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F1GP2012 #15 日本GP

ついにこの日がきました。小林可夢偉の表彰台。みんな待ってました。

ザウバーのマシンで表彰台に上がることはとても難しいことです。何かがなければ無理です。何かというのは何かといえば、多重クラッシュで前がいなくなったとか、アクシデント的にタイヤチョイスが他の車と違ってしまい、それがたまたまばっちりハマったとか、そういうこと。

しかし、そういうチャンスを引き寄せ、何かあった時にはちゃんとしかるべきところにいる。それもドライバーの能力のうちです。可夢偉のチームメイトのペレスはそうやって今季、3度も表彰台を射止めました。それがマクラーレンへの移籍につながりました。マクラーレンやメルセデスのシートに空きが出来たら当然、フォースインディアのドライバーから選ばれるのだろうと思っていただろうディ・レスタやヒュルケンベルグはがっくりだと思いますが、F1の世界には何の保証もありません。しかし、行くならフェラーリだと思ってましたが・・・フェラーリはどうするんだろう。来年もマッサで大丈夫かな?もちろん、ペレスにとってはフェラーリでアロンソのNo.2よりもマクラーレンでバトンについて勉強させてもらえる方が明らかに良いチョイスでしょう。

そんな「マッサで大丈夫か」との懸念を晴らす・・・のかな?ちょっと遅きに失した感はある2年ぶりの表彰台に上がったマッサ。いや、可夢偉ですら「やっと」という表現になってしまうでしょうから、マッサはちょっと手遅れなんじゃないか・・・。ただ、じゃあ、誰を載せるかというと、あんまり選択肢はないのが実情でしょうね。中堅チームを見渡せば、フォースインディアの二人はここぞという勝負強さを感じませんし、グロージャンとセナはフェラーリドライバーのプレッシャーに耐えられないでしょう。マルドナドは速さはピカイチですが、それを結果に繋げられないタイプ。トロロッソの二人もぱっとしません。リカルドはもう少しやると思ってたんですが・・・。可夢偉は勝負強さはバツグンですが、一発の速さではディ・レスタやマルドナドに劣ります。うーん、そう考えると、マクラーレンがペレスを釣っていったのは美味しいタイミングでしたねえ。どうだろう、再来年にベッテルが来てくれるならもう1年マッサで我慢が現実的かなあ。

しかし、この鈴鹿のベッテルの速さとレッドブルのマシンの出来を考えると、ベッテルがフェラーリに行きたがるかは疑問です。そのあたりはもう本人にとって「フェラーリドライバー」という立場がどんな意味を持っているかという問題ですからなんともいえません。もし今年、ベッテルが3年連続のチャンピオンを取れば、もうレッドブルで成し遂げるものはないようなものですから、フェラーリへの移籍は現実的じゃないでしょうか。ただねぇ・・・ベッテルはフェラーリという名前のどうのこうのより「走るのが大好き」というタイプなんで、レッドブルがあってるとは思うんですよね。今回も、1位を独走して「ぜんぜんプッシュする必要なんてないからな!」という無線をもらってるにもかかわらず、ファイナルラップ1周前にダントツのファステストを叩きだして”BE CAREFUL!!!”て無線をさらに入れられてて笑いましたが、そういう振る舞いもレッドブルだから許されてるところはあります。それに、今回のレッドブルの車の躍進はニューウェイがここに来て入れたW-DRSにあるみたいで、それを一発で機能させてしまうんだからニューウェイ老いず。ニューウェイがバリバリやっている限りレッドブルが優勝争いから外れるとは思い難く、ベッテルも勝てる車を手放すとは思えないんですけどね。

そんなW-DRS。レッドブルがばっちり機能させたのとは引換え、どうもうまくいかないのがロータス。ここは伝統的にジオメトリー周りはピカ一なのに空力が苦手なチームでして、てこずってるようです。おかげで「可夢偉ファンより目立つんじゃないか」というほどのライコネンファン(まあ、白より黒が目立つしね^^;)の期待に答えることはできず・・・。ライコネンはここまで非常に安定した成績で、未勝利ながらランキング3位にきっちりいます。ライコネンはとにかくぶつからないのが素晴らしい。絶対に無理なブロックはせずに抜かれるときはあっさり抜かれますが、逆に抜くときは前の車と競り合うのではなく、隙をついて一瞬でかわします。うまい・・・。あとは、もう少し、本人にやる気があればいいんですが、走ること意外は楽しくないという性格がねぇ・・・しかももう楽しい事しかやる気なさそうです。

