっごい重そう^^;。でも、ケータイ版のOZには簡易アバターが使用されていたりするので、デバイスによって使い分けるんでしょうね。そういう統一した世界観が大事だというのは非常に納得できます。このあたりのセンスは是非、実際のサービスを考える人に大いに参考にして欲しいところです。で、その設定が夏希のアバターが最終決戦でパワーアップしてド派手になってたのに、実は夏希の操作してたケータイには簡易版しか表示されてなかったというオチに活かされてたりするのがナイスです。

と、大枠の設定は非常によく考えてある割に、OZ内でのキャラのあたり判定の問題や、AIが悪さをした結果のOZの変化なんかはじぇんじぇん理屈にはあってない感じでしたが、まあ、そのあたりは物語の盛り上がり優先でいいんでしょうね。がっつんがっつん動いていて気持ちよかったです。

で、最終決戦はOZ内のカジノで行われるんですが、オンラインゲーム、それも花札のこいこいってのが笑わせてくれます。これだけ盛り上げておいて、最後はそれかよ!で、一緒に観に行ったMilueは「花札やってみたい!」というんですが、FLASHのゲームやケータイのオンラインゲームはあるんですが、コンシューマーゲーム機で普通にこいこいを遊びたい場合はどうすればいいのやら。余りにも作るのが簡単すぎて普通には売れない感じ?(笑)

あ、DSでありますね。さすが任天堂。

PSPは・・・あー、Fateのミニゲームが(笑)

さて、一部の人を喜ばせた小惑星探査衛星「あらわし」。もちろん、「はやぶさ」がモデルです。実際の「はやぶさ」は小惑星イトカワへ行きましたが、「あらわし」が行くのはマトガワ。宇宙関係のジャーナリストの松浦晋也さんのブログでも話題になってましたが、実はマトガワという小惑星は既にあるそうです。イトカワは日本のロケットの父、糸川先生から命名されてますが、マトガワは宇宙研の的川先生にちなんでます。それにしても、松浦さんも指摘している通り、小惑星から帰ってきた人工衛星(いや、地球軌道に無いんだからホントは衛星じゃないんだけど)をいったん地球軌道に入れるだけ原則させるのは結構大変ですよね。推進剤も余裕綽々で帰ってきたのね。そもそも地球の軌道上ってGPS使えるものなんでしょうか。静止衛星軌道の方が高いから大丈夫なのかな?それにしても、「はやぶさをモデルにした衛星がでるよ」という話は知ってて観に行ったんですが、まさかあんなに大事な役(?)だとは。せっかく持って帰ってきたサンプルが無事だったことを祈ります。

後は、ちまちました小ネタも楽しかったです。「SUMMER WARS」ってタイトルが出て、「あー、STAR WARSに字面が似てるなー」と思ったら直後のキングカズマの格闘シーンで相手がライトセーバーを振ってたり、問題のAIの名前が「ラブマシーン」で、「たぶん侘助って昔はモー娘。のファンだったんだろうなあ」と思わせたり。佳主馬が液晶はディレイがあるからとわざわざCRTを持ち込ませていたり。

伏線も上手いですよねえ。イカ釣り漁船の前振りとして、万助の差し入れが全部イカだというエピソードを入れていたり、万作がOZを使ってヴァイタルを確認するシーンがちゃんと先に入っていたり。陣内家とOZしか場面展開しないので、物語の進行に合わせて了平の野球の試合が入っているなんてのも、演出の妙です。ちなみに了平の両親の声が「時かけ」の功介と真琴(この二人の子供がやっぱり野球をやってる?)なんてのも、キャスティングの遊びなんでしょうね。

あと、なんか書き残した事あるかな・・・とにかく、小ネタだけでもいろいろと語れる楽しい映画です。全体的な脚本とか構成、演出なんかは、もう私がどうのこうのいうようなレベルじゃなく面白くて、そして「ただ面白いだけの映画」なのでそんなところしか語ること無いんですが、ヒットしてくれるといいですねー。みんな観に行くんだよ!

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NHKオンデマンドの夏休み限定パック

NHKオンデマンドの利用状況が芳しくないらしいです。

ま、無理もありません。ほとんどの人はそもそも知らないでしょうし、知っている人のほとんども利用方法は知らないだろうし、知っている人もお金を払ってまでNHKの番組を見たいとは思ってないでしょうから。

「見逃し番組」も悪くないと思うのですが、「見逃した番組を見たい」と思わせるような仕組みがいるでしょうね・・・。そもそも、テレビで見逃したものをPCで見たいと思うかどうかは非常に疑問でしょうから、アクトビラフル対応テレビの普及が先かもね。ちなみにウチはケーブルテレビのJ:COMのオンデマンドサービスのひとつとして観ることができます。でも、見逃したニュースをわざわざ観ようとは思わないなあ・・・。だって、そのニュースを見逃したことを知ったということは、そのニュースはもう知ったわけで・・・大事なニュースならいくらでもまたやるでしょうしね。毎週楽しみにしている番組なら・・・録画してあります(笑)

NHKのライブラリの質は折り紙つきで、見たい番組もたくさんあります・・・が、1番組315円は高い。いや、別に315円でもいいんだけど、3日しか見られないのがありえない。おそらくレンタルビデオを目安に考えてるんだと思いますが、こんなの無期限でいいわけです。一度見た番組をもう一度見るなんてほとんどないに決まってるじゃないですか。ただ、気に入ったらリピートで見られるのなら考えます。「みんなのうた」に見たいのがいくつかあるんですが(「まっくら森の歌」みたいなあ)、3分105円かよと。105円払ってもいいから、いつでも聞けるようにして欲しいです。それでなくても、ログインしてマイページから選んでとめんどくさいのに。

そんなダメダメなNHKオンデマンドですが、夏休み限定パックができてます。これは値段も手ごろで視聴期間も長く設定されてます。「NHKスペシャル 宇宙 未知への大紀行」全話パックを買ってみました。9本で1785円、45日間観られるそうです。見逃していたシリーズだったので楽しみです。2001年の番組なのでばっつりハイビジョンで観られます。画面キレイだー。夏休みの間にゆっくりみたいと思います。

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サマーウォーズ(ネタバレなし)

今年の劇場公開アニメと言えばエヴァ一色といった感じですが、三年前に「時かけ」で感動させられた人にとっては、細田監督+奥寺脚本+貞本キャラ+マッドハウスという三年前と同じ体制でオリジナルの劇場映画が作られるとなれば期待をするなというほうが無理というもの。待ってましたよ、「サマーウォーズ」。また金曜日のレイトショーで観てきました。

まあ、エヴァは15年ごしの怨念みたいなものですから、純粋なエンターテイメントとしての期待値ははるかに「サマーウォーズ」の方が上です。そして、観終わった今も順位に変動はなし。エヴァも良く出来てたし面白かったけど、「サマーウォーズ」の勝ちです。

「時かけ」の時には、細田監督はまだ知る人ぞ知るといった感じで、「時かけ」への期待を表明する人は口々に「デジモン ぼくらのウォーゲーム」の素晴らしさを上げてました。「サマーウォーズ」は、ポケモンの二番煎じ企画の劇場版と角川を代表するタイトルのリメイクで実力を証明した監督が、改めてオリジナル作品でファンの期待に応えるという記念碑的な作品です。そして、見事な出来栄え。いやぁ、面白かった。

取り合えず、作品を観る上での予備知識はこんなもので十分。もうメタヴァース的な世界(要するに、SECONDLIFE的なモノです)もSNSもアバターも、ほとんどの人には説明不要でしょうから、この作品の位置付けだけわかっていればいっぱしです。

あなたが感動の一作をもとめているのならばご期待には添えませんが(「時かけ」期待して見に行ってがっかりな人には同情するけど、それはそういうものだな)、夏休みにすかっとする娯楽作品を求めているのなら満点を保証します。さあ、私を信じてすぐに映画館へGo!

それでは、ネタバレ感想でお会いしましょう(笑)

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破を観てきました(ネタバレほぼ無し)

「序」は素晴らしいことは判っていても凄くないことも判っていたので劇場には行きませんでした。重箱の隅を突っつくのはDVDが出てからゆっくり出来ましたし。

しかし、この「破」はそうはいきません。みんながネットに上げる感想を避けてまわるのも面倒です。が、混み混みの劇場で観るのも落ち着かない。そんなわけで、公開1週間後の金曜夜のレイトショーで観てきました。

もともと、テレビ版のエヴァは途中入り組んではいますが、大きく4つのパートに分けられます。

  1. 大怪獣活劇(代表的には6話)
  2. 楽しいキャラアニメ(代表的には9話、13話)
  3. 90年代的カタストロフアニメ(代表的には19話)
  4. キャラクターの存在意義を問うメタアニメ(代表的には20話や25話)

3番目の名前がしっくり来ないけど、「ぜーレの陰謀」とか「人類補完計画」とかそーゆーオカルトっぽい話の奴です。

で、一般にパロディなんかでよく使われるのは2番目で観たことがない人のイメージに一番近いのはコレでしょう。3番目がみんながのめり込んだエヴァです。そして、エヴァを社会現象までにした要素は確実に4番目。

2と3のつなぎ目、3と4のつなぎ目はかなり曖昧ですが(まあ、25,26話は4だけになっちゃうのでそこは判りやすいですが)、1は6話まででくっきりと区切られてます。6話はある意味、「エヴァI」の最終回です。

「序」はその6話までを使って、今後ベースにしていく方法論やスタイルを構築した作品でした。当時の絵コンテや原画を使用して2007年の技術で再構築するとどうなるかがメインです。特にDVDのメイキング映像を観るとびっくりなんですが、同じ絵コンテという素材をここまで出来るのかを見せつけられました。ただ、その物語から受ける印象は基本的にテレビのエヴァと同じです。

「破」は2番目と3番目が取り上げられてます。4番目の要素は最小限に抑えられています。また、テレビ版との大きな差として、今回は碇シンジの物語になっています。テレビではアスカ、ミサトも主人公扱いでした(レイはまたちょっと違う扱いですな)が、今回はアスカやレイは「シンジを取り巻く人達」として描かれていて、その内面的な葛藤は主題とされていません。

したがって、ストーリーとしてはものすごく判りやすいですし、そもそもテレビ版のエヴァのメタアニメ要素がキライだった人にとってはおそらく「あの頃に観たかったエヴァ」にもっとも近いものになっていると思います。逆に、私の様に「それ以外の部分も好きだけど、真にエヴァが凄かったのはメタアニメ部分だ」と思っている人にとっては何か物足りないものになっていて、例えば、東浩紀さんがブログで

ぼくはそこで、この作品を評価すべきだと思う、そして実際に評価する論理も作ることができる、しかしその欲望がわかない、というとても矛盾した感情を覚えたのです。評価するべきかどうかという判断とは別に、心がどこかで醒め強ばってしまい、動かないのです。

(中略)

ただひとつだけ言えば、それは結局、ぼくがこの新エヴァに、映像密度への驚嘆や批評的再構成への感嘆と反比例するかのように、「アツさ」や「ヤバさ」をまっ たく感じ取れなかった、ということを意味するのだと思います。これはぼくのきわめて個人的な感想ですが、とにかくそうなのです。

書いている理由は、今回の「破」ではエヴァの狂った部分であるメタアニメ部分がほとんどなかったからなんじゃないかと思います。

ただ、そうはいっても別に狂ったトコだけが好きなわけじゃないですから、それはもう楽しみました。言いたいことはイッパイあります。ので、それはネタバレ感想として別に書きます。

が、ひとつだけここであえてネタバレ要素を。ラストシーンのカヲルは台詞で「今回は」と言っています。つまり、このカヲルは「前回」を知っている・・・もうわかるな?

次の「急」あるいは「Q」が、まさに俺たちの観たいエヴァかもしれません。そういう意味では、楽しいエヴァはここまでかもしれないんだぜ?(笑)

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スタートレック

Stxi

前作、「S.T X ネメシス」の失敗、新テレビシリーズの「エンタープライズ」の打ち切りなどの影響で、実に久しぶりのスタートレックの新作となりました。今回から新シリーズということで一抹の不安がありましたが、ファンとしては単純に新作が作られたということが嬉しいです。

もっとも、私の世代はTOSよりはTNG以降の24世紀シリーズの方に馴染みがあって、上の世代のファンのカーク、スポック、マッコイへの思い入れはあまりよくわからなかったりしますけど。24世紀ものを見慣れていると、TOSの世界って無鉄砲でルール無用に見えるんですよね(笑)

さて、トレッキーではない普通の人から見てこの映画がどう見えるかということは、私にはもちろんちゃんと評価は出来ません。でも、割と良いんじゃないでしょうか。例えば、新シリーズの第1作目として、キャラクター紹介をちゃんとする必要がありますが、その努力は見受けられます。カークとスポック、そしてなぜかウフーラ(まあ、他にエンタープライズには女っ気がないしな)はちゃんと人物描写をされてます。十分です。他のメンバーは割とてきとー(笑)ですが、まあ、しょうがないといえばしょうがないし、この映画に関してはそれでちゃんと成功してます。でも、TOSの魅力ってスポックとマッコイという対照的なキャラにあるから、2作目以降でマッコイもちゃんと取り上げて貰えると嬉しいです。スコッティ、スールー、チェコフは・・・楽しい乗組員達の域を出てません。ファンは、出てくるのが判ってて、出てきて嬉しいってなものですが、知らない人にとってはなんでスコッティがあそこで出てくる必要があったのかは、さっぱり謎。ともかく、全体として良くできたSF作品になってると思います。大きく分類してタイムパラドクスものなんですけど、なんでこのストーリーにタイムパラドクスが必要なのかはファンじゃない人には実は意味がないので、その部分が少し判りづらいかもしれません。

お待ちかね。ここからはトレッキー様向けの感想です。ネタバレを含みます。ネタバレがイヤとかほざいてるトレッキーな諸君はまだ観てない方が悪いので心を入れ替えて、今すぐ見てくるといいよ!

この作品の最大のポイントは、この映画が「同じ設定で、ただ役者が歳をとったから新キャストで撮り直したTOS」ではないことです。この作品がタイムパラドクスものでなくてはいけなかったのは、有名なシリーズが故にこれまでに発表された他のシリーズ作品と矛盾してはいけないという制約から自由になるためです。

激しいオープニングシーンでファンは、おや?っと思わされるわけですが、この瞬間に実はこのストーリーはこれまでのシリーズの時間の流れから逸脱します。要するに、パラレルワールドものになってしまうわけです。そして、中盤にバルカン星が破壊されて、バルカン人が絶滅の危機に立たされてしまうところでファンはかなり茫然としてしまうでしょう。だって、23世紀のこの時期にバルカン星がなくなってしまったら、24世紀のあのエピソードもこのエピソードも成立しなくなってしまうじゃないですか。トゥボックは死んじゃったの??

