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ボヘミアン・ラプソディ

「ボヘミアン・ラプソディ」みてきました。ロックバンド、Queenを題材にしたノン・フィクションものです。

で、別に私はクイーンのファンでもなんでもないです。世代が違うもんね。フレディ・マーキュリーが亡くなったときに話題になりましたが、それが中学か高校に入った頃かな。同時代のアーティストの話題だとは受け止めてはなかったです。

もういい加減おっさんの私でもそんなもんなので、この映画がヒットしていると聞いていったい誰が観に行っているのかと思っていたら、「2001年宇宙の旅」を見たときの予告編を気に入ったMilueが「観に行きたい」と言い出しました。Milueはクラッシック好きの親に育てられてるんで、ビートルズもストーンズもオアシスも区別がつかないけど、ヒットした曲は聴いたくらいあるよ・・・という人です。何がそんなにひっかかったんかな。

というわけで観に行ってきました。

もんのすごく出来の良い映画でした。

役者はみんな素晴らしいし、ライブシーンは大迫力だし、基本的にはエピソードをつまむしかない構成なのに演出がよく出来ているので一本筋が通ったストーリーのような気がするし(落ち着いて考えるとそんなことないんだけども)、もう、この映画のライブを「こっちがリニューアル版のクイーンだから」といってスターウォーズ4,5,6の特別版をさもオリジナルのように参照するがごとく捉えても不思議じゃないぐらいの出来でした。え?アレ本物じゃないの?いや、マニア以外気にしないでしょう・・・なんて言われかねないぐらい(笑)。

自分のセクシャリティとスター性のせいで二重に孤独を深め、最後にはAIDSによりさらなる孤独に覆われるフレディ・マーキュリーの人生を、失いかけた友情と愛と音楽が救うという形に綺麗にまとめられていることもこの映画のぐっとくるポイントです。上手い。見易い。素晴らしい。そういう一貫性の中に、「あの名曲の制作中のエピソードその○」が折りたたまれていて、ひじょーに楽しい。

というわけで、テーマが重い(実在のスターの人生まるごとだからね)割にストーリーが薄っぺらい(だって、一個人の人生に起きたことなんて、エピソード自体はそんな複雑でも入り組んでもないよね)ので、ドラマチックな音楽に観客も自分のナイーブさをそのまま泳がせて感情を揺さぶられる体感がとても気持ちよく、これはヒットするな思いましたね。

で、これってアイドルアニメとおんなじなんだよね(笑)。さすがにフレディ・マーキュリーほどのテーマを個人で背負うキャラを作るのは大変だから15人ぐらいに分散して、実力揃いの作曲家陣がよってたかって曲を揃えて、ありきたりのストーリーを歌と共に観客を揺さぶる。そこに生い立ちの不遇さを入れても良い、友情を入れても良い、セクシャリティの問題を入れても良い・・・ヒットの理由が見えてきたなー。

というわけで、今後、クイーンはこの映画抜きに語られることはないだろうというほどによく出来た映画なので、クイーンのファンはもちろん、「なんだかよく知らんけど、みんなクイーン好きだよね−」ぐらいの人にも幅広くお勧め。ある意味、「ドリーム」の黒人差別と同じ目線で「LGBT?まあ、そりゃいるっしょ、そんな人も」ぐらいの認識になった現代からおよそ40年前の世界の問題を眺めるんだから、気楽っていえば気楽。お気楽に観てください。

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