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Everybody's Gone to the Rapture -幸福な消失-

なかなか評判のゲーム、「Everybody's Gone to the Rapture -幸福な消失-」を遊んでみました。

えっと、ですね。これ、ゲームと呼んで良いのかは微妙です。定義の難しい言葉ですが、いわゆるゲーム性は皆無です。分類すればアドベンチャーゲームなんですが、ゲーム性のなさはビジュアルノベル以下です。言ってしまえば、読書です。この作品はSF読みにこそ薦めたい。

「ほほぅ」と思った人は、公式サイトにいって、PVを見て下さい。「ああ、好きな雰囲気かも」と思ったら、とりあえずプレイすればよろし。PS4があるなら、2000円ぽっち払ってダウンロードすれば、すぐに出来るんだし。ボリュームとしてはSFの短編1話分ぐらい。プレイ時間はSFのぶ厚めの文庫本1冊読むぐらいで、クリアに50時間とかバカな要求はしてきません。安心してどうぞ。

え?なんだかよくわからないものに2000円も払えない?

ばいばい、貧乏人。すぐにここを去れ。

趣味で2000円ぽっちの失敗した買い物ができないような人に用はありません。

というわけで、良識あるオトナの皆様におかれましては、もうプレイしていただいたか、「残念だけどやる時間的余裕はないので楽しんだお前の話を聞いて代償行為にするよ」という判断になったか、「趣味じゃないからやらないわ」という判断になったかのいずれかだと思うので、ここから下はネタバレモードも含めて書きます。ご注意を。でも、読んでもこのゲームの良さはあまり失われないと思いますよ。

PVを観て想像するのはいわゆるバイオハザードものだと思いますけど、そっちじゃないです。序盤ですぐに「そうかな?」と気づくので書いちゃいますが、ファーストコンタクトものの方です。宇宙からなんかがやってきてあれやこれや・・・という話なんですが、これももう書いちゃいますけど、最後まで結局何がやってきて何が起きたのかは明かされません。

で、あれやこれや・・・の方もあんまり書かれません。描かれるのはイギリスの片田舎の人間模様だけ。だから、ストーリーもSF的な観点ではあんまり魅力的じゃないです。

じゃあ、何が魅力的なのかというと、この形式そのもの。広大なフィールド。それを迷わずに散策させるための工夫が凄い。道や建物の配置や、ポイントポイントに置かれた地図は考え抜かれているのに、「ゲームのため」だとまったく思わせない。地図はあちらこちらにあるんだけど、観光地という設定なのでいっぱいあっても不自然じゃないです。逆にマップ画面なんて無粋なモノはなし。

そして、自由に散策もできるんですけど、ストーリーはちゃんと目印があって(この目印がすごく不思議なモノで、設定を深読みしたくなるし、何より美しい!)、まったくストレスなく話を読み進めていけます。移動速度の遅さに文句を言っている人が多いですが、それも無粋。むしろ、心地の良い移動速度だと感じました。そりゃ、複数回プレイやトロフィー集めのための網羅的なプレイをするときには堪らないと思うので走れるモードは必要なんですけど、最初のプレイではむしろ走ったら台無しでしょう。

登場人物は、全部シルエットしか出ない(ようするに、技法としては「かまいたち」なワケだ)んだけど、このシルエットの表現もすごくセンスが良い。あ、顔や姿はまったくわからないので、字幕はONを薦めます。登場人物名が表示されます。でも、最初のうちはまったく人間関係もわからないけど、エピソードの断片を観ていくと繋がっていくのも魅力です。

さらに、本編は物語の中心となる人物が切り替わっていく章立ての構成になっているんですが、その章の切り替わりの演出が素敵。2章の終わりはもう、鳥肌が立ちました。でも、よく考えるとストーリー的には全然盛り上がってなかった(笑)。演出だけで見せます。凄いよ。

操作している対象である「私」は何者なのか(人間なのかもわからない)。村に何が起きたのか。村のあちらこちらに残された「痕跡」は何なのか。牛と鳥の死体はあるのに人間は・・・。なーんにも明かされませんが、裏に設定はあって推測は出来る。

足に障害のある女性が遭った事故とは何だったのか。神父が犯した罪とはなんだったのか。母と叔父はなぜ仲違いをしたのか。駅員はなぜ靴を失ったのか。夫は最後に何を観たのか。妻は最後に何を知ったのか。これまた、なーんにも明かされませんが、いくらでも深読み出来る。

連想したのは、飛 浩隆 「グランヴァカンス」の終末感。あの話をこのシステムとビジュアルでやってくれたら凄いだろうなあ。

というわけで、不思議な読了感(というのも変だけど、まさにそんな感じ)のこのゲーム。よく他の人は「さっぱりわからない」と貶しているような本が好き・・・なんて難儀なホンスキー型宇宙人の皆様にお勧めです。

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