そう、もうこのシリーズは私たちがよく知るシリーズとは別の宇宙の話なのです。

そのきっかけとなる事件を起こすのが、24世紀から過去へ飛んできた我々のよく知っているシリーズのスポック。これをニモイ自身が演じているのも象徴的。そして、この過去から来たスポックは結局、元の時代に戻らずにこの世界で生きていくことになります。つまり、これは我々のよく知っている、あのスポックの最後を語る物語でもあるわけです。

映画「ジェネレーションズ」では、TOSをベースにした映画のシリーズからTNGをベースにしたシリーズへ移行するにあたり、カークとピカードの二人のエンタープライズの艦長の共演(とそこで描かれるカークの死)が移行を象徴しました。今回の映画では、二人のスポックが二つの異なるシリーズを繋ぐことになります。

「オレの好きなカークは、やっぱシャトナーのカークだよ」というオールドファンにとって、スタートレックの歴史をよく知らず思い入れもない監督が、違うキャストで勝手に「俺トレック」を撮り始めたらいい気持ちがするはずはありません。しかし、物語の中でこの事件を起こしたのが我々の愛するニモイのスポックで、そのスポックがラストシーンで最後に艦隊を離れてバルカンの復興に努めようとする若いスポックに「艦隊を辞めてはいけない。カークと共にいなければならない」と助言するシーンは、「ジェネレーションズ」で一度座りかけたエンタープライズBの艦長席を若い艦長に譲ったカークの姿とダブり、感慨深いシーンとなっています。

要するに「俺トレック」を思う存分するための準備なんですが、これだけ今までのファンに対してきちんと仁義を切って、また作品中でも十分にファン向けのサービスを入れてくれていると、「うん、思う存分やってくれ」という気持ちにさせられます。この映画の一番嬉しいところはそこで、その意味ではこれは本当の意味でのこれまでのファンに向けた映画なのです。

全体的に楽しい映画ですし、あんまり考証も細かいことは言わずに(惑星ドリルの上は標高何mだ?そこでヘルメット取ったら即座に窒息死だ!)観ればいいと思います。建造中のエンタープライズや、士官学校でのカークの様子、コバヤシマル試験など面白いものもいくつか観られたし、転送技術が24世紀に比べて未熟なのも面白い(これがENTの時代だと、生き物はできるかぎり転送しないというレベルなんですが^^;)です。

ただ、あえて苦言を呈すならば、敵役がロミュランの穴掘りってのはどうも・・・。この時点でロミュランと遭遇してしまうのも設定的にどうかというのもありますが、連邦の宿敵(といってもドミニオン戦役後だから同盟を組んでるんですが)のロミュランがあっさり滅びて、その復讐をどっかの炭鉱夫がやってて・・・というのはちょっと話としてショボい。この役回りならロミュランでなくてもよかったし、なにより新しい世界の23世紀のロミュラン人達には迷惑ですよね(笑)。穴掘り船は格好いいんですけどね。

あと、どう考えてもこの流れでカーク、スポック、マッコイ、スコッティがエンタープライズの各リーダーになるのはおかしいでしょう(笑)。どんだけ人材不足なんだよ、惑星連邦。次作からカーク艦長(船長?)のエンタープライズの話にならなきゃいけないのかもしれないけど、さすがに興醒めですよ。

そして、この映画のタイトルなんですが、「スタートレック」は紛らわしすぎ。「スタートレックR」でも「スタートレック#」でも「またまたスタートレック」でも「スタートレック00」でも、なんでもいいからなんかこの映画を指す呼び方を決めて~(笑)

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今週はBSアニメ夜話 第12弾

今週はBSアニメ夜話の第12弾の放送があります

BSアニメ夜話

本日の夜から3夜、「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日」「海のトリトン」「攻殻機動隊 Stand Alone Complex」です。

さて、こういうのは予習しておかないとつまらないです。でも、「攻殻SAC」しか見てません。

Gガンで今川艦長の演出が大好きになった私なので「Gロボ」は気になっていた作品です。が、見てません。もともと横山光輝成分があんまりないのです。

そういえば、今、取り上げられるのはキアヌ・リーブス主演の「地球が静止する日」のリメイクに乗っかったんでしょうか?んー、偶然かも(笑)。これは、バンダイチャンネルで観られます。が、7本観るのは結構大変だぞ

「トリトン」は、富野監督の初監督作品で、かつ「皆殺しの富野」の原点(笑)とよく引き合いに出される作品ですよね。以前、岡田斗司夫さんがトークライブで「富野監督を御大と呼ぶぐらいなら、イデオンぐらい観ておけ」と言ってるのを聞いて、「イデオン」に挑戦し7話で挫折した私ですが、教養として観ておきたい気も。でも、BIGLOBEで配信していたっぽいんですが、配信終了って書いてありますね・・・。

お金払えば観られるんでしょうか?観られそうな雰囲気はありますが、第一話は無料配信されていた関係上、だめっぽ?そんなぁ。

さすがに27本観るのはイヤなので、誰かオススメを5話ぐらい教えてくれないかな(笑)

「攻殻SAC」は私は大好きな作品です。これも観ると大変ですが、逆にこれはオススメの回を紹介できますよ。1話「公安9課 SECTION-9」、2話「暴走の証明 TESTATION」、9話「ネットの闇に棲む男 CHAT! CHAT! CHAT!」
20話「善悪の彼岸 EQUINOX」を観れば語れます。笑い男事件は全話見てても複雑なので、エッセンスを知るには9話、20話でいいと思います。まあ、20話見ちゃったら先が気になりますけどね(笑)。

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東映チャンネルでクウガが放送

ディケイドの3話は割とよかったですね。2話がなんかグダグダ(というか、主役の頭がおかしい)だったので悲しんでましたが、3話でカッコつけてくれたのでまあ、なんとか許容点。お金がかかってることはよくわかりましたが、クウガがゴウラムに「超変身」するところは、ちょっと(残念な意味で)泣けました。

さて、こないだクウガが大好きだという信仰告白をしたところ、はてブなどで「呪われた。TSUTAYA行ってくる」などという素直な反応をなさった方がいてとても嬉しいです。しかし、それなりのヒットしたとはいえ、本放送から10年が経過し、その後のライダーとイケメンが溢れんばかりのシリーズに比べ地味な面が否定できないシリーズですから、「見たくても見られない」という人も多いと思います。悲しいです。

と、そんなところへCSの東映チャンネルで放送が始まりました。・・・いやあ、東映チャンネルを見られる方がどれぐらいいらっしゃるのかはわかりませんが、スカパーが見られる方は大丈夫。でも、有料です。すぐに申し込みましょう。

東映チャンネル TV特撮『仮面ライダークウガ(超古代語対訳版)』放送スタートのお知らせ

2/3から放送が始まっていて、第1回は・・・2/12(木)が最後の放送です。急いで申し込むんだ!

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チェ 28歳の革命

チェ・ゲバラって有名な人らしいですが、私は全然知りませんでした。文化系トークラジオLifeの特番で取り上げられていたので観てきました。

んー、ピンとこないです。「チェ 28歳の革命」では、チェ・ゲバラが革命を志した同士と共にメキシコからキューバへ渡り、ゲリラ戦の末に戦いに勝利するところまでがドキュメンタリータッチで描かれています。実際にチェ・ゲバラがその過程でどんなことをしていたのかがわかります。

医者として負傷者を手当てするゲバラ。銃を撃つゲバラ。リーダーとして隊を率いるゲバラ。脱走兵に厳しく接するゲバラ。志願者たちに「銃は持っているのか。読み書きは出来るのか」と問うゲバラ。寸暇を惜しんで小さなメモ帳に日誌を付けるゲバラ。

ただ、もともとキューバ革命やカストロやゲバラについての知識がない私にとって、そもそもキューバの何を変えたくてゲバラが戦っているのか。何がまずくて、それに対して何をしようとしているのかが何もわからない映画になっています。しかし、そういうことを描くことは「ゲバラに正義がある」というある種の価値判断の示してしまいます。おそらくはそれを避けるためにこういう形になっているのだと思います。このエントリの写真はYahoo 映画から持ってきたんですが、この国連での演説のシーンがある意味でそれを補完する役割があると思うのですが、ただ、このシーンもやはり「ゲバラとはどんな人物であったか」に重点を置いています。

この映画を観て、Lifeのインタビューでは「ゲバラがやったことについてどう思うか」であるとか、「現代の日本にゲバラがいたらどうだろうか」などの質問をしていました。しかし、この映画を観る限りでは、ゲバラに何らかの思想的な背景があったようには見えません。ゲバラは「何か」と戦っているのですが、それが「社会主義革命の実現のため」であるとは明確に語られてません。だから、「武力闘争とはどんなものか。どうあらねばならないのか」ということはよくわかる映画なのですが、ゲバラの実現しようとしている目的やそれに対する手段について観る側が妥当だと思う根拠があまりないのです。

今回の金融恐慌を受けての世界不況とたまたま時期が符合して、資本主義の行き詰まりと対比して語ろうとする語りがあるように思います。でも、「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」で鈴木プロデューサーがソダーバーグ監督にインタビューしていますが(とても面白いです)、その中で「8年前から作ってる。偶然だった」と言っているように、これはそういうレベルのメッセージを持っている映画ではないなと思います。

つまり、この映画は「方法」について、ある特殊な例について克明に記した映画です。ただ、「目的」がない・・・つまり「物語」がないので、ある意味、つまらない映画です。しかし、その「つまらない映画」で132分の映画を見せきってしまうのですから、見る価値がないとは思えません。しかし、やっぱこれは人に勧めるには難しい映画かもしれません。

そして、パート2の「チェ 39歳 別れの手紙」では、ゲバラの一生に意味づけをすることになるのでしょうから、否応なく「目的」に立ち入らなければならないと思いますが、どうなるでしょうか。そして、私は観に行くんでしょうか(笑)

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あなたがクウガを絶対に観たくなる呪いの文書

10年に渡るヒットシリーズとなった平成ライダーシリーズですが、その始まりとなったクウガは特別な番組でした。そこには、「今までと違うものを作ろう」という明確な意志とコダワリがありました。

まず、大事なのは怪人であるグロンギの設定。

これまでの怪人は、「世界征服の為に幼稚園のバスを乗っ取る」ようなトンチキばっかりでしたが、グロンギは「人間には理解できない理由で殺人をする集団」です。この「なんだか決まりがあるらしいが、よくわからない」感じが、魅力的でした。

まず、日本語をしゃべらない。言葉が通じてしまえば、理解できちゃうかもしれませんからつまらないですもの。しかし、唸ってるだけの知能指数が低い怪人も敵として面白くありません。そこで、彼らはグロンギの言葉をしゃべります。

実は、グロンギの言葉は、あるルールで変換された日本語なんですが、そのことにより

  1. 視聴者は何となく意味がありそうなことを言っていることは理解できる
  2. 怪人役の役者が、ちゃんと演技が出来る(自分の言ってることがわかる)

という効果があります。また、続けて観ている間にグロンギにはグロンギの中のルールがあり、そのルールに従って
「ゲーム」として人間を殺しているということがわかります。殺す人数もちゃんと数えていて、凝ったことに、使っている数は9進法です。

この辺りも劇中では露わに説明することはなく、それがグロンギの不気味さを表し、また、この世には「理解不能な暴力」がありそれとどう対峙するのかという普遍的なテーマを作っていました。

ちなみに、マニアックに観たい人にとっては、グロンギ語を解読することによりこの辺りの設定は全て知ることが出来ます。グロンギの間の人間関係なども実は見どころです。普通に見終わった後に、グロンギ語の対訳を見てみると面白さがより深まるでしょう。

そして、仮面ライダーの設定

クウガは主人公、五代雄介が古代遺跡の遺物を体に取り込んでしまうことにより変身する力を得たモノです。なので、別に変身するときにポーズを取る必要はありませんし、「変身!」といういう必要もありません。雄介が、「変身したい」と思えば変身出来ます。

ただ、そのように気合いをちゃんと入れない状態で変身すると、白い弱い姿にしかなれません。精神統一と、あと雄介の「変身するときにはポーズしたほうが格好いいでしょう」というノリで変身ポーズを取ることになります。そりゃ、変身ベルトがスポンサーのオモチャ会社から出ているんですから変身ポーズを取った方がいいに決まってます。それを、自然に設定に取り込んでいるところがキチンと練られている証拠ですし、そのことを主人公の戦う意志の表れとしてドラマに活かしているのは素晴らしい。

また、クウガは状況に応じていろいろな形態に変身しわけることが出来ます。

形態には設定で、「ドラゴンフォーム」「ペガサスフォーム」などの名前がついています。が、劇中の雄介はそんなことはわからないので「青の力」「緑の力」などと呼びます。形態の変更も、雄介が気合いを入れる為に「超変身!」と叫ぶことはありますが、それも間に合わないような場合では、何も言わずに臨機応変に変わります。いちいち見栄をきるようなこともしません。当たり前の演出がちゃんと守られます。そして、各形態を演出で非常に上手く利用します。設定が設定だけに終わらないというのは当たり前であって欲しいですが、実はなかなか実現出来ないことでもあります。

ちなみに、新しい形態が出た回では、ちゃんとその形態のオモチャのCMが初めて放映され、その形態の名前がわかるようになっています。ともすれば不親切になってしまいがちな番組をたくみにフォローしているのです。もちろん、CMで先に未放映の形態が出てしまうようなミスは一度もありません。当たり前のようで、きちっとコントロールされていないと出来ないことです。制作スタッフだけでなく、製作サイドやスポンサーも作品にきちっと向かっている証拠なのです。

そして、クウガでは警察もちゃんと活躍します。

もう一人の主人公ともいうべき一条刑事をはじめ、警察官達は不可思議な事件に真摯に対応します。これもこのシリーズの特徴です。グロンギを「未確認生命体」と呼び、クウガのことも最初は「未確認生命体」の一人だと考えていました。そこで、クウガは「未確認生命体第4号」と呼ばれます。

雄介は、自らの変身した姿を(グロンギがそう呼んだからという理由で)クウガと呼び、クウガの正体が自分であることを特に隠すつもりもなく振る舞うのですが世間一般ではみんな「4号」と呼ぶという設定は、実はヒーローものとしては
大変異例です。みんなに名前を呼んでもらえないヒーローなんて変わってますよね。

そして、最初は疑っていた警察官達も、徐々にクウガと共闘するようになります。死を恐れず市民を守ろうと怪人に立ち向かう警察官達の姿は感動的です。ともすれば、ヒーローの活躍を際だたせるための弱小な存在として警察官たちを描写してしまいそうなものですが、クウガの世界の警察は組織と建て前がちらつく大人の世界でもあり、かつ、子供達がそうあって欲しい格好いい大人の世界でもあるのです。

そして、クウガは仮面ライダーですからバイクに乗るわけですが、クウガが乗るバイクは警察から提供された白バイの試作品です。ストーリーの後半では、クウガと白バイ隊がカラーリングは違うものの同じバイクに乗って活躍します。想像しただけで格好いいと思いませんか?

バイクの話をしなきゃいけません。

仮面ライダーシリーズのバイクは、なんだか非現実的なスーパーマシンであることも多いのですが、クウガでは前述した通り、設定上は白バイで劇中でも(高性能ということになってますが)普通のバイクです。そして、意欲的な試みとしてバイクアクションが行われました。

トライアルバイクの元日本チャンピオンがスーツアクターになり、オフロードバイクで階段を駆け上がったり、ジャンプしたり。まさに、「ライダーがバイクに乗る意味」を画面上に作り出しました。ここでも仮面ライダーはバイクに乗ったヒーローであるというオリジナルシリーズへの敬意と、さらにそれをどう面白く見せるかという真剣な態度が感じられます。

また、オリジナルへのオマージュという意味では、バイクに乗り赤いマフラーをしたバッタ怪人、ゴ・バダー・バが登場し、(グロンギ語で)名乗りを上げて、ポーズと共に変身してくれます。初代ライダーをモチーフにした遊びの要素なんですが、何とも格好良く、また、その後の二人のライダーによるバイクアクションは番組を通じての見どころのひとつでもあります。

この様に、「バイクに乗ったヒーローが、悪の怪人と戦う」という基本設定を隅々まで練り込んであります。これだけのものを詰め込んで練り上げるのはやはり、準備期間が長く取れた初回シリーズだからこそなのです。

その中で紡がれるのは人を笑顔にすることを望み、強さと優しさを飄々とした態度の奥に秘めた男、五代雄介の物語・・・を、新人役者がやらなきゃいけないところが平成ライダーの一番厳しいところかも知れません。そして、クウガは名俳優オダギリ・ジョーと出会った幸運抜きに存在しえなかったでしょう。

いや、新人なので、そりゃヘタクソです。後のオダギリ・ジョーを知っている今から観れば、そりゃへっぽこです。でも、ちゃんと成立させてしまうだけの力を持っています。そして、オダギリが演じる五代雄介がこれだけ愛されることがなければ、最終話のサブタイトルが「雄介」になることもなかったハズです。ヒーローものとしては異例ずくめだった最終話の雄介の戦いをオダギリ以外の何ものも出来はしません。クウガが非凡な作品である理由の間違いなく一部は日本を代表する俳優の一人が主役であることに違いありません。

こうした必然と偶然の結果、奇跡のように生まれたのがクウガでした。

一度、成功してしまった後、抱える制約が大きくなってしまう後のシリーズには絶対にできない奇跡の存在です。はっきり言ってしまいましょう。平均してしまえば、平成仮面ライダーシリーズはよっぽどの好事家が薄目を開けて楽しむもので、まともな視聴者のまともな鑑賞に堪えるような番組ではありません。もちろん、いろいろな楽しみ方はありますし、平成ライダーを楽しんでらっしゃる方を貶める気は全くありません。

ただ、クウガだけがそんな前提無く、まともに観て楽しめる唯一の仮面ライダーです。子供番組の制約を全て受けて立って、それでも真正面から面白いモノを作ろうとしたスタッフの強い気持ちが伝わってくる、そしてそれが奇跡的に成功した作品です。

ディケイドがいい機会じゃないですか。アホらしくて笑っちゃうけど、なかなか楽しい番組もいいでしょう。イケメンが棒読みで戯れてるのが好きならそれもいいでしょう。

でも、クウガはちゃんと観たほうがいいです。仮面ライダーでもここまでちゃんと出来るってこと、知っておきましょう。そして、子供が観るんだから、ちゃんとここまでやってあげましょうよ。

ドラマは1クール、アニメも長くて2クール。1年かけてしっかりドラマをやるなんて、今や、オモチャに支えられる特撮ヒーローと大河ドラマだけの贅沢です。だからこそできることがあるってこと。やった人達がいるってことがステキ。

「仮面ライダー クウガ」はそんな番組でした。

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ディケイド

原作者の石ノ森章太郎の没後、『仮面ライダークウガ』から始まった“平成仮面ライダーシリーズ”。記念すべき10周年にして10作目となる本作のコンセプ トは、「10年に1度のお祭り」。番組の世界観で「10周年(=ディケイド)」を体現するという、そのストーリーとはどのようなものか?

おまかせ録画で勝手に録られてました。そんなわけで観てみましたが・・・えーっと、つまりこれは

仮面武闘伝 Gライダー

ってことでOK?