さて、ロータスと言えば、ある意味でこのグランプリではライコネン以上に注目を集めたのが、ミサイル・・・もとい、グロージャンです。前夜祭イベントで、今宮さんが「スパでは後ろからミサイルが飛んできたわけです」とグロージャンのことをミサイル呼ばわりし、「(テレビ中継でそういうことを言うと)グロージャンのファンの方には怒られるかもしれませんが」と続けたところで、司会のピエール北川さんに「これ、CSで中継ありますよ」と突っ込まれて「ホントですか?」と慌てて会場大爆笑。相手がピエールさんだったので油断しましたね、今宮さん。その後の可夢偉がスパでスタートがうまくいかなかったことに関して「情緒不安定なんですよね・・・あの方が。クラッチさんっていうんですけど」と発言し、対談は「クラッチさんとミサイルさん、よろしくお願いします」ということでまとまり(?)ました。おかげで、すっかりF1ファンの間で「ミサイルさん」というあだ名が定着しそうです。発射装置を持っているはずの小松さんには自重願いたいところですが、ボタン押さなくても発射するからなあ・・・。

というわけで、今回はミサイルさんは4番グリッド。可夢偉の横です。スタート前に、今回一緒にうちで中継を見ていたLuminusとkurumicsと「ウェバーのスタートはいつもどおりに失敗のはずだから、ミサイルさんがきっちりウェバーをやっつけてくれるので、可夢偉はスタートで2位だな。そして、後はルノーのオルタネーターが空気読む!」なんて冗談で言ってたんですけど、ホントにやるから笑えない。ウェバーは当然ながら怒り心頭のようです。うーん・・・。グロージャンが速いドライバーであることを疑う人はだれもいません。ライコネンとスピードの面では完全に勝るとは言えないものの決して劣らないんですから大したものです。しかし、15戦を終えて、ライコネンは157ポイントで選手権3位。一方、ミサイルさんは82ポイントの8位。倍近いポイントの開きがあります。今のF1ではいかにコンスタントな成績が残せるかが大事ですから、「F1で走っている」以上のドライバーになるためにグロージャンにはここが大きな壁です。もう「新人だから」で済む出走回数でもないですからね。

さて、クラッチさんもミサイルさんも味方につけた可夢偉の表彰台に立ちはだかったのがバトンでした。最後の数周にタイヤをきっちり残してアタックしてくるんだからさすがです。予選では前にいたんですから普通に考えて抜かれて当然のマシン。しかし、バトンのアタックはクリーンでしたし、可夢偉も物凄いプレッシャーだったと思いますが、よく耐えてゴールしました。最後の数周は手に汗握りました。いいレースでした。しかし、何より素晴らしいのは、ペレスの表彰台がすべて「目の前に転がってきたチャンスをちゃんとものにした」レースだったのに比して、「予選グリッド3位からスタートしてその地位を守りぬいてゴールした」レースだったことです。これはかなり意味が違います。

そして、表彰台は感動的でしたね。表彰台前に10万人の大観衆の「可夢偉コール」。いやあ、現地に居たかったなあ。こんな熱狂、モンツァでも見たことがないです。表彰台でのインタビュアーはジャン・アレジ。憎い人選です。あの観客の熱気を前にして、さすがアレジは粋な男。「日本語でどう?」。FIA的には国際中継のインタビューで日本語で答えるのはNGだったと思うんですが、あの雰囲気では可夢偉が観客に日本語で語りかけないわけにはいかないですよね。ついには、「今、ベッテルがゆーてたんはねー」と可夢偉がベッテルのインタビューを訳してました(笑)。

さて、チャンピオンシップの行方はあと5戦を残してアロンソとベッテルが4ポイント差でほぼ並ぶという展開。今回のレッドブルのW-DRSの性能を考えると、これはかなりベッテルが有利。3年連続のチャンピオンがついに射程に入りました。ベッテルの敵はマシンの信頼性だけですが、それも問題にはならなさそうです。どちらにせよ、残り5戦も楽しみに観戦しましょう。

 

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