なんか、歴代平成ライダーが総登場らしいです。で、ディケイドさんはカードをベルトに差し込むことで歴代ライダーに変身できるのね。でも、私はクウガ以外は名前しかしらんのね。

で、なんか不思議な人が現れて

「9つの世界がどーのこーの。その世界を渡り歩いてどーのこーの」

という話をします。物語の冒頭で、不思議な人が現れて世界設定を語り「お前が世界を救うのだ」とかいうのって、考えられる限りもっともダサい、やっちゃいけないことのような気がします。でも、この語りが世界設定というより製作者の内情に聞こえるところが、なんかメタでファンキィ(笑)

脚本は會川さんらしいので、このバッタバタな世界を力業で何とかしてくれることを期待しますが、役者が大根なのはたぶんどうにもならないんだろうなあ・・・オダギリは最初から上手かったよなあ(>_<)

でも、久しぶりにクウガが観られて嬉しかったです。クウガが大好きだったから、その後も数年、毎年最初の数話だけ観たりしてたけどやっぱりクウガ以外はダメだったんだよねぇ。というか、クウガのようなクオリティのものを毎年作るのは、やっぱり無理があるんだろうなあ。クウガはたっぷりと準備期間があったと思うから。

というわけで、次回のエントリで、クウガが如何に画期的で面白かったかを説明したいと思います。

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ダークナイト

去年の夏のSF大会では、すでにあちこちの部屋で「ダークナイトがすげえ」という話がそこかしこから聞かれました。911以後、ハリウッドもさすがにあぱらぱーな勧善懲悪が許される雰囲気ではなくなり、世界秩序の名の下に根拠のない正義を振るうアメリカの迷いがここにはっきり出ていると。

で、そりゃあ観なきゃいかんなーと思いさっそく「ビギンズ」のDVDを買って観て、ほほーなるほどーと思い、さあ、それじゃあ劇場に行こうかと思った週に、浜松では公開が終わりました。カフン。

そんなわけで見逃していたんですが、DVDはちゃちゃっと買ってあったわけです。でも、長いし、いつ見ようかなあと。そしたら、文化系トークラジオLifeの「文化系大忘年会2008」でもやはり今年の注目作として話題に上がってました。最近、Lifeのサブパーソナリティの座を狙っているらしい(笑)荻上チキさんはかなり思い入れアリ派で、逆にcharlieは「エンタメとして良くできてるけど、批評するとこはなくね?」という感じらしいです。

そんな話を聞くと、やっぱり観たくなるわけで、やっとこさ観ました。

とにかくね・・・長い!150分ですもの。2時間半ですもの。

何で長いと感じるかと言えば、この映画は通常の意味でのエンディングが3回ぐらいあるんですわ。そのたびにカタルシスが裏切られるのね。「バットマンつよーい。事件は解決。悪は滅びた!」なんてエンディングはさすがに誰も期待してないと思うんですが、普通の映画なら「結末には考えさせられる」とコメントがつきそうなエンディング・・・が裏切られ、逃げた悪者を更に追い詰めて、「しかし、人間の信じる心の強さが・・・」なんてコメントがつきそうなエンディングすらも裏切られて、最後には何の救いもないエンディングになります。ぐったりです。

とにかく、敵役のジョーカーが理解不能の悪として描かれてるんですが、これが半端なくわけがわからない。なんで悪事をしようとするのか、動機はどこにあるのか、全然わからないんですが、確固たる悪なんですよ。ワケがわからないことになっちゃってる人だったらわかるわけですよ。ああ、逝っちゃってるのねと。でも、そういう理解すら拒絶するんです。

これは多分、笑いどころなんですが、あの顔とメイクについて自分語りをするシーンがあるんです。自分の顔はなぜこんなに恐ろしい傷があって、それが自分の犯罪の動機だと3回ぐらい語るんですが、毎回違うことを言うんですね(笑)。で、「俺の顔の傷が怖いか?この傷は・・・」って語るんですけど、そもそもそのメイクだと傷があるのかどうかすらわかんないっての!でも、どれも「今度はホント?」と思わせる説得力があるんですよ。観ていると、部分部分ではジョーカーの行動原理に納得しつつ、感情移入もできつつ、でもジョーカーが次に何をするかはまったく理解できない。全体を通してみると、もうなんだかさっぱりわからないという、とてつもない悪役。

そして、またジョーカーがことごとく痛いところを突いてくるわけです。予告殺人はするけど手を下してくるのは全部弱みを握った一般人だったり、テロを盾にバットマンに名乗りでろと言ってみたり、バットマンが見込んだ人物を悪の道にひきづりこんだり。バットマンは所詮なんの正当性もない、ただの金持ち正義オタクなので、こういう捕まえてぶん殴ってもどうにもならない敵をどうすることもできません。とにかくどうにもならないんです。

正義と、それを持って行う行為の限界をまざまざと描くという「それやって、観てる人は嬉しいのかいね?」という話なんですが、にも関わらずエンターテイメントの枠を出ていない。人によっては、「バットマンでしょ?アクション映画でしょ?何こんな小難しいのでどうしようというの」という感想にもなるでしょうし、「んー、バットマンじゃん。難しいこと言ってるけど、エンターテイメントでごまかしてんじゃん。答えないじゃん」という感想にもなると思います。しかし、アメリカでこれがタイタニックに続く第2位の興行収入を達成したということがアメリカ人のモヤモヤをよく表していると思いますし、まったく日本で話題にもならないというのは、こりゃまたどうしたものかという気になります。

日本のオタクは「日本人は美少女アニメ(あるいはロボットアニメ)でもこれだけのテーマを描ききってみせる」というところに誇りを持っていいと思いますが、アメリカ人はバットマンでこれだけのことが出来る。サブプライム恐慌でちょっと傾いてはいますが、ダントツで世界一の軍事力を持って金と鉄砲で世界の理不尽(と自分が思っていること)に立ち向かっていくアメリカが、ハリウッドでこういう映画を作り、それに多数の人が共感したというところに、どういう意味を見いだすか。少なくとも、これを観ちゃうとちょっと他のアクション映画はぺらぺらでまともに観られなくなっちゃいます。

テーマ的なことについてたくさん書きましたが、バッドモービルの脱出シーケンスやケータイソナー、冒頭の誘拐シーンなど魅力的なガジェットやシーンもたくさんあって、「観たことがない絵を作る」という「SFは絵だ!」的な出来も秀逸。ユーモアも大いに交えてありますし、役者もみんな魅力的。ほんと、貶すところがほとんどありません。

あ、惜しむらくは「ビギンズ」の時にはわりと可愛かったヒロインが・・・皆まで言うまい。

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ETV特集(11/30) 新しい文化「フィギュア」の出現

ETV特集のボーメさんの特集を観ました。「オタクは2次元」「コミケに行くのがオタク」という風潮がありますが、不思議と模型の国はその風の外だったような気がします。まあ、コミケで売ってる同人誌の圧倒的多数がエロであるのに対して、ワンフェスで売っているガレージキットの圧倒的多数が美少女フィギアというわけでもありませんしね・・・ないですよね?いや、行ったことないんで(笑)。そんな感じで一般的傾向として捉えづらかったのかもしれません。

模型の国は何と言っても最大派閥はガンダムなわけですが(ただし、ワンフェスはガンダムの版権が下りませんけど)、模型の国の人は、たとえホームグラウンドがガンプラでもカーモデル、AFV(戦車だね)、AIR(飛行機ね)、そして美少女フィギュアぐらいまでは「おんなじ国の人」と感じてると思います。それは単に「ホビージャパン」や「モデルグラフィックス」にどれも載ってるからってことですけど。載ってない鉄道模型とドールは違う国の人かな・・・

そんなわけで、迫害もされず(まあ、家族からはホコリする、溶剤クサイ、コンプレッサーうるさい、完成品や未組み立てキットがかさばる等の迫害を受けるんですが)、また、持ち上げられもしない分野でしたが、今回、美少女フィギュアの原型師としては模型の国の人なら知らぬものはないボーメさんが取り上げられました。模型の国の人に少なからぬ動揺が・・・あんまりないかな?

どっちかというと、ガンプラの世界がどうなってるのかの方が面白いかもとか(笑)

しかし、実際にスクラッチで60cm級のフィギュアを作っているところを観ちゃうと、さすがに「オタク、キモっ」で片付けられない迫力がありますわな。同人誌作ったり、精巧なコスプレ作ったりというのとは、ちょっとレベルが違うっつーか。ボーメさんだって「作る対象に恋をするんです」とか若干ヤバめな発言してましたけど、アレを観ちゃうと「そーだよね。そーじゃないと出来ないよね、そりゃ」と納得させる何かがあります。模型の国の人としてはよくわかりますけどね。1000円のガンプラだって、一通りの定番工作をきちっとやってちゃんと塗装したら1ヶ月ぐらいはかかるわけで、対象がよっぽど好きじゃないとそこまではやりませんもの。大抵のガンプラモデラーは、キットを買ってきて、仮組してみて、「ここをこういじったら・・・」「こういう塗装をして・・・」という妄想で楽しんでるわけですから(笑)

そういうモデラーのすごい面と、やっかいな面が伝わったのだとしたら、なかなか良い番組だったんじゃないかと思います。個人的にはすごく面白かったです。というか、ボーメさんってあんな人何だなあとか、「帽子でメガネ」からついたあだ名なんだとか(笑)

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スターウォーズ クローン・ウォーズ

1pop

ふつーの人にはかなり評判悪いだろうなーというような絵柄のアニメ版のスターウォーズ。エピソードIIとIIIの間。アナキン・スカイウォーカーが本当に銀河の英雄だった頃のお話です。

驚かされるのは、このソフビ人形みたいなキャラが出てこない、クローン兵とドロイドのシーンやメカのシーンの出来です。薄目で見れば実写のスターウォーズと変わらない・・・っていうか、もともと実写もその辺りは全部CGなわけで当たり前と言えば、当たり前なんですけどね。

おそらく人間も実写と見まごうばかりにやろうと思えば出来ちゃうわけです。が、それをするといろいろと権利的にマズいわけですよ。で、こういう、いかにもなキャラデザインになっているわけです。

ぶっちゃけ、すぐ慣れちゃうしね

むしろ、本編との大きな違うのは、その雰囲気。クローン兵達はかなり人間味あふれてるし、ドロイドもなんだか可愛い。よちよちのジャバ・ザ・ハットの息子も面白い。それに、あんまり深い陰謀とか心の闇とか暗黒面がどーのとかそういう話はないです。今回の悪役さんたちはいつものメンツなんだけど、悪巧みをして失敗して、「ええい、次はみておれー」な感じで帰っていってめでたしめでたし・・・ぐらいのゆっるーい感じです。字幕版で観たんですが、アナキンのパダワンになるアソーカがはすっぱな感じの女の子でアナキンの事を"Skyguy"って呼んだりするんですが、字幕が「スカぴょん」になってたりとこちらもゆるーく作ってあって楽しいです。

かっちょいいジェダイたちの大暴れを観る分には、あったまカラッポで観られて楽しいし、やっぱり、あのタイトルが出て、テーマが流れて・・・と心は振るわされまくり。ファンなら見ておいて損はないですし、どちらかというと夏休みの子供映画として最適な感じです。先入観なしに観ることをオススメしますよ。

早くも続編が噂されてますが、先にいくにしたがってやっぱり暗い話になっちゃうんでしょうね。気軽に観られる外伝第1作は、素直に楽しんじゃいましょう!

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崖の上のポニョ

「スカイ・クロラ」を観ての私の感想は、平たく言えば、「ああ、押井くんがやらかしとる。みんなは押井さんに、『ぶっ飛んだビジュアルと、エキサイティングなストーリーと、難解っぽいカッコイイ台詞回しの映画』を作ってほしいのに、なんで『マニアしかぶっ飛ばないビジュアルと、難解っぽいストーリーと、アホっぽい意味不明の台詞回しの映画』を作っちゃうんだろう。押井さんがもっとサービス精神旺盛な時期なら違ったんだろうけど、なんか模索中?」というものでした。一言で行って、押井さんの本気を感じなかったんですね。

模索中みたいです。

で、クリエイターとして期待されてる物のナナメ上をぶちかますとは言え、なんだかんだ言って富野由悠季さんや宮崎駿さんはもっとサービス精神があるよな。うん、この夏、アニメを観るなら、「スカイ・クロラ」より「ポニョ」だろう、やっぱり・・・と思いました。だって、あの「ぽーにょ、ぽーにょぽにょ、さかなのこー」の歌はものすごくキャッチーですしね。「とっとろ、とっとーろ」とやってることは同じですが、やっぱ夏休みのアニメだしね!

というわけで、観てきましたよ、「崖の上のポニョ」!

・・・悪い夢のようなアニメでした

もうね、なんだかわからないんです。ルールがないんです。というか、何が辛いって、ルールがありそうなのに守られないんです。破綻しまくってます。

子供は素直に観られるのかもしれない?いや、あれをナチュラルに観られるのは学童未満です。小学生はもうダメでしょう。マンガを読めるレベルにまで成長してたら、キツいと思います。マンガがわかるということは、何をどのレベルまで抽象化して表記するという作品内でのルールを(無意識のうちにでも)習熟しているということなのです。

まず、観客は無意識のうちにもこの世界のルールを認識しようと考えると思います。例えば、主人公の赤くて可愛いへんてこな生き物は、この世界では何なのか。歌で「魚の子」と言われているので魚なんだろうと考えます。ソースケと母親のリサは、この生物を「金魚」だと言い、「かわいいね」と言います。冷静に考えて、どう見ても観客には金魚には見えませんが、「そういうものなんだな」と思います。ところが、途中でおばあさんに「人面魚」だと言われます。いやあ、そう言われてしまえば、人面魚です。あり得ない生物です。考えられるのは

  • この世界では、ソースケとおばあさんでは、見えているものが違う
  • この世界では、人面魚は普通に存在していて、ソースケは人面魚を「金魚」と呼んでいる

他に、微妙に違う解釈がいくつも有り得ます。この先、「どれ、なんだろう?」と推測しながら観ることになりますが、結局なんだかワケわかりません。こういう点が山ほどあります。例えば、ポニョは魚に変化した波の上を走ってソースケに会いに来ます。でも、これは魚なのか、波なのか。ソースケには魚に見えてるけど、母親のリサはそれを波だとしか考えていない。でも、リサにはそれが波にしか見えてないのか、単に運転に必死で魚になったところを観てないのかがわからない。その結果、この世界のルールが伝わってこない。ポニョは魔法を使うとき、人間から両生類(というか、カエル)へ戻りますが、そこに何かのルールがありそう・・・だけど、わからない。そもそも、建物まで全部フリーハンド、手塗りだったりするもんだから、どこまでが抽象化された存在なのか、絵柄からも掴めない。「海で拾ったポニョを、水道水につけたら死んでまうんと違うか?」とかは、もう、ものすごく些細な問題ですよ

少し大人な観客(小学校高学年ぐらい?)は、ストーリーを把握しようとすると思います。ポニョが助けられる。助けられたポニョは、助けてくれたソースケに会いに来る。ところが、そのことが図らずも大災害をもたらす。ここまではいいんです。当然、ストーリーとして、「なぜ大災害が起きて、そして、これをどう解決するか」が要になります。ところが、観た人は、ここを誰一人として説明できません。なんとなくそれっぽいものはあるので、「まったくわからない」という作りにはなっていません。が、やっぱりわかりません。そして、ソースケは5歳児なのでそもそも論理ゼロ。こんな重いストーリーを担う資格が全然ありません。ポニョに至っては、「ポニョ、ソースケ、好き」と繰り返し、疲れたら寝るだけです(笑)。そして、さらに周りの大人もまるでダメダメです。突然の海面上昇という大災害のなか、母親に会いに行くとちっこいボートで5歳児がうろうろしているのを見かけたら、大人は保護してください。「健闘を祈る」とか言ってる場合じゃないよ!だれか、この状況を真面目に考えて!

んで、「ソースケの活躍で、世界が救われる」とか言う登場人物はいるんですが、なんでかはわからないし、本人に自覚もありません。しかも、なんかよくわからない決断をソースケに促し、勘違い丸出しの回答を引き出し、これで世界は大丈夫って言うことになるんですが、最終的に画面上でも何も解決したように見えないんです(笑)。おばあちゃんが元気になっただけ。なのに突然エンドクレジットが流れ出してしまいます。

「うぉい、ここでおわるんかい!」

と、思わず声が出ました。NHKの番組で散々悩んでいたラストシーンも、別にストーリー上の意味はありませんでした。なんじゃそりゃー。

さらに大人な観客は、テーマを考えます。

  • 海の精霊の化身の子の好物がハム
  • 仕事から帰ってこない父親(小金井丸に乗ってるだよね・・・小金井かー)
  • 母親を子供が名前で呼ぶ
  • ゴミにまみれた海
  • 地球温暖化を思わせる海面上昇による水没した世界
  • 人間であることを捨てて海の精霊に身を捧げた男
  • 海の果てにある船の墓場

テーマがありそうなネタがゴロゴロしてます。でも、それら同士が全然整合してないし、ストーリーにも結びついてないんです。どこを拾っていいのかさっぱりわかりません。ごった煮。

とにかく、完全に支離滅裂ならまだいいんですが、部分部分は整合しているのに全体は破綻している。ホントに朝起きて思い返す自分の夢のような、そんな映画なんです。

で、やっかいなのは、じゃあこれは幼児だけが楽しめるまるっきりの童話なのかと言えば、だったら100分も要らないわけですよ。100分の童話は退屈極まりないです。しかし、この100分間、私は楽しむだけ楽しみました。どちらかというと、抽象絵画を鑑賞するとか、交響曲を聴くのに近い感覚です。

確実に受け取るべき「何か」はある。でも、それをストーリーにもビジュアルにもキャラクターにも託さず、未整理の脳内イメージのままぶつけてこられても圧倒されるだけです。そういう意味で、これは「宮崎さんのみた夢」、それも悪夢の類なんです。確かにビジュアルがすげぇので幼児は喜ぶかもしれませんが、幼児に与えるには高度すぎます。幼児に抽象絵画見せてもしょうがないですからね。しかし、これを、きっぱり起きた状態で(しかも、素面で)作ることが出来るんだから、宮崎駿は天才です。

私は、アニメーター、あるいは演出家としての宮崎駿は天才だと思っていました。しかし、映画監督としての宮崎駿が天才かどうかは疑わしいと思っていました。宮崎さんのアニメを観て、映画全体が固まりとなって己を揺さぶってくる体験をしたことがないからです。動きは素晴らしい。このシーン、あのカットはすごい。でも、全体はと言われると、うーんというのが、宮崎さんのアニメです。「もののけ姫」は微かにその気配がしていましたが、それ以後の作品ではまた引っ込みました。

しかし、「ポニョ」はすごい。これが作れる人は他にそういません。もしかしたら、リミッターを外した富野さんは作れるかもしれませんが、あの人は頭が良すぎるからダメでしょう。それに、リミッターを外した富野さんはきっぱりキ○ガイでしょうから、そもそも集団作業で作品が作れるか怪しい(笑)

と、書いていたら、竹熊健太郎さんが似たようなことを書いていることに気がつきました。

さすが、竹熊さん。私の文章よりだーいぶ深くて、かつわかりやすいです。

で、「結局、この映画はなんなのよ?」って事なんですけど、NHKの例の番組を観る限りはこういうことなんだと思います。

NHKの番組から、このアニメは

  • あるイメージボードから始まった
  • 作画に入っている時には、ストーリーは決まってなかった
  • 宮崎さんの溢れるばかりのサービス精神によって支えられている

等のいろいろなことがわかりましたが、要するにこの映画を支えてるのは以下の二点だってことです。

一つめは、この映画のメインビジュアルは、「津波に乗って愛する男の子のところへやってくるポニョ」のイメージボードであるということです。一番やってみたかったのは、このシーンなんでしょう。これを書き終えた宮崎さんは、「ああ、怖い。いや、可愛い」とつぶやきます。つまり、ここで言いたいのは「女は怖いが、そんなところが可愛い」であって、それ以上でもそれ以下でもないらしいってこと(笑)。そのつもりで、あのシーンを見ると物凄く納得です。めちゃめちゃよく伝わってきます。なんかついでに世界が破滅してる気がしますけど、そんなことはどうでもいいわけです。で、あそこがクライマックスなので、ホントはあそこで終われば良かったわけです(笑)。尻切れトンボな印象はそのせいです。

二つめは、「ゲド戦記」を通じて息子という存在と向かい合う必要を感じたらしいということです。ただ、コッチは見事に失敗しています(笑)。表現を失敗したんじゃなくて、結局、息子にどうなってほしかったのか、どうあって欲しいと思っているのか、わかんないんでしょう。そういうことが良く伝わってきます。わざわざ、崖の上の一軒家に母子を置き去りにする父親を用意して(しかも、小金井丸に乗ってるんだから、この父親はやっぱ宮さんなわけですよ)、強い母、聡い男の子を用意して・・・と、舞台設定は用意した。で、宮崎さんは、このソースケにどうなって欲しいのか、どう成長させるつもりなのかが焦点です。このソースケの物語がメインストーリーになるはずなのです。ストーリーがワケワカなのは、このせいでしょう。どれだけ世界観が暴れ狂っていても、ソースケが意志を持って、何かを成し遂げるストーリーがちゃんと維持されていれば、こんなに「ぽかーん」な映画にはならなかったと思います。

番組内で、どんな映画にしたいかとの問いに「(難しい話じゃなくて)ポニョはかわいいね、ソースケは偉いねって映画」と答えていましたが、ポニョは自分でも可愛いと思っているので、前半は成功してます。ただ、後半は、ソースケ(=息子)がなぜ偉いのか、どういう局面で何をする子になって欲しいのか、本人がイマイチわかってないようで見事に失敗。でも、船員の帽子をかぶせてみたり、投光器での信号を教えて「あの子は天才だ」って父親に言わせてるあたりに、なーんとなく滲みでてる気はするんですけどね。素直じゃないですねえ。まあ、別に天才だからいいです(^^;

ちなみに、NHKの番組では、もう一つの軸として宮崎さんの母親の話があって、それがトキとのラストシーンに結実したという番組構成になってましたが、これは怪しいです。というか、そこに宮崎さんの興味が集まっていたならコンテが書けないわけがないわけで、出来上がったものを観てもやっぱりそれほどのものにはなってません。どちらかといえば、ソースケがさっぱり主役の資格を得ないので、物語を終わらせるために無理矢理に作ったシーンになっちゃってます。なくても良かったね、このシーン。いや、ないと終わらないんだけど、終わらなくてもいいかなと。

というわけで、この映画。評価が大変に難しいんですが、本来あるべきストーリーが破綻・・・というより消失しているという意味で失敗作と呼ぶこともできると思いますし、「つまらない」「ストーリーのわけがわからない」「登場人物が無責任すぎる」という感想もむべなるかな。しかし、その欠点を抱えていることすら作家性の一部でありえるわけで、宮崎駿の作品としては完全なもの、宮崎さんがすべてを貫き通したと言えるものになっているんじゃないでしょうか。しかも、自分の中に内在するテーマでこれだけのものを成し遂げている。傑作と言っていいとも思います。

・・・が、みんなが宮崎さんに期待しているのはコナン? それとも、ナウシカ? いやいや、ルパン?子供連れならやっぱりトトロ?

期待されてることをやっていないという意味では「スカイ・クロラ」と同じではあります。ただし、宮さんは本気も本気。ドマジです。で、作家性を除いた、アニメーションのクオリティという部分で「スカイ・クロラ」と「ポニョ」はどちらも素晴らしいことも間違いないし、その辺りは実はこの二人にとって「ちゃんとクオリティの仕事する」っていう以上の難しさはないわけです。もちろん、このお二人が苦労も無しにやっているわけじゃないし、それが出来ない人だっていっぱいいるし、どちらも方向性は違うけれど新しい挑戦がある。それだからこそどんどん次の仕事が出来るわけですけどね。でも、やはりファンである以上、本気の作品が見たい。そして「ポニョ」にはそれが観られたという満足感があります。

まあ、押井さんには「次回作に期待」と言えて、宮崎さんには「ありがとう。余生をどうぞ楽しんで」としか言えないんだから、しょうがないかもしれないんですけど。一応、引退するって言ってますからね。「もののけ姫」の時にも聞いたし、信じてないけどね!でも、ジブリは宮崎駿が存命の内に、後継者をどんどん育てないとだめだから、もう宮崎さんの映画作ってる余裕はないと思うぞ

それにしても、劇場で子供が結構泣いてたなあ。怖かったんだろうなあ(笑)

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スカイ・クロラ(そのに)

さて、うっかり初日に観てしまった「スカイ・クロラ」について語りましょう。まだ公開して10日と経ってないにもかかわらず、ネタバレして書きますので観に行くつもりの方はご遠慮を。まあ、ストーリーを知った上で見たからといって、何かが失われるかといえば、それも疑問ですけど。

失敗作だったのか

夏休みの劇場アニメとしては、確実にダメでしょう(笑)

原作の映画化としては、原作ファンの期待にはある程度添ったのではないでしょうか。原作をあえて読まずに行ったのですが、原作を読んでいたドック(仮名)は「空戦シーンで何をやってるのか、原作ではよくわからなかったから、それがわかったのは良かった」との事です。後で原作も読んだので、なるほどという感じです。あ、原作は割と面白かったかもしれません。私には映画より原作のテーマの方が好きです・・・という話は後ほど。

で、肝心の押井映画としてですが・・・こんなものかなという感じです。ある意味、「またこのネタですか」という面もあるし、この映画から何か受け取るものがあるかと言えば、もういまさら、ないです(笑)。でも、キライかと言われればそんなこともない。情念と観念がとぐろを巻いてほどけないままの「イノセンス」に比べ、シンプルにまとまってすっきりとした構造の劇映画に収まってます。原作があるからかもね。

でも、もう少しエンターテイメントを指向しないのかな

空戦シーン

で、この映画でもっとも「あたまカラッポ」で楽しめる部分と言えば、何と言っても空戦シーン。プロペラが後ろにある「散香」の大きな垂直尾翼や逆ガルウィングもカッコイイし、スカイリィもいいよね~。カメラの追い方も抜群にいい!画面がごちゃごちゃとせず、どちらがどこにいて何が起こっているかちゃんとわかるってのはすごい。機銃から薬莢がばらばらこぼれるシーンや、墜落する機体を追いかけたカメラが湖面に水没する演出などはピカイチです。さすが「空戦は宮さんよりすごいものを作るよ」と言うだけのことはあります(笑)

それに、やはり川井憲次の曲にのって戦闘シーンが始まれば、そりゃもうノリノリさ

ただ、何で戦ってるのかは、さーっぱりわからないんですけどね

設定はほったらかし?

世界観というか、設定についてはなんも語りません

 カンナミ・ユーイチは、戦争請負会社ロストック社に所属する戦闘機のパイロット。前線基地「兎離洲(ウリス)」に配属されてきた彼には、それ以前の記憶がない。彼にわかっているのは、自分が《キルドレ》であることと、戦闘機の操縦の仕方だけ。空で戦うこと——それがユーイチのすべてだった。

 基地の女性司令官クサナギ・スイトも、かつてはエースパイロットとして空で戦ったキルドレのひとり。スイトについては、「ユーイチの前任者を殺した」「キルドレなのに子供を産んだ」……と、さまざまな噂が飛び交っている。そんなスイトに惹かれていくユーイチ。初めて会ったはずなのに、まるで彼を待ち続けていたかのような視線を注ぐスイト。二人の距離が縮まるのに、多くの言葉も、多くの時間も必要なかった。スイトは、思いもかけない言葉を口にする——「殺してくれる? さもないと、私たち、永遠にこのままだよ」

 一方、基地を取り巻く戦況は日ごとに激しさを増していった。彼らの前に立ちはだかるのは、ティーチャーと呼ばれるラウテルン社のパイロット。仲間たちが次々に撃ち墜とされ、基地に新たなパイロットが増員されてきたとき、ユーイチは新任パイロットが新聞を几帳面に折りたたむのに気づく。それは、ティーチャーに撃墜されて戦死した同僚、ユダガワの癖そのものだった。

 このことは、いったい何を意味するのか——?

 蘇ってゆくユーイチの記憶。キルドレが背負った運命の真実。「殺してくれる?」と言ったスイトの言葉の意味。すべてが解き明かされたとき、ユーイチは自分達に課せられた運命に立ち向かう決意をするのだった。
「ティーチャーを撃墜する」

これが、公式サイトに載ってるストーリーなんですが、えっとね、これ、映画の98%ぐらい語ってます。で、やはり観ている人にとっては、何でこの人達は戦っているのかとか、誰と戦っているのかとか、そういうものが気になります。でも、それは何の説明もなし。公式サイトには用語集的なものもあって、一応説明はありますが劇中では説明なし。要らないんですね。

キルドレ

キルドレという言葉は何度か出てくるんですが、「このことは、いったい何を意味するのかーー?」じゃないだろうと(笑)。これだけ読めば、バレバレ。要するに、人間性を支える何かが肉体を越えて存在するという、攻殻の義体とゴーストの話を同じです。キルドレは思春期のまま成長しないという設定ですが、「思春期である」というよりは、単に人形であるというようにしか見えない。つまり、今生きている現実は本当に現実なのかという、いつもの押井さんの世界なんです。原作の方のキルドレはもう少し違うとらえ方をしています。原作のキルドレは、若い奴が「今日より明日がいい世界だなんて思えない」と感じていることを反映しています。今日と同じ明日が無限に続くという感覚。「私たちには運命はないの」というクサナギの台詞。その日々は戦争でそこで死なないと終わらない。それが成長しないキルドレという存在に反映されているんですね。

しかし、映画では「死んでも終わらない」になっちゃってます。確かに原作でも、ユーヒチはジンロウの記憶を移植された存在であることが匂わされてます。しかし、映画ではそっくり同じになっちゃってる。つまり、肉体はいくらでも同じ物がある、クローンのような存在だとされているわけです。ここは大きな差であり、その差が原作と映画の結末の違いに繋がっているわけです。

映画のラストシーン(エンドロール後)では、ユーヒチが死んだ後、またユーヒチそっくりの新人パイロットが補充されてきます。アニメファンはみんなティーチャーと対決して死んでいくユーヒチに「私が死んでも代わりはいるもの」とつぶやき、ラストでは「多分私は3人目」と思っていたと思います(笑)

役者を声優として使うこと

そんなわけで、途中から原作とはかなり大きな演出上の変更があるわけですが、余計に登場人物たちが捕らえにくい存在になってます。原作は今と違う位置に進めないキルドレであるクサナギもユーヒチも、シニカルながら生きた人間です。ところが、映画ではもうすこし温度が低い。で、こんな役をするのは大変だとは思いますが、出演者の演技も成功しているとは思えません。というか、一切の感情が出ていないというか、会話が噛み合ってないってレベルです。全部別録りか?というぐらい。

オープニングはユーヒチと笹倉の会話からですが、もう、この瞬間から絶望的。このレベルの芝居の要求を声優が本職ではない役者さんに求めるのは無理ですよ。榊原さんの台詞の生きた感じと、加瀬さんの死にきった演技の待避がすごいです(笑)。アニメ声の声優が雰囲気を壊しそうってのもわからなくもないですが、失敗してるように思います。クサナギの菊池さんは頑張っていたように思います・・・が、これも役の問題かもしれません。

犬 鳥 魚

さて、押井作品といえば、犬と鳥と魚。今回は犬しか出てきませんでした。飛行機が鳥のようなものだと言えば言えなくもない?犬が映っている時は、平和なシーンというお約束で、降りてくる飛行機を毎回迎えてくれるガブが可愛い。

小ネタ

  • モデルグラフィックスを読んでるシーン、みんなわかったかな?
  • 麦人の作戦説明シーンに、トレッキーはみんな喜んだ
  • それにしても、原作もそうなんだけど、クサナギにジンロウって・・・。しかも、原作には「笑い男」が引用されてるし!
  • 綺麗にたたまれる新聞は、読売新聞。スポンサーなんですね。どういうニュースが出てたかも、意外と興味深かったです
  • ちなみに、FF XIプレイヤーにはどうしてもSky Crawlerと観ると、イモムシにしか思えない。S芋ですよ(笑)
  • お馴染みの魚眼レンズはユーヒチが自分がジンロウの(というか、ジンロウと同じ)クローンだと悟るシーン。えらく親切です。

まとめ

押井作品としては、小粒でキレのある佳作です。

押井守の映像がどんなものか知りたいという人の入門編としてはいいかもしれません。映像は文句なく素晴らしいですし、とっかかりとしてはいいでしょう。こういうテイストが好きで、ちょっと琴線に触れたならどんどん押井さんの過去の作品を見てください。

押井ファンにとっては、既定路線。ああ、押井さん、まだ生きてるなと(笑)

原作ファンにとっては・・・一番大事なテーマのところを変えちゃってますからね。ここは原作ファンに聞いてみたい。nacもドック(仮名)も原作は既読だったんですが、原作ファンじゃありませんでしたから。

普通のアニメファンにとっては、ゴミ以下の作品でしょうなぁ。違う作品を見に行きましょう。

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スカイ・クロラ

「イノセンス」以来の押井守、4年ぶりの長編アニメ映画です。

私は「イノセンス」を劇場で観ているはずなのに、このブログに感想を上げてません。DVDも買っていません。「立喰師列伝」のDVDを買うほどの酔狂だし、押井監督のファンだと思っていますが、「イノセンス」には作画的、あるいは演出的な魅力以外の、惹きつけられるものを感じませんでした。攻殻S.A.C#3 S.S.S.を観たときに、「こっちのほうが面白いなあ」と思っちゃいました。

「イノセンス」的なのも押井監督の魅力の一部だと思いますが、押井監督にはもっとエンターテインメントをやって欲しい。なんだかんだいって宮崎駿も富野由悠季ももっと「観客を楽しませる」ということを考えていますが、押井監督は「どうやったら、この作品が成立するか」を考えているんですよね。成立するという意味には「ちゃんと最初から最後まで観客が消化して見終えることが出来る」ということを含んでいるとは思うんですが、逆に、自分がこれを面白いと思って作っていない気がするんです。

おそらく、押井監督の中から内在的にわき上がってくる「おもしろさ」というのは、どちらかというと「本業」ではない実写の方で追及されているんだと思います。実際、実写の方が実験的なことをするには楽なんですよ。アニメは実写に比べればトンデモなく手間がかかる物。でも、実写は10分撮ったら、それが10分の映像です。アニメで10分の映像を作るのには、なんせ何千枚と絵を書かなきゃいけません。そして技術の進歩により、撮った実写もアニメのようにコマに分解して加工・修正がいくらでも出来るようになりました。

去年のSF大会で、「アニメと実写を順番にやるつもりだったが、同時に作ることにした。アニメのスタジオ体制は作り続けていないと維持できないし、一度、解散してしまうとなかなか取り戻せない。だから、どんどん作る。(ジブリの)鈴木プロデューサーとも約束した。そのために、どれだけ自分が手を下さなくても自分の映画になるかということを追及してきたし、わかってきた。だから、やれると感じている」と言ってました

という話をふまえて、「押井さん、次は『スカイ・クロラ』をやってるらしいよ」と聞いたときの私の期待値の低さは、まあ、想像してもらえばいいと思うんですよ(笑)

はぁ・・・相変わらず、前置きが長いなぁ

というわけで、「まあ、公開中に劇場へ行くんだろうなあ」とは思ってました。なんだかんだ言ってもファンですからね。全然楽しみにはしてないですけど。そこへ、nacが「観に行くけど、一緒に行かね?」と言います。そうね、nacとなら観た後、一緒に文句も叩けるだろうと。昔、怪獣映画ファンがこぞって正月にゴジラを観に行っては、「今年のゴジラがいかにダメだったか」を楽しそうに毎年語るってのが年中行事だったなんて聞きますけど、そんな感じですよ。あー、はいはい。行きましょう。他に誰か行くかい?あら、ドック(仮名)も行く?Fummyも行く?物好きですな。

そして、約束の日の3日前ぐらいに知りました。え、行く日って、初日なの?あああ、なんか初日に行くってすげー楽しみにしているみたいで悔しい!

さすがに初日は満員ですよ。2時間。見終わりました!

Tam「さぁて、反省会行くか~!」

Dok「こんな映画を観ちゃったっていう反省?」

Tam「違う!反省するのは、押井くんに決まってるだろう!」

というわけで、「勝手に反省会」の内容は次の更新をお待ち下さい(笑)

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「プロフェッショナル 仕事の流儀」のポニョ特番

8/5の「プロフェッショナル 仕事の流儀」は、宮崎駿密着のポニョ特集でした。

かなり長い間取材をしていて、「ゲド戦記」公開の後ぐらいに一度、放送されています。その時は、まだ「崖の上のポニョ」は、イメージボードの状態でした。今回は、その後、ポニョ完成までの部分です。

何より驚いたのは、コンテが描き上がる前に作画がスタートしていること。通常の劇場アニメであれば、まずシナリオがあって、それを(多くの場合、複数の)演出家によって絵コンテにして、それを監督が直して次に作打ち(作画打ち合わせ)という順序になるはずです。それが、シナリオはなく絵コンテから作り始めて、完結しないまま作業するんだからすごい。いやあ、少々

つじつまがあってなくてもしょうがない

よな、これは。要するに、普通はシナリオやコンテの段階でプロデューサーなりのチェックが入るわけですが、ポニョの場合、宮さんが自分で「これでいい」と決めたらその後、誰も「いや、これはマズイでしょう」って言う人がいないって事かも。それはそれで、いろんな意味で大変ですよねえ。

そして、原画チェックもすごい量をしていますよね。めちゃめちゃ直してるし。ウチらの仕事で言えば、社長が全部仕様書を書いていて、コードレビューも全部してるけど、仕様書はまだ全部できてない・・・みたいな状態ですからね。こわぁー(^^;;

そして、今回はCGなしの全部手書きが強調されてました。世間様的には、「今どき手で描くなんて、素朴な味わいで・・・」という感覚なのかもしれませんが、そりゃ、ジブリのレベルのアニメーターを揃えてお金も潤沢にあったら、みんな作画したいよそりゃ(笑)。一番枚数がかかったカットとして、12秒で1600枚以上の動画がかかったシーンが紹介されていましたが、30分アニメで普通、1話3500枚ぐらいです。何て贅沢!くらくらきます。で、それだけの価値のあるシーンなのかはそのカットだけ見てもわかりませんでした。

いやあ、でも、この番組は間違いなく面白かった。これだけ好き勝手にやっていても、それでもやっぱり締め切りには苦しんでいるし(笑)、みんな大変なんだなあと思いますよ。ポニョは、やっぱ見に行かないといけないなあ

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ザ・マジックアワー

もはや、日本を代表するコメディ作家の巨匠とも言うべき、三谷幸喜の最新作です。観に行かないわけには行きますまい!さっそく、観てきました

さて、今回の「ザ・マジックアワー」も三谷さんのお得意のパターン。それも「幕が上がったら、芝居は待ってくれない」という舞台裏ものの黄金パターン。演劇の「ショウ・マスト・ゴウ・オン」、ラジオドラマの「ラジオの時間」、ミュージカルの「オケピ!」といろいろなパターンがありましたが、今回は映画。

ただし、ボスに「自分を狙った殺し屋を連れてこないと、お前を殺す」と言われたギャングが、映画の撮影だと騙して売れない役者を連れてきて役者とボスを両方騙すという、ひねくれた設定。そんなのうまくいくわけがないじゃんって?

だからおもしろいんじゃないですか!

とにかく笑った笑った。映画館で声あげて笑いっぱなし。周りのお客さんと一緒に爆笑できるのはいいですね。

それにしても、さすがにこのスタイルで長年やっているだけあって、今回の脚本はホント、カンペキ。よく、「観客がわかりやすいものを求めるようになって、三谷作品のようなウェルメイドなものがもてはやされる」と否定的に語られたりするんですが、なんのなんの。確かにウェルメイドで、最後は期待するところへ持っていってくれるんですが、仕掛けも複雑だしキャラの絡み合い方も絶妙。そして、その類い希なるサービス精神は、劇中で「そういえば、アレはどうなったんだろう?」と思ったところはすべて掬い上げてあります。もう、ラストのアレはストーリー上、不要なわけですよ。でも、わざわざ見せちゃう。その為の伏線にコレがつかわれるなんて、もう、なんてサービス過剰!

また、例によって今までの三谷作品に出てきた役者さん達が、沢山出てきます。カメオ的な出方をしてる人も沢山いますので、ちまちまとチェックすると楽しいです。「新撰組!」の局長も副長も出てたのが嬉しかったなあ。ついでに伊東甲子太郎もね!(笑)

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ネガティブハッピー・チェーンソーエッジ

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ - goo 映画
ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ - goo 映画

アース」を観て、まだ時間が余ってたので2本目。またも消極的なセレクションだったんですが、アタリ引いたYO!

原作は「N.H.Kへようこそ」の滝本竜彦。本質的にオタクってある意味ミーハーであるべきだと思っている私は、「N.H.K」の自虐ひきこもりテンションにはあまり共感を持てない(んでちゃんと読んでない)んですが、「ネガティブハッピー」は、綿矢りさの「蹴りたい背中」の男性版のような、"黄ばんだ青春モノ"として好きな作品です。デビュー作ということで加わっているメジャー感とか、ポップさのようなものが好ましい方向にいってるて事なのかなあ。

ちなみに、滝本さん本人は長らくどんな人なんだろうと思っていたんですが、BSアニメ夜話のエヴァの回に出ていたのを観て、ひじょーにマズイ感じに見えました。いや、私からみて気持ち悪く見えるってのはよっぽどですよ(笑)

それはさておき

ストーリーはこんな感じかな。

落ちこぼれで自分の無力さや「何者でもなさ」にさいなまれている主人公。普段は冷静ながら気に入らないことに暴れちらせる性格でバイクの事故で死んだ友人と、まだ何者でもない自分との差に焦りを感じている。ある日、チェーンソーを持った死に神のような男と闘う美少女と出会う。彼女を守ることで自分の何者でもなさを解消できるのではないかと考えつきまとうが、超常的な力でチェーンソー男と闘う彼女の手助けなんて出来るわけもなく、ただまとわりつくだけ。しかし、次第に打ち解けていく二人。チェーンソー男を倒さないとこの世から悲しみは消えないという少女。しかし、チェーンソー男は次第に強さを増していく・・・

チェーンソー男の正体は、ネタバレになっちゃうので書けません・・・というか、物語中ではっきりと書かれるわけではないので、読んだ人が考えてねってことなんですが、単純に青少年の不安定な年頃を象徴していると考えても問題はないわけで、これはエヴァファンの滝本さんにとって「(自分の)世界を脅かすワケのわからないものと14歳で戦わなくてはいけない」というエヴァのモチーフと通じるものがあるんだと思います。

ストーリーもあるんだかないんだか、エンディングも終わったんだか終わってないんだか。最後にカタルシスの得られるような映画じゃない(とはいえ、私に言わせればそれでもかなり親切だと思う)んですが、思春期の抜け出せないもやもや感ってそういうもので、この話にはそういう「分析不能」な感覚をそのままぶつけたような生っぽさがあります。原作のそういう部分をうまく映像にしていて、かつ、映像の美しさ、スムーズな構成、気の利いたギャグ、音楽のセレクション、役者のへたっぴさ加減まで含めて、ああ、いい感じだなーと。あ、CM出身の監督さんなんですね。なるほど。市原監督。ちょっと注目しておきましょう。クライマックスの演奏シーンとバイクシーンはかなりいいです。でも、高校生が万引きして煙草ぷかぷか吸ってバイクで事故る映画なので、よく考えたらゴールデンでは放映できないよ?(笑)

それにしても、市原隼人、浅利陽介の二人はいい役者ですね。この先が楽しみです。後は、先生役の板尾さんがかなーりいい味。ラストの「俺はこんな黒いバイクは好きやない!」が笑えました。

いつロードショーが終わっても不思議でないほど映画館はガラガラです。興味がある方はお早めに。間違いなく1800円の価値はあるっしょ

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アース

街をぶらつきつつも眠かったので、何か心地よく眠れる映画はないかと選びました。

いやあ、まったく眠くならなかったです。すごい映像だ!

BBCのドキュメンタリーです。吹き替え版でナレーションは渡辺謙。北極から南極まで、地球各地の代表的な気候の地帯をたどりながらそこに生きる生物(ほとんどは大型哺乳類)の様子をドラマティックにたどります。

ホッキョクグマ、ダイナミックに形を変える北極の氷の山、タイガのヤマネコ、広葉樹の森の季節の移ろい、熱帯雨林、ゴクラクチョウの踊り、サバンナを移動するゾウの列、300万頭を超すヌーの大群、砂漠を湿地に変える大雨、何千キロも移動するザトウクジラ、巨大な竜巻、ヒマラヤに叩きつけられて出来る乱気流、立ち向かう渡り鳥達

自然スゲー。地球スゲー。

この地球で生きていながら、自分たちが地球の持つダイナミックさ、力強さ、不思議さ、美しさを何も知らないんだと思わされます。いや、知らないことはないな。本当の意味で初めて知ったという科学的事実はほとんどなかったと言ってもいいかも知れません。しかし、知識として知っていたとしても、素晴らしい音と映像が自分の知識と想像力が矮小に過ぎないことを思い知らせてくれます。まるで、どこか別の星や、ゲームの中でクリエイターが作り上げたかのような、見知らぬ光景です。圧倒されました。

最後に、夏、溶けた氷から陸地にたどり着き、空腹に耐えながらアザラシを狩ろうとするも失敗し、飢えて死んでいくホッキョクグマの映像を紹介した後にナレーション

「地球が温暖化している今、この様な最後を迎えるホッキョクグマが増えていくだろう。温暖化はホッキョクグマの足場を奪い、2030年までにホッキョクグマは絶滅する。(中略)私たちが果たす役割は、これまで以上に大きくなっている。だが、まだ間に合う・・・」

すいません。説得力ゼロです。今までの映像で人間には到底、力の及ばない自然の偉大さを思い知りました。人間ごときがどうこうしたところで、自然に何か影響を与えることができるなんて、これっぽっちも思えません!

・・・んー、この作品、しっぱいなのかな?

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ヒトクイマジカル/西尾維新

物語も佳境に向かいつつあるような気がしないでもないわけでもない、シリーズ5作目です。

もはや、あらすじを書くのもやるせないぐらいのはっちゃけぶりです。もう、キャラが放逸すぎてノベルズ1冊分ではストーリーをろくに紡げないぐらいなんですよね。そして、徐々にメタ小説っぽくなってきてしまいました。「ここで会うのは、物語の要請だ」とか、登場人物さんは言わないでいただきたい(笑)

冒頭、ちょっと懐かしの巫女子ちゃんが再登場(?)します。それにしても、巫女子ちゃんにしろ、子荻ちゃんにしろ、今回登場の理澄ちゃんにしろ、一姫ちゃんもそうかな・・・維新の書く、ちょっと頭がおかしい気味の女の子達はどの子もどことなく可愛らしくて、私は好きですねえ。まあ・・・

みんな○んじゃうんだけどな(笑)

ま、そりゃしかたないか。

さて、いよいよ次巻はラスト・・・って3冊構成ですか。まあ、そりゃここまできたら、それぐらいじゃないと終われないわな

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立喰師列伝

押井守が好きだという人でも、「P II」や「イノセンス」が好きな人と、「特車二課壊滅す」や「ミニパト」なんかが好きな人ではかなり嗜好が違う気がしますが、これは明らかに後者。

この映画では、立喰師という架空の存在を軸に、架空の歴史をでっち上げて、架空の論述をでっち上げてそれを笑うというとっても持って回った遊びをやっています。絵も、撮った画像をバーチャルに切り抜いてミニパト風のパラパラアニメにするといった懲りよう。実写の映画ですが、その実はほとんどアニメです。これは私はかなり好き

ただ、劇場には困った雰囲気が流れたにちがいない。あっはっは

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OpenSkyのDVD

SF大会で入手したDVD。ちなみに左のリンクは本です。AmazonにDVDは置いてないみたい・・・ ドキュメントは愛知万博での展示機の作成、設置までのドキュメントと、フライトテストの模様。そして、個展で流していた紹介ビデオ。どちらもとてもセンスがいいです。

こういう真面目な遊びをきちんとやっているアーティストさんが私は大好きなのです。といっても、八谷さんと明和電機ぐらいしか知らないんですけど。

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トランスフォーマー

ずいぶんと評判のいい、トランスフォーマーの実写映画を観てきました。コンボイは玄田哲章さんの声じゃないといかんだろうということで、当然吹替です

さてさて、大まかな評価ですが、異星人侵略ものとしては結構面白いです。最初のヘリがロボットに変身して暴れ回るところや、それに対する米軍の対応などはかなり燃えます。主人公のサムと、サイバトロン達のズレた会話も面白いしね。

また、トランスフォーマーのファンとしても、実写にしたらこんな感じだろうなあという妄想のかなりいいところをついてます。予告なんかではアップの絵が多いのでなんかごちゃごちゃして人型にみえないなーという感じですが、引きの絵だとかなりいい感じです。私の妄想の中のトランスフォーマーをうまく絵にしてくれていて、嬉しいですね。

残念なところとしては、ロボットたちのキャラが立っていないところ。トランスフォーマーのもともとの魅力って、いろいろな個性のトランスフォーマー達のやりとりだと思います。特に、デストロン側の描写が楽しいですよね。ところが、映画は完全に異星人侵略ものになってることで人間視点。せっかくのトランスフォーマー達が、名前すら覚えてもらえない状態で戦い合います。ぶっちゃけ、どっちが敵でどっちが味方かもわかんない。いや、人間からみてどれが本当の機会でどれがトランスフォーマーかわからないっていうネタが入っているので、しょうがないといえばしょうがないんですけど、せめてロボットになったら色が違うとか、角が付いてるとか分かり易くキャラ付けして欲しかったなあ。

さてさて、ここからは重箱の隅。トランスフォーマーファンの戯言ですが、やっぱり吹き替えはオートボットじゃなくてサイバトロン、ディセプティコンじゃなくてデストロンにしちゃいましょうよー。えっ?字幕観た人と会話が繋がらない?字幕も変えてしまえばいいんです(笑)。オプティマス・プライムじゃなくて、コンボイって言って欲しかったなあ・・・。あと、トランスフォームするときは「コンボイ、トランスフォーム!」って言ってくれぇ~。

そして、尺の問題もあるんでしょうが、変な信号解析のねーちゃんとデブの話を入れてる暇があったら、デストロンをもっと描写してよー。やっぱスタースクリームが変な陰謀を企んだり、どじったり、仲間割れしたりしないと。というか、今回活躍したデストロンはカセットロン(でいいんだよな、あれ)だけじゃないですか。デストロン全然怖くないぞ。というか、何がしたいのかさっぱりわかんないぞ。ちなみにメガトロンよ。自分は墜落して捕まって、ずっと凍らされていたくせに、スタースクリームに「またドジったか」はないんじゃない?

一番ヘタレてるのはお前だ!

やられ方もなんだかなーですしねえ。

そう、最後はちょっとねえ・・・。あれだけみんなでキューブを追い回していたのに

「キューブは失われ、故郷を再生する望みは潰えた。だが、それはしかたない」

仕方ないのカヨ(笑)

まあ、全体的には良くできた楽しい映画です。DVDで観ると魅力半減なので、劇場で頭空っぽにして観ましょう!

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BSアニメ夜話 「時をかける少女」

自宅ではBSが見られないのですが、ホテル暮らしのお陰で今回のBSアニメ夜話は見ることが出来ました。今シリーズは「母を訪ねて三千里」「ボトムズ」「時かけ」「精霊の守り人」の4本です。

さて、「時かけ」ですが、印象に残ったことをつらつらと(あ、まだ「時かけ」見てない人はすぐに見なさいね!)

原作の筒井康隆さんが、「原作とは違い、自分の意志でリセットボタンを押す。軽々しくリセットボタンを押せる世界で文学が書けるのかと言えば、それが『ゲーム的リアリズム』であり、現代の文学はそこにある」と、東浩紀さんの名前を出して語っていたことです。すでにこのブログでも感想のエントリを書いた「動ポモ2」が(こう言っては失礼かもしれませんが)NHKの番組で行われる議論の下敷きになっていることに驚きです。というか、筒井先生、ちゃんとオタク批評の最先端を追いかけてるんですね。さすがです。

そして、岡田斗司夫さんはこの作品をあまり好きではないようで、その理由がこの作品がいわゆる「セカイ系」(=主人公の周りの狭い世界の出来事が、社会全体と同一レベルで語られる世界観)の中にすっぽりと収まっている、つまり、真琴が自分の能力を例えば1000年先に遡ることに使ったり、あまり幸福ではない千秋の世界を救うことに使ったりしないところにあると言ってます。と、同時に、この作品が希有にも「恋愛感情が沸き出でるその瞬間を書ききる」ほどに大事に真琴の世界を描くことに成功している要因で、それは評価しながらも、そのために捨てられたものを憂いているわけです。深い。というか、その見方は無かったわ。さすが腐ってもオタキング。いや、腐ったのはオタキングではなくオタクですが。

アニメーションの技法的にも優れていて、そこも論じるポイントが沢山ある作品です。ですが、原作から大きく2000年代へ踏み出して語られたテーマの現代性や文学性について、もっと語っていくべきかも知れないと思わされました。そして、ラノベブームも併せ、今、この時代のリアリティと文学というのは、確実にある種の力を持っている、例えば、70年代にフォークソングが持っていたような力を持つ可能性があると感じます。うーん、2007年は意外に面白い年なんじゃないのかな?

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BSアニメ夜話 vol.04 マクロス編

BSアニメ夜話の本第4弾。今回は「マクロス」。岡田斗司夫さんはこの作品を「男子校の文化祭」と呼んでます。

いつもの通り、放送ではカットされまくりの危ない話が沢山載っていて面白いです。「マクロス」、特にテレビ版はアニメファンが作ったアニメとしてエポックメイキングな作品ではあったけども、けして名作ではなかったというのが認識のようです・・・いや、ようですってのは、なんせ私はマクロスをほとんど観たことがないからです。当時、まだホントにガキンチョだった私は「愛、知りません」という感じで、ロボットアニメと三角関係の食い合わせに拒否反応を示していました。バルキリーだけは格好いいなと思ってましたけどね。というわけで、もういまさら「マクロス」を見ることはないと思います。一生。

それはそれとして、ここで語られてる「マクロス」制作現場の裏話は面白すぎます。ハードワークで身体を壊して、医者から「即入院」と言われた次の日にバイクの8時間耐久レースに出てしまう板野さんは凄すぎる(笑)

NHKも、こうやってキネ旬で本にしちゃってるんですから、ノーカット版DVDとか売ればいいのに。

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ドリームガールズ

出来たばっかり(・・・でもないか)のミッドランドスクエアで見てきました。ネットで当日のチケットが買えて、劇場で支払いに使ったクレジットカードを機械に差し込むだけでチケットが発券され、革張りのシートでゆったり。名古屋駅から近いし、ひいきにしちゃおうかしら。

それはともかく

去年見た「プロデューサーズ」と同じく(あ、そういえば感想書いてないね)、ヒットミュージカルの映画化です。

そして、とにかく歌。2時間の映画のうち、半分以上は歌ってるんじゃないかというぐらいに、歌、歌、歌。ストーリーの合間に歌っていうんじゃなくて、ストーリーを歌で展開していきます。テーマを歌う、会話を歌う、背景を歌う。なんせ60年代からの話なんで、曲自体を取り出しちゃうと古くさい感は否めない(リアルタイムで知らない時代だしねえ)んですが、そこはそれ、映像があると迫力が全然違います。圧倒されます。

ビヨンセは、まあ、本業だから置いておくとして、ジェニファ・ハドソンは難しい上に、一番歌が上手いという役どころなのに、ハマってます。凄い迫力なんだ、歌が。また、エディー・マーフィーも、映画で見慣れた役者さんですが「えっ?こんなに歌が上手かったの?」と驚いてしまいます。エンターテナーぶりと渋さも出てきた演技には定評がありますけど、その役の若い頃を演技してても、違和感なくて立派。うーむ、すごい。それに、歌手の役じゃない人も、当然、ミュージカルだからみんな歌うわけで・・・すげーなー

ストーリーは、別にたいした話じゃないです。昔の黒人に対する差別とか、そういう話題も出てきますけど、それがテーマってわけでもないだろうし、日本人にはわかんないしね。才能と運はあるけど、駄目なところもある人達の栄光と挫折の物語。登場人物に「なにしてんねん」と突っ込むところはいろいろあるし、ストーリーの破綻も唐突さもある。

ま、それは全然問題じゃないですね。というか、人間の奥底を暴く深淵で複雑なストーリーなんて歌で説明できるわきゃないので、これはこれで全然OK。この程度のストーリーがちょうどいいっていうか、これ以上難しい話されても困ります

60年代から80年代の、ブラックミュージックが徐々にメジャーになっていく時代の、ロックやR&Bに拒否感がない人なら、絶対に楽しめる映画です。ストーリーがわかってるとつまらないってわけじゃないから、DVDで何度も見たいタイプの映画かもしれない。日本の歌謡曲しか知らんもんね・・・という人はちと辛いかもしんないですが、いまどきそんな人いないでしょう。誰にでもお勧めできる、ミュージカルが苦手な人でも違和感がない、いい映画でした


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僕たちの好きだった革命

ものすごく久しぶりに鴻上さんの芝居を見てきました。3/3 18:00 シアターアプルの公演です。

ストーリー:
激動の1969年、高校2年生だった山崎義孝(中村雅俊)は、校庭で自分たちの自由な文化祭の開催を宣言していた。ところが、突然機動隊の催涙弾を受けて意識を失い、長い眠りに陥ってしまった。30年もの長い年月を経た1999年、彼は目を覚ました。そして、高校2年への再入学を決意したのだった。 そこで出会ったのは、小野未来(片瀬那奈)や日比野篤志(塩谷瞬)、高島希(森田彩華)といった現代を生きる高校生たちだった。彼らは文化祭に憧れのラッパー(GAKU-MC)をゲストに迎えたいと願っていたが、学校側はそれを禁じていた。なんとか呼びたい・・・そんな思いをこらえてしまうみんなの気持ちを見つめる山崎。やがて・・・。

魅力的なプロットですね。でも、とにかく中村雅俊さんが素敵すぎです。かっこいい~

ここから先は、お芝居の内容に触れます。公演を見に行く人は読まない方がいいです。あ、その前に公演を見に行く女性の方にご忠告。作中で重要な役割を果たしますので「加藤 鷹」とは何者かを事前に調べていくことをオススメします。特定のジャンルによく出演されている男優さんです。男性は誰でも知ってます。あら、アナタは言われなくても知っている?

まあ、えっち♪

それはさておき

鴻上さんのお芝居を観るのは、第三舞台の休止前の最後の公演「ファントム・ペイン」以来になってしまいました。劇場の入り口にたくさんの花が届いていて「おいおいおい、なんだなんだ」と思い、公演前にトイレに行くと売店で公演のパンフレットを売っているのを見て、「うわー、第三舞台もメジャーな劇団だったけど、こんな分厚いパンフはなかっただろ」と思い、少し寂しい気分がしました。でも、入り口でもらったチラシの束の一番上に、見慣れたノートに手書きの「ごあいさつ」を見て、なんだかほっとしました。

席についてみると、舞台の上では数人の役者さん達が座ったり、前説のようなことをしたり(声は私の席までは聞こえてこなかったんですが、どうも1969年ってこんな年・・・というような話をしていたみたいです)しています。学生服姿の役者に交じって、白いトレーナー姿の人が・・・あそこで演出家は何をしているんでしょう?(笑)。今日はロビーにいないと思ったら、鴻上さんは舞台の上にいました。そして、お馴染み「Live is Life」。開幕ベル。

鴻上さんは「トランス」あたりから、自分の脚本を他の人が上演する、特に、学生が上演すること(今回の「ごあいさつ」もその話題がちらっと関係してました)を考慮しているようで、今回の芝居も、衣装はほとんど学生服とジャージとスーツだけで、装置も大がかりなものはほとんどありません。移動式の台をあっちこっちへと引き回すのと、舞台上に何本もカーテンを設置して舞台を奥行き方向へ区切って場面転換したり、巧みだけど凄く練習すれば誰にでもできる装置で構成されていました。特に、「暗転しない」ことは徹底されていて、カーテンが舞台の袖から袖へさーっと移動するとその後ろで場面が変わっているなんてこともしてました。これも、練習すればできると思わせます。巧いなあ・・。

もっとも、教室のシーンになると、学生役の役者は自分の机と椅子を舞台袖から担いで登場して、平然と着席します。よく考えるとおかしいけど、それが(いい演出と上手い役者の元では)成立するのがお芝居の世界。机と椅子のセッティングのためにわざわざ暗転なんて必要としないのです。最初の20分ぐらいはその、ある意味「ちゃちっぽさ」に違和感があるんですけど、見る間に違和感は解消してどんどん芝居の世界に引き込まれます。

朝日のような夕日をつれて」のDVDの副音声で、ゲーム内の世界で身につけていた金髪ボディコンのかぶりものを次のシーンで勝村さんが脱ぎ捨て、それを隣に立ってる台詞のない大高さんが拾って片付けてる所に対して、

「おお、大高が片付けてるんだ。えらいなあ。役者さんによっては、『なんで私が片付けるんですか?どういう気持ちでやればいいんですか?演劇的な意味は?』とかツッコむ人もいるけど、理由はっていわれても『そこにあったら邪魔だから』なんだよなあ」

というようなことを鴻上さんが言うんですが、何処までをリアリティとして芝居の上に乗っけるかというのはなかなか奥深い問題ですね。

もっとも、中村雅俊さんも実は初めてのストリートプレイということもあって、この芝居は普段、演劇を見慣れていない中村さんのファンも見に来るだろうという配慮か、「今、このシーンは、私がナレーションなの。だって、この場面は私が書いた物語の世界だから」とわざわざ狂言廻し役になってる役者さんに言わせたり、いちいち親切な配慮をしてくれます。第三舞台の芝居だとこれが、「え、今、大高さんは部長なの?ウラヤマなの?どっちでもないの?」となるところです(笑)。

校門でビラを配るシーンでは、この説明をギャグへ取り込んでます。こんな説明をピンスポが当たった役者がします。

「このシーンでは、同じ俳優さんが何度も何度も登校します。このシーンをホントにやろうとすると役者さんがいっぱい必要だからです。これまでも、別の役を同じ役者さんがやっていることがありました。それには、意味がある場合もありますし、ない場合もあります。」

さて、意味があるのはどの人の場合でしょう。見た人のお楽しみですね。続きます。

「このシーンでは、役者は別のひとになるために髪型を変えたり」

すると、舞台袖で役者がかつらを交換します。

「眼鏡を変えたり」

眼鏡を交換します

「歩き方を変えたりします」

バク転しながら後ろを男子学生二人組が通ります。おいおい(笑)

「それでも、足りないときには、役者は内面を変えます。怒りんぼさんが」

不良っぽく役者が歩いてきますが・・・

「泣き虫さんになったり」

めそめそしだします。

「皆さんも、暖かく見てくださいね」

なんて親切な芝居なんだ!(笑)

ストーリーについては、上のあらすじ以上のことは触れるつもりはないです。今からチケットを手に入れて見に行くのも難しいと思うので、DVDが出たら是非見てください。また、DVDがでたら、エントリを書きます。後は、気になったこと。細かいこと。

この芝居の大きなポイントは、GAKU-MC。文化祭に呼ばれるインディーズの人気ラッパーという役どころなんですが、その中で強いメッセージを持つ歌としてGAKU-MC自身の曲である「挙手」が使われてます。GAKU-MCは、「EAST END + YURI」の印象が強くてこんなにいい歌を歌ってるアーティストだという認識はなかったです。でも、この曲はわりと最近のアルバムに入っているのに、もう廃盤でAmazonでも新品が手に入りません(今なら買えるみたい)。この芝居をきっかけに再販・・・という訳にはいかないのかな。もう一回、じっくりと聞きたいです。

そして、そのラップに答えるように中村雅俊さんが歌うのが、岡林信康の「私たちの望むものは」。フォークの名曲中の名曲。丸々一曲、ギターで弾き語りしてくれます。若い観客はたぶん岡林信康なんて知らないと思いますけど(いや、もちろん私もオンタイムでは知らないんですけど)、でも、この歌の持っている力は伝わったんじゃないでしょうか。観客席は完全に魅了されてました。ま、意外と平均年齢が高い客席だったしね(笑)。

ギャグも楽しかったなー。ムダに熱い山崎(中村雅俊)が、クラスメイトにうっとおしがられる場面のやりとりで

「うざいんだよ」
「うざい?」
「むかつくんだよ」
「胃でも悪いのか?」
「超むかつくんだよ!」
「腸か!」

ここまでは、ま、なんかよくあるんだけど、そこで山崎が「大正漢方胃腸薬」をそっと差し出して大爆笑。そのオチか!

後は、長野里美さんのかぶり物芸もちょびっと。頭にヘリコプターをかぶって、中継ヘリのアナウンサー。そこからくるくるーっと回転しながら、抜けると現場のリポーターに早変わり。そう、これが演劇的ということです。えっと、なんかだんだん違う気もしてきます。

「現場の滝川さん?・・・・(くるくる)はぁい、こちら現場のクリステルでぇす」

似てないっ!(笑)

ラストシーン間際。山崎と、かつて共闘した同志で、今は学校の教頭となり戦う相手になっている兵頭(大高洋夫)の二人の白熱する芝居は痺れます。

「兵頭さん!!兵頭さんは今、何と戦っているんですかっ!」

世代的にピッタリの人は、胸を締め付けられるような気持ちになるんじゃないでしょうか。今の時代、何で人は正しく戦ってないんでしょう。正しく戦わないと、正しく負けることも出来ないのに。ラストシーン、山崎はヘルメットに「未来」と書いて戦っています。「全共闘」と書こうとして思いとどまって、みんなに言います。「自分の信じるものを書こう」

そして、ヒロインの名は「未来(みく)」。ヒロインの母は同志であり、兵頭の恋人であり、最も戦いで傷ついた女性です。彼女は兵頭と別れ、戦わなかった男と結婚し、生まれた子供に「未来」という名をつけた・・・。重いシーンになります。

ラストシーンが終わり、カーテンコール。拍手は鳴りやみません。鳴りやまない拍手に3度目のカーテンコールに出てきた役者を代表して、中村雅俊さんがシュプレヒコール!

「早く帰れー!」

会場、爆笑。そうですね。今日は2回廻しの日ですから、役者さんもさぞかしお疲れでしょう(笑)。すいませんでした。

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マリー・アントワネット

「ロスト・イン・トランスレーション」に描かれた東京は、否応なしに孤独と向き合わせる装置でした。外国人にとっての東京の街は全くの異文化とも言い切れないけど、触れようとする度に噛みあわなさが孤独を呼び覚ます。そのことが、すれ違う夫との関係を毛羽立たせる。そんな女性の心理を、素晴らしい映像と素敵な音楽で描き出す。私にとって、深く心に残る映画です。

ただねえ・・・これを全く評価出来ない人もいると思います。ぶっちゃけ、何も起きません。ビル・マーレーが同じように孤独を抱えた中年俳優として出てきて、コメディパートや、ドラマっぽいことをやってくれるんで、意外に退屈せずに観られます・・・というか、ゲラゲラ笑いながら観られるんですが、見終わった後、

だから、何?

って感想の人もいるでしょう。まあ、しょうがないよね

さて、そんな「ロスト・イン・トランスレーション」で一躍名を馳せたソフィア・コッポラ監督の最新作が、この「マリー・アントワネット」です。

14歳で祖国を離れて入ったベルサイユで、孤独、悦楽、恋愛・・・様々なものと向き合い、触れ、跳ねまわり、成長していく女性の映画です。モチーフはばっちりとフランス貴族の生活なんですけど、キッパリ英語しゃべってるし、音楽もあえて今のものを多く使っているし、ファッションやギャンブルや夜遊びに夢中になるところや、それでいて、誕生日の未明にパーティの余韻を残したまま朝日を見に行くところなんかは、すごくストレートな青春映画になってます。

要するに、「ロスト・イン・トランスレーション」では、東京という都市の魅力とコメディと恋愛の側面をエンターテイメントとして織り交ぜることで、(低予算ながら)映画として成立させていたテーマを、今度は予算もがっぽりなので別の成立のさせ方をしている訳ですね。作家というのは、そうそうまったく違うテーマのものをつくるモンじゃないわけです。結果として、「ロスト・イン・トランスレーション」に比べて、「マリー・アントワネット」は映画としての格が、一回りも二回りも違うものになっていて、おそらく「ロスト・イン・トランスレーション」が好きなファンは大満足出来たんじゃないでしょうか。私も、気に入りました。

とはいえ、「ロスト・イン・トランスレーション」でもタダでさえ薄かったドラマ性は、ティースプーン一杯から茶さじ一杯に後退してしまってます。ぶっちゃけ、眠い気持ちはよくわかる(笑)。「フランス革命前夜を生きた波瀾万丈の女性の物語」などを期待して見に来た人は激怒しかねないような映画です。でも、いつもいつも映画でハラハラドキドキなんてする必要ないと思いません?

ま、さすがにみんなこんな映画になったら、それはかなり困りますけど(笑)

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ラーメンズ: DVDボックス

最近、どうも自分のアサマシのリンクがバグっていることに気がつきました(笑)

やっぱテストしないとダメですな。というわけで、なおしたんだけど、これでいいのかな?とりあえず、自分で買ってみます。

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綾辻行人・有栖川有栖からの挑戦状(1) 安楽椅子探偵登場

随分と前に買ってあったDVDなんですが、やっと見ました。

ミステリーファンにはどちらもお馴染みな名前です。私は・・・読んだことあるのかどうか、記憶ない(笑)

この二人が考えたミステリーを「出題編」「解決編」の二つにわけて放送して誰が犯人か懸賞金をかけて募集したというダ・ビンチの読者にはお馴染み(らしい)の番組・・・のDVD化

で、主役がキャラメルボックスの西川さんだったり、第三舞台の大高が「朝日のような夕日をつれて」の小劇場病のパロをやったり、ヒロインも第三舞台の長野里美だったりで、小劇場ファンにはたまらない配役。ドラマを十分楽しめちゃいます。

そして、しっかりドラマ仕立てだと思っていたら、口あんぐりの解決編の展開に大爆笑。いやあ、これ、面白いね

謎解きの方は、反則の瀬戸際でアウトって感じなんだけど(笑)、解決編の構造自体が面白い。リアリズムのドラマやめちゃうのかよ~

続きも買ってみようかな。たぶん、仕掛けはどんどん反則になっていくんだろうから、後のシリーズのほうが評判は悪くなるんだろうなと思うけど、あと2つぐらいはこのまま楽しめるかしら

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時をかける少女

やっと観ることが出来ました。映画の「時かけ」です。もうね、胸苦しい程いい映画。この下にうだうだと想いのたけ、書きますけど、結論は先に書いときます。

絶対、公開しているウチに一人で観に行って、思う存分号泣しなさい!

目下全力で口説いてる女の子を誘ってとか、子供連れとかで行っちゃダメ。それじゃ思い切り泣けないでしょ。男も一人で行きなさい。涙堪えたら、なんというか、ソンした気持ちになりますよ。

アニメマニアのはしくれとして、公開前から注目はしていました。アニメスタイルでもかなりプッシュされてましたしね。「ゲド戦記」観に行く奴は、素人のアニメマニア。通は「時かけ」よ!と。嫌ですね、マニアって(笑)

ところが、やっぱりいいものはちゃんと評価されるんですね・・・というか、いくらなんでも東京で単館上映ってのはヒドすぎるっていうか(笑)、連日の大入り満員。ホントはこの前に「太陽」を観たのは、その日、もともと「時かけ」を観に行くつもりだったのが、ちょうど口コミで火が点き始めた頃で、立ち見がでていると聞いたからだったんです。いやあ、そうでもなければ「太陽」なんて観に行かないわけで、それはそれで結果オーライ。

細田監督がどういう人かは、アニメスタイルの記事をざざっと読んでください。作画もよし。背景も素晴らしい。良く練られた脚本も見終わった後、噛みしめるとホントに頭が下がります。声優さんも素晴らしい。タイムトラベルものとしての出来もSF的にOK。特に、主人公の真琴役はいい!

でもね、とにかく演出がイイ。演出が!えんしゅつがぁっ!

オープニングの桃の美しさとか、物語のキーとなる踏切にまつわる仕掛けとか、二人乗りの自転車での微妙な姿勢と間とか、お調子者の真琴の動きっぷりと号泣するシーンの対比だとか。詳しく言うとネタバレになっちゃうから書けないもろもろやら(笑)

素敵な映画です。ほんと、あと2回ぐらい観たい。映画の日に1000円で観ちゃいました。すいませんって感じです。

ちなみに、本も、昔の映画も未見です。SF者として、それでいいのかと思うので、読もーっと。魔女おばさんのヒミツがわかるはず

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太陽

渋谷シネパトスで「太陽」という映画を観てきました。

ロシア人監督が撮る終戦直前の昭和天皇のお話で、主演はイッセー尾形。そうです、イッセー尾形が昭和天皇を演じるんです。

いや、イッセーさん好きだから観たいなあとは思いますが、なかなか日本人にはできないキャスティングじゃないでしょうか。お笑いになっちゃうかもしれないし、なっちゃったら刺されそうな気がします。いや、ならなくても刺されるかも知れないとか、ちょっと思っちゃう(笑)

イッセー尾形の演技は、素晴らしいの一言でした。さすが形態模写の第一人者。演技力云々以前に、まず似ている! 他の誰も代わりが思いつきません。侍従長役の佐野史郎も素敵。大好きな役者さん二人の縁起を存分に見ることが出来て個人的には大満足です。

ロシア映画なんだけど、全編ほぼ日本語だし(もちろん、マッカーサは英語をしゃべるし、マッカーサとは天皇陛下も英語でしゃべる)、日本人の目から見ても、天皇陛下は記録映像でみる姿とそっくりだし。御前会議や研究所での様子など、まったく違和感なし。ロシアにセットがあるとは到底思えない出来でした

どの程度、フィクションが交じっているか、あるいはイッセー尾形のアドリブが交じっているかはわかりません。でもどうしても以前観た「ヒトラー 最期の12日間」と比べてしまうと、昭和天皇が、仮にこの映画で描かれたような人物であったとしたら、やはり、ヒットラーや、あるいはナポレオンの様な独裁者と同列に扱うのは不適当であるとしか思えないですね。どこをどう考えても、所詮、天皇は軍人ではないんだよな

当然、ある程度の権力も保持していたし、その責任に苦悩もしてるんだけど、御前会議で発言するのに一句詠んでそれをふまえてみたり(伝わるのか、あれ)、敗戦直前なのに研究の時間が予定に組まれていてカニの標本を眺めていたり、堂々とマッカーサの元に赴き、英語で堂々とやりとりしていたり(天皇陛下は英語でも一人称に"I"は使いません。"I said ..."ではなく"Emperor said ..."の様に、発言します)、おもむろに老子を引用してみたり、待たされてる間、嬉々としてロウソクを消してみたり、写真撮影にポーズをとってみたりと、真摯で、教養もあり、愛嬌もある人物として描かれてます。で、国の最高責任者だから、当然悩んでるんだけど、どうも悩んでるポイントも、どうもずれているような・・・人が何百万人も死んでいるのに人間宣言で悩んでいる場合なのかと思ってしまうのは、私が60年後に生きているからなのかな

映像作品としても、考え抜かれたカットの配置、美しい(それだけにイマイチ残酷さや悲惨さから少し距離を置いている)美術、微かだけどくっきりとしたユーモア(何度か客席から笑いも漏れました)など、誉めるべきところの多い映画です。いい映画。面白いかどうか、それはあなた次第という感じもするけど、間違いなくいい映画ですね。

それにしても、よく日本で公開できたものだとも思います。本当は、日本人の監督が撮るべきだという想いもありますけど。いつか、このテーマをちゃんと日本人の監督が撮って、それを国としてしっかりと引き受けること。そういうことが、靖国に参るか参らないかなんてしょーもないことを国際問題にしないために、必要なこと何じゃないかと、そう思ったりする8/15です。

あ、ちなみにこの映画、結構混んでます。いったい、みんなどこでこんな映画を知って、どういうつもりで観たいと思ったのか、よくわかりませんけど(ま、自分のことは棚に上げてね^^)、整理券もらわないと入れないので、観たい回の2時間前には着いておくことをオススメします。

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M:i:III

私にしては珍しく、メジャーな映画を見ました(笑)

次から次へと畳みかけるような展開、苦悩が似合わないトム・クルーズにふさわしい程度の葛藤、ウソの付き加減が絶妙なガジェット、カタルシスのあるチームワーク、隠し味の明かされない謎など、どれもがきちんと吟味されてこれでもかと並べられて、すごくセンスのある映画でした。スタイリッシュと呼んでもいいかも知れない。

特に、未来的なガジェットの類が秀逸でしたね。頭に仕掛けられた爆弾を探知する装置や、変装の為のマスクをつくる3Dコピー機、エンロールが必要な合成音声装置、はっきりと位置を追尾する携帯電話など、いかにもありそうなんだけど、今の技術じゃできない未来なツールをうまく盛り込んでました。このあたりのケレン味がSF者には快感でした。

ま、よく考えるとおかしいこともいろいろあるんですけどね。一番気になるのは、敵のボスが人質の側で一人でトムが対決しにくるのを待ってること(笑)。なんでそんなとこにいるんだよ~。せめて、護衛の一人でも側にいたらあんなむごい死に方をせんでも済んだのに・・・。それに、ドンデン返しな展開を組み入れたが為に、いったいこのボスは何をしたかったのか(世界を滅ぼしたかったのか、君臨したかったのか、金儲けたかったのか、復讐したかったのか)、よくわかんなくなっちゃうこと。でも、いいか。なんも考えんでも、十分オモロイ!

というわけで、大満足。これから行く人は、できるだけ大人数でワイワイ見に行くといいと思うよ

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ドキュメンタリードラマ 「宇宙へ ~冷戦と二人の天才~」

これは、見逃せない。さすがNHKです。詳しくはこちら

うーん、これを録画するために今週末、名古屋に帰るか・・・あ、DVD出るんだ。ならいいか。
今週末は土曜日は出勤だし、日曜日は田宮俊作展を見に行くつもりだし~

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気になる芸能人

ここのところ、気になる芸能人は「いないいないばぁ」に出てくる、はるかちゃん。かわいいのよ~、若いのに色っぽいのよ~。毎朝、眺めてから出勤してます。

ちなみにはるかちゃんは10歳らしいです(笑)

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ダ・ヴィンチ コード

さて、今回は、GWに呼び出された&Zさん(仮名)を、こちらから呼び出して映画「ダ・ヴィンチ コード」を見てきました。

制限のある字幕では間違いなく伝えきれない内容だと思うし、事前に「吹き替えの方がいいよ」という評判も聞いていたので日本語吹き替え版を選んで見てきました

「好きな声優さんでも、出てるの?」

それは、100%誤解です(というか、あなたのその発想はどこから?)

で、2年前に原作を読んでいい感じで忘れてる私には、とても面白かったです。

原作の書評にも書いたとおり、原作にはミステリーとしては難がある(たまたま助けを求めた知人の使用人が○○で、さらにその知人が・・・)ので、そのあたりのマズい部分は映画でもそのままです。ラストのちょっとした仕掛け部分もマズいんですが、とても強引なビジュアルエフェクトで乗り切ってました。そ、その手がっ!(笑)

ただ、ネタがネタだけに、本を読んでいる段階ではイマイチどういうことなのかわからない部分が絵になって見えているというのは、単純に原作を捕捉してくれるものとしてよかったですね。歴史的な場面のカットインの処理なんて、非常にうまい。非常に満足。私が観たいものに仕上がってました。

ま、メインの話以外はばっさりカットで、ジャン・レノが扮する警部やバチカンサイドの物語はズバンとなくなってましたが、まあ、しょうがない。&Zさんにはあの警部にまつわるお気に入りのシーンがあったらしいんですが、影も形もなくなっていて不満を漏らしていました。が、そんなシーン、私は全然覚えてませんから、問題なし(笑)

ま、とにかくお金を正しくかけたいい映画だと思いました。あれ以上にしようと思ったら、原作と違う話にするしかないですな。

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探偵!ナイトスクープ DVD

ナイトスクープのDVDが出ました。記念すべきvol.1の最初の依頼は、あの伝説の爆発卵。総集編やその他で何度見たかわかりませんが、それでも爆笑しました。あはは、腹イテえ

その他、ファンなら何度か見たことあるものばかりかも知れませんけど、手元に置いておけるのは、かなりの魅力。無駄遣いするつもりで買った(いつもか?)し、素材もほぼ番組のままなんですけど、これは買って良かったかも

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ALICE/ラーメンズ

ラーメンズ第15回公演。いつもながら、みなぎる知性。面白いですねえ。今回は全体を貫くテーマはないものの、どれもこなれていて素敵。

個人的には、「風と桶」が好み。最初のアイデアからどんどん逸脱していっちゃうところがいいんだよな。「桶屋がボーカル」はわかってたのに爆笑しちゃいました。あと、「バニー部」は小林版ギリジンなんだけど、やっぱり違う味があって面白い。でも、これはギリジンを知らないと、面白味20%減かも。あと、「不思議の国」はニッポン語講座シリーズ。飛ばされた県にお住まいの皆様、ご愁傷様でした。

  1. モーフィング
  2. 後藤を待ちながら
  3. 風と桶に関する幾つかの考察
  4. バニー部
  5. 甲殻類のワルツ
  6. イモムシ
  7. 不思議の国のニッポン

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新選組!! 土方歳三最期の一日

やっと、これでHDDレコーダーからエアチェックを削除出来る。よかった。

録画したのに、買ったのかって?いいじゃん、別に(笑)

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Zの劇場版第二部

DVDが届いたので見てみた・・・が、こりゃすでに一度Zを観てないと理解できんのではないかなー

それと、第一部では努力して合わそうといていた新作部分とTV版の部分が、第二部ではくっきり違ってます(笑)。まあ、第一部を観てるので、そういうものだと思って見れますが、正直、これはかなり違うぞ。新作部分は素晴らしいです。やっぱ20年のアニメ技術の進歩ってすごいのね(笑)

あと、フォウが可愛い。このフォウなら好きになっちゃいそう。で、TV版の部分になるとガッカリ。というか、今の絵柄にもとのフォウの絵が合ってないのかな?

ちなみにスードリのシャトルでMark IIが脱出するときには、やっぱあの歌がないと・・・とか思う私はやっぱオールドタイプなんでしょうなあ

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initial イニシャル "岩井俊二初期作品集"

岩井俊二監督が初期に作っていた単発TVドラマを集めたDVDです

「岩井美学」っていう言葉があります。内容に関わらず、映像を見て「あ、これはもしかして岩井俊二かも」ってわかるんですよね。こういう映画監督というのは非常に希少だと思います。

で、岩井俊二と言えば、この映像美の部分ばっかり評価されてるきらいもありますけど、スクリプトの優秀さってのもあります。それも、こういう30分モノによく現れてる気がします。アイデアのまとめ方のバランスがいいんですよね。

見たらホントにやすーく作られてるんですけど、それでもやっぱり面白い。素晴らしいですなあ。

さて、ちょっと思い出話でも。

私が一番好きな映画は、岩井監督の最初の長編映画の「Love Letter」。でも、なんと岩井監督はこの映画を公開する前に、すでに日本映画監督協会新人賞を受賞してます。受賞作は、この作品集に入っているものと同じように、単発TVドラマで「世にも奇妙な物語」の後番組、「if もしも」の1作として放映された「打ち上げ花火、下からみるか?横から見るか?

はっきり言って、この番組の枠で放送された他の作品は、出来損ないミステリーのようなしょーもない番組ばっかりだったと思うんですけど、「打ち上げ花火~」は唖然とするぐらい美しくて、かつ胸に響く物語で、夕方の再放送でたまたま見て、茫然とした覚えがあります。

で、しばらくして雑誌で「Love Letter」の紹介記事で、そのドラマが映画じゃないのに映画の新人賞を取っちゃった事を知って、すぐに当時お気に入りだった女の子(このちゃん、元気?^^;;;)を誘って、「Love Letter」を見に行きました。今はもうなくなっちゃった扇町ミュージアムスクエアでした。大きな映画館での公開はもう終わってたのか、そもそもなかったのか(笑)、扇町ミュージアムスクエアはホントにちっちゃなちっちゃな劇場で、なのに、ものすごい人で立ち見で見たのを覚えてます。いままで、立ち見で映画を観たのはその時だけですよ。なんてヒドいデートなんでしょう(笑)

その後も、「PiCNiC」や「undo」はちっちゃな劇場で見ました。私のマイナー邦画好きの原点は、この辺にあるんだろうなと思います。

もし、岩井俊二に興味を持ったんなら、最初は「スワロウテイル」や「リリィ・シュシュ」じゃなくて、「打ち上げ花火~」や「PiCNiC」なんかがいいんじゃないかと思いますよ。あ、「Love Letter」でもいいですが、デザートは最後に取っておいたほうが(笑)

あ、ちなみに今は「韓流」なんていって韓国映画がブームになってますが、「Love Letter」って映画は、実は日本より韓国でブームになって、韓国人観光客が小樽にやってきては

「お元気ですかー!」

って叫んで帰るなんてこともあったらしいですよ(笑)

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ヒトラー 最期の12日間

そりゃ、楽しい映画じゃないことは覚悟していったけど、やっぱりキツイね。

作品としての出来はとにかく素晴らしい。ヒトラーの人間性を描くことの賛否両論はあるらしいけど、ヒトラーが狂った殺人鬼だったとしても何も解決しないし、ヒトラーに人間性があったとしても、それはヒトラーがやったことの責任を軽くするものでは一切ないし、議論の本質からずれているような気がする。そもそも、ヒトラーという一人の人間の力で、こんなことが出来るのかという疑問もある。赤狩りのシーンも、親衛隊が市民を殺すシーンもある。それは別にヒトラーが引き金を引いてるわけじゃない。

というよりもですよ、私はあまりにもヒトラーとナチスについて何にも知らないですよ。よっぽどギレン・ザビのことのほうがよく知ってるわけですよ(笑)。今となっては、事実は誰かの視点を通してしか知ることが出来ないのだから、こういうものを見る機会があれば見に行くしかないわけです。それはもう、人として。ドイツ人が、身を切る思いをして、こんな見る人を幸せにしないけど必要な映画を作ったんだから、我々日本人はまず、それを見なきゃいけない。私には、この映画を見ておく義務があるし、この映画を見たことによる権利が生まれるとすら思う。要は、まず無知は罪であって、最低限のことを知らない奴に発言の権利はないということです。「歴史は繰り返す」って言葉があるけど、「ああ、いま繰り返してるかも!」と思うためには知らないといけないしね。戦争責任とか、そういう後ろ向きなことは置いておくとして、今につなげないと思うんだよね。たとえば、プロジェクトやっててあんなおっさんいますわ(笑)。そういうときに思うわけですよ。「ここはまるでナチだぜ」。組織というのは、腐るものですから、気がつくことが大事

そう。今を見つめるために知らなきゃいけないんだよ。韓国や中国は、小泉総理が靖国神社に行くと怒る。過去への反省が足りないという。日本が軍国主義になるという。自衛隊は、憲法を変えればすぐにでも他国と戦争が出来るという。それを聞いて、日本人はこう思う。

「でも、この平和にボケきった日本人を見て、戦争なんて出来ると思うの?」

「日本が軍国主義?何を言われても言いなりの国が、侵略戦争?」

しかし、否定する根拠は何だろう。日本人はあの時なんで戦争をしたんだろう。今、実感としてヘソが茶を沸かすぐらいにしか感じられない「日本が軍国主義に走る」という発言は、あの時と今と何が違うから否定できるんだろう。だって、あの時のことを、何にも知らないよな。

まず、やっちまったことを知ることだよね。多分、ドイツ人以外だってヒットラーを産む可能性はあるんだから。私たちの世代は、戦争で被害を受け、今も恨みに凝り固まってる人たちにかける言葉はないわけだけど、だからこそ、過去の過ちとは感情と切り離して向き合うことができるはずだ。我々がやるべきことをやらないと。

繰り返そう。まず、知ることだ。

この映画を人に勧めるのは正直言って、心苦しい。なんで好き好んで映画みて嫌な気持ちにならなきゃいけないんだと(笑)。でも、ほんの少しでも興味があるんなら、映画館で見てほしい。音響的な理由もあるし、大勢のお客さんの中で(渋谷シネマライズは、結構な入りだった。若い女の子も、年配のご夫婦もいた)、やりきれない気持ちを共有したほうがいいと、精神衛生上、思う。一人で部屋で見る自信は正直ないよ、私には。

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スターウォーズ Ep.3 シスの復讐

Ep.1、Ep.2は見所はあるものの肩すかしな映画だったけど、でも、やっぱり好き。Ep.3も過度の期待をしたら辛い思いをするよと思いながら、でも楽しみ。さてどうなることやら。いざ、劇場へ。

ウンザリするほど予告をみせられた。15分はあった。そして、見たい映画は一つもなかった。不吉な気持ちにげんなりした後に、やっといつものタイトル。さあて、どうかな?



(鑑賞中)


・・・カンペキだった。何一つ、不満なところがない。凄い

序盤からぐいぐいと引き込む戦闘シーン、
よどみなく置かれていく伏線、
破滅へと導かれるアナキンの心理の動き、
周到なシスの陰謀、それを暴きながらもついに屈するジェダイ達、
信じていたものに裏切られる悲哀、裏切る側の葛藤、
魅力的な悪役達、ドゥークー、グリーバス、ガンレイ・・・、
そして、決戦。師と弟子、暗黒卿と老ジェダイ、
悲劇的な結末、しかし、受け継がれる希望、

ラストシーンはEp.4のあのシーンを彷彿とさせる、タトゥーインの双子の太陽。美しい夕日。

マニア的にも

  • ウーキーの母星とゲストのチューバッカ
  • レイアがオルデラーンの姫になる経緯
  • 開始10分で聞ける、いつものあの台詞 "I have a bad feelig"  (最初はハン・ソロの台詞。日本語では「イヤな予感がする」と訳される)
  • なぜ最強を誇ったジェダイ評議会がこうもあっさりと壊滅させられたか
  • これまで描かれなかった、ジェダイが暗黒面に落ちる瞬間
  • 強いぞ、いけいけ、R2

など、見所満載。

#ほんというと、1箇所だけ役者の演技と演出に不満はある
#でも役名もないジェダイが一人殺されるだけのシーンなので、
#目をつむろう

しかし、この映画を見てしまうとEp.1や2が準備に過ぎなかったのだなあとよくわかる。

それは、伏線としてもそうだし、演出や特殊効果もそう。Ep.3でこんなことをやりたいということがあって、そのために、これまでの話でこんなエピソードを用意しておくし、こんな技術を作っておくし、スタッフも育てておくし・・・と。なんて贅沢な映画なんだろう

仮に、Ep.1の時に、ジョージ・ルーカスの頭の中にこれだけの完成系がイメージされていたとしても、集団作業で作っている物だから、決して思った通りのものにはならなかったはず。前2作があったからこそ、これだけの物を最終的に作り上げられた。前作までは、「こんなことが映画で出来るようになりました」という部分が、どうしても見受けられたんだけど、今回は全面に、「こんな絵が見せたい!」という意気込みが溢れていて、それをすべて描ききっている凄さがある。

そもそも、ルーカスはスターウォーズをつくるために、ILMという特殊効果の会社を作り、スカイウォーカースタジオを作った人。そして、この最終作のために、前作の修正版を作り、技術研究をすると共にこまかなつじつまと演出の調子を合わせ、最終回の登場役者まで差し替える。いやあ、こんな贅沢な映画はないよね

もちろん、人生を深くえぐる感動とか、そういうのとは無縁だし、SF的にすごく見所があるってことでもないんだけど。でも、みんなが見たいスターウォーズ完結話を120%の完成度で見られたというのは、こんなうれしいことはない。

ともかく、見に行く前にはEp.1,2,4を見ていくのは、必須!そして、見終わったら、Ep.6を見直すと、また違った感慨があるでしょう

1000円は、安すぎだ!<レイトショウでみたらしい

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第三舞台 VINTAGE BOX

活動休止中の劇団、第三舞台のDVD BOXを買っちゃいました。

ol.1 vol.2両方。中学生の時に、鴻上さんのオールナイト・ニッポンのファンだったんですよね。後に、WOWWOWで放送された「天使は瞳を閉じて」の海外公演の模様を見てものすごくショックを受け、さらに、近鉄アート館へ「トランス」を見に行って魂をぶち抜かれた思い出があります。その後の「朝日~'97」「スナフキンの手紙」「リレイヤーIII」「パレード旅団」「ファントム・ペイン」と、活動休止までの作品は全部見に行きました。そして、気が付きました。「天使~」や「トランス」は、鴻上さんの芝居にしては相当分かり易い部類だったんだと(笑)

今回のvol.2には私が知らなかった頃の第三舞台が多く含まれているので楽しみです。 また、副音声が面白いんだ(笑)

最近、すっかり芝居も見に行っていないので、何か見に行きたいなあ

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「俺がハマーだ!」

Trust Me, I Know What I'm Doing!

日本語では、「大丈夫、リクツじゃないんです!」

この訳語最高です。

「俺がハマーだ!」のDVDを買いました。これは間違いなく今まで私が見たコメディのなかで、もっともばかばかしいものです

見てないのはもったいないよ。ただ、日本語の吹き替えがまたこれが、バカ丸出しでいい感じ。どうも、これ日本だけで妙に人気があるらしく、DVD化されたのは日本だけらしいです。あはは

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スジナシDVD BOX

スジナシのDVD第3弾。今度は3枚組。とりあえず、「女優編」を見ました。
「女優編」のゲストは牧瀬里穂、杉田かおる、奥菜 恵の3人

でも、子役あがりの杉田かおるはまだしも、
牧瀬里穂も奥菜恵もアイドルですからね
・・・と思って舐めてました。すごかったです

牧瀬の回の設定は、釣瓶が喫茶店のマスター、牧瀬が客。
仕掛けてこない釣瓶を逆手に、牧瀬は不倫相手の
行きつけの喫茶店に来たことに・・・そして、どんどんノリノリ

ついには

「マスター、毒って入れられる?」

「私、いい毒持ってるの。3,4時間後に、心臓マヒみたいな感じで死んじゃうの」

「あなたの秘密も知ってるのよ。私、調べたの」

「やってくれる?お・ね・が・い」

牧瀬里穂にあの顔であの雰囲気で「お願い」って言われたら、殺しますね。
ええ、間違いなく。女って恐い生き物です・・・しかし、普通

「ねえ、お願い。ここで苦しむワケじゃないの」

って台詞、ふつー、さらっと出てくる?

奥菜の回は、教会のセット。釣瓶は不倫の密会という設定を目論むが、
奥菜恵、そうはさせません

「これまで、どうしてたの?」

「あなたが本当の、お父さんなんでしょ!!」

ぽろっ、ぽろっ、ぼたぼたぼた・・・ぐすっぐすっ

釣瓶、娘を捨てたダメ親父決定(笑)。
で、さんざんなじっておいて釣瓶の「何で(会いに)来たん?」との問いに

「逢いたかった」

また、ぽろぽろぽろ・・・ひとしきり泣いて

「・・・・ガム食べる?」

自分の食べ物をわけることでさりげなく和解の意を伝える、完璧な演出
(しかも、このガムは小道具として直前に選んだこと判明)

しかし、カメラが引きで録っていて、奥菜へ寄っていって、
アップになったところで、両目からぽろぽろっと涙が落ちますからね。
完璧なタイミング

いやー、堪能しました。機会があれば、是非見てくださいね

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映画「デビルマン」がすごい(ひどい)らしい

山本弘のSF秘密基地の「『デビルマン』は映画ファン必見だ!」

いやあ、山本会長最高だ(笑)。見たくなっちゃったよ

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華氏911

言わずとしれた、今年のパルムドール

何を期待していたんだと言われるかもしれないけど、見たら予想に反して落ち込んでしまった。もっと「権力者をおちょ食った、過激で痛快なドキュメンタリィ」みたいなものかと思っていたら、イラク戦争のあまりのせつなさに絶望的な気持ちになってしまった。

民主主義の親玉を標榜しながらすっころんだ選挙システムだの、金儲け主義の腐敗構造だの、ブッシュのリーダーとしての無能ぶりだのは、なんだかんだ言っても余所の国のことである。火の粉はガンガン降りかかるとはいえ、他人事。辛辣に批判してやればいい。

でも、イラク戦争はいかん。あまりにもいかん・・・。どこにも救いがない。誤解を招く表現かもしれないが、これで「イラク人皆殺しで、アメリカ人はもうウハウハ」とかなら、喜んでる人がいるんだからまだ救いがある。別の例えで言えば、「二股かけてた男が、突如、包丁を持った女に滅多刺しで原型をとどめない」は、まあ、なんか刺しちゃった方は一瞬スッキリしたかもしれないから、まだ救いがある。けど、「夏が暑すぎて常軌を逸した男に、通行中のOLが滅多刺し」は、どうにも切なすぎる。よーするに、何がしたいんか、わからん・・・

途中で、イラクで戦死した兵士のお母さんが出てくる。可哀想だ。とてもとても可哀想だ。でも、この人の可哀想具合は、果たしてイラク戦争と、もっと他の意義(≠正義)のある戦争だったとして、変わるだろうか?変わるんだと意図して、監督はこのシーンを入れているんだと思う。でも、ぴんと来なかった。それぐらい、イラク戦争は酷くて訳が分からない・・・。

うーん、なんなんだろう、この違和感は。ブッシュがアホで欲張りのダメ大統領だから、こんな無意味な戦争が起きているんだろうか?何が間違っているんだろう。ブッシュ大統領にこの戦争を今すぐやめる権限があることは確かだ。ただ、今、この状況でそれは正しいことなんだろうか?そして、ブッシュを選ばないことによって、アメリカ国民にこの戦争を止めることは出来たんだろうか?選挙システム的に、そして、もっと大きな視点でも

んー、なんだかなあ・・・???

まあ、見終わってスッキリ疑問が氷解するようなものは、それはそれでマズいとも思うんだけどね

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スジナシのDVD

おお、あの名作「イヴ・ドヴォンヌ」が収録されている。買いだ!

ちなみに今月の「スジナシ」は小池栄子だった。演技は大根だったけど、人柄がしのばれる芝居でしたな。あと、泣くぞと思ったら泣けるところが、鍛えられてるなあと。一流の役者じゃなくても、やはり残る人は何かしら、一流なんだと思わせますな

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『新選組!』 with ほぼ日テレビガイド

ひっさしぶりにほぼ日を見に行ったら、おもしろい連載をやってた。

三谷ファンの私は、今回の大河ドラマをめちゃめちゃ楽しくみてるんだけど、そーゆー人がたくさんいるとうれしい。

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SURVIVE STYLE5+(サバイブ スタイル 5+)

SURVIVE STYLE5+(サバイブ スタイル 5+)

大好きなCMプランナー、多田琢さんの初監督映画。みなきゃ!

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誰も知らない

9月4日に新宿のタカシマヤタイムズスクエアで見てきました。結構な混雑ぶりですべての回が満席。整理券制なのでギリギリに行っても見られません。私は11時に15:30の回の整理券を取りに行きました。そこまでしなくても見られます(笑)

上は公式サイトの画像のリンクです。訴えちゃいや(>_<)

で、凄い映画でしたよ。見てよかったかと問われれば間違いなく「見てよかった」と応えますが、手放しには「オススメ!」とは言えません。誰にでも薦められる映画じゃないです。

注意点としては

  • 起承転結はありません。ぎりぎりで物語を成立させるための伏線や脇役たちもいますけど、起きた事件は解決しません
  • 見た後、テンション落ちます。落ち込みます。あまりの不幸ぶりにアテられます。一緒に行った友達は「お昼のソバがのびてたことに文句を言ってた自分を反省した」と言いました。いや、まあ、のびたソバは悪ですが(^^;、そんな気持ちになります

というわけで、デートで行ってはいけません。少なくとも口説いてる最中はダメ。わかってんのか、俺(笑)

どんな話かは、公式サイトを見てもらうとして、こんなことが現実にあったのかと思うと、辛くて胸が軋みます。でも、登場人物たちは割と坦々と受け止めるんですよね。

印象的なシーンをいくつか

[オープニングからしばらくの、幸せな様子]

みんな父親が違う兄弟4人と母親の家族。子供は誰も学校にも行けず、対外的には存在すらしていないので、家から一歩も出られない。普通に考えて、この時点で既に不幸な状況。そんな中でも、5人が暮らしている様は、あくまで幸せのように見える。母親も、かなりダメな大人だけど、でも、この時点ではダメなりに子供たちを可愛がっていて、子供たちのことが好きなようにみえる。そして、自分勝手なんだけど、それでも幸せを求めようとする姿勢は、責める言葉も見つからない。そして、この時点で彼らが幸せであることが不幸のはじまりでもある。

[長男 明が母親に棄てられたことを悟る]

「好きなひとができた。今度の人は、私(たち)を受け入れてくれるかもしれない」と出ていったきり戻らない母親に連絡を取ると、母親は自分と違う名字を名乗って電話に出る。その瞬間、母親は妥協の結果、幸せを受け入れたことを悟る。その妥協とは自分たちを棄てること。または、母親の弱さがそうさせたのかもしれない。身勝手な母親を愛するあまり、無言でそっと電話を置く明。心に突き刺さるシーン。

[飛行場へ]

ここは、詳細は語るまい。もう、このあたりでは観客は辛くて辛くてしょうがないんだけど、このシーンで辛さはクライマックスへ。トラウマになりそうな辛さ・・・まさに絶句。そして、また映像が美しいんだな。でも、ここまできても、明は失われたあの日の幸せをなんとか維持しようと、それだけを考える。自分だけなら逃げ出せるのに、そうしない明を強いと見るのかどうなのか、考えてしまう。